番外編2-4 義理のお姉さまは私ではダメなんですか?
次の日、腫れた目をタオルで冷やしてから公爵家へ。
いつもの脳内変換は故障して動かない。
「今日もよろしくお願いします。エドワード様今日は何をしたらよろしいでしょうか?」
私は、覇気のない声で視線を下にして声をかけた。
エド様なんて私、もう呼べない(泣)
「大丈夫?なんか元気がないね。悩みがあったら何でも聞くよ。」
優しいエド様は、心配そうに私を見つめる。
「何でもありません。」
言えるわけないじゃない。私をシャルの義理のお姉さまにしてほしいなんて。あなたには、もうーーー
それを思った途端、涙がつつーっと頬を伝ってしまった。
ーーーー
「おいしいお菓子をあげようか?それとも休憩しようか?どこか行きたい?」
エド様はなんか意味の分からないことばかりを聞いてきた。
なんか、あたふたと動き回っている。
何も言わずに涙をこぼし続ける私。
「やっぱり心配だ。リリー嬢何かあった?」
久しぶりに聞いたような気がする。
リリー嬢って。
嬉しいけど、悲しい・・・
違う立場で言われたい。
「ねえ。リリー嬢。僕に話して。何でも聞くから。」
そう言って、エド様は私の目を見つめ、手をそっと握ってきた。
(思い切って聞いちゃおうかな?当たって砕けろだよね。あ~でも、砕けたくはない~)
30秒の脳内葛藤の後、聞いてみる方にわずかに天秤が傾いた。
「あの~。エドワード様。」
私はおずおずと話し出そうとすると、
「エド様だったろう。今までそう呼んでくれていたよね。そう呼んでくれないとなんか嫌なんだよ。」
エド様が急に必死になって言ってくる。
「エド様なんて呼ばせているの、リリー。君だけなんだよ。」
(・・・なんかあまーーーーーーい)
でもどうして?
婚約者候補の人は?
私は、思い切って聞いてみることにした。
「それでは、エド様。エド様には婚約者候補の方がたくさんいらっしゃいますよね。
私じゃ、駄目なんだと思って・・・・」
私がそう言うと、エド様は焦って握っていた手を離し、バタバタと振りながら答える。
「何でそうなるの?いないよ。誰のこと?」
「だって、昨日殿下が釣り書きを持っていらっしゃったじゃないですか。」
私は、口をとがらせて文句を言う。
「誤解だって。まだ、婚約者候補なんていないから。あ~いないというか。違うから。」
エド様、また、言葉足らず病ですよ。一つもわかりません。
「何が違うというんですか。私、あの時から悲しくて・・・」
私が下を向く。
「えっ。悲しんでくれるの?うれしいな。」
悲しいって言っているのに嬉しいなんて、今のエド様0点。
「なに喜んでいるんですか。もう、声をあげて泣きますよ。
そしたら、エド様、女性を泣かせたって評判になって女性にモテなくなりますよ。」
「モテなくたっていいんだよ。リリー君にさえモテれば。」
(え~それってどういうこと?100点か?)
「エド様って言葉足らずって言われたことありませんか?私、ずっと誤解してました。
もっときちんと伝えてください。」
私は、はっきり聞きたいのだ!
エド様は、急に自分の服装を整えだした。そして、
「ん、んん。リリー嬢。
僕はいつの間にか君のことが気になりだした。
君がいないと、何かおかしいんだ。
つまり、どうやら、君のことが好きになったようだ。」
「そこは、男らしくはっきり!」
「うん。他の誰かと比べたことなんて、一度もない。
君が好きだ。」
「もうひと声。」
「君と一緒に、この家を支えてほしいんだ。
君と婚約したい。」
「やったーーーーーー」
なんか、コントのような会話になってしまった。
でも言質はとりました!
やりました!!!
私、どうやらシャルの義理のお姉さまになれそうです。
(私の周りを天使がラッパを吹きながら回っている。おめでとう!私。)
「でも、どうして最近リリーと呼んでくれなかったんですか?」
「だって、正式に君を迎える前に軽く見られたくはなかったんだ。」
(そんなことを考えてくれるまじめなエド様もラブ)
一人、心の中でガッツポーズをしていると、エド様がこんなことを言い出す。
「もっと雰囲気のいいところでかっこよく言いたかったな。
明日一緒に出掛けよう。
仕事抜きで。
デートだよ。」
これはもう脳内変換の結果ではない。
正しくデートに誘われました。
つまり、義理のお姉さまになりたいーーー
大、大、大成功!!!!!!
とうとう悲願達成!!
リリー頑張った。
本日あと1話投稿します。




