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番外編2-2 義理のお姉さまになれますか?



今日はエド様の執務室にお邪魔しています。


きゃ~


エド様の仕事場訪問?


そんな心の声はなかったかのように、まじめな顔であいさつする。


「今日はよろしくお願いします。」


「こちらこそ、よろしく。手伝ってくれて助かるよ。」


今日のエド様もまるで後光が差しているかのように輝いています。(まぶしい!)


「エドワード様今日は、何をお手伝いしたらよいでしょうか。」


私の有能さを見せるために、仕事をバリバリこなさなくては。


「う~ん。じゃ、まずはこの書類を君が昨日言ったように一枚の紙にまとめられる?」


昨日の2時間余りの二人でのデート。


きちんと覚えていますよ。


「もちろんです。すぐに取り掛かります。」


私は、バラバラに書かれてあるこの家の収入と支出を項目ごとに分け、表に書き記していく。


あ~パソコンがあればな?


エクセルでちょちょっと作れちゃうのに・・・


まあ地道に頑張りますか。



私は、集中して作業をしていて、近くに来て表をのぞき込んでいるエド様に気づかなかった。


「なるほど。これは見やすいね。リリアーナ嬢素晴らしいよ。」


エド様が私を見て、驚きの声をあげた。


「え、エド様・・・   あっ。失礼しました。エドワード様。」


余りの近さに思わず焦って心の中の呼び名で呼んでしまった。(私ったら・・・)


「あ、いいよ。仕事中何度も呼び合うからそのままで。」


(えっいいの~。うれしい。じゃこの場の勢いで行けるか?)


「あの。私ばかりエド様と呼んでは不公平と言いますか。よかったら、私のこともリリーと呼んでいただけないでしょうか。仕事ですから・・・」


(私ったら、何が仕事ですからって。焦りすぎ。)


「わかった。リリー嬢。これでいくね。」


(やったー)


(私やり切りました。ゴホン。ゴホン。いえ、まだです。落ち着け!)



「出来ました。これでどうですか?」


集中して表を作り上げて、エド様に見ていただく。


エド様は、私の後ろに来て、出来た表をのぞき込む。


「ねえ。ここって何についてまとめてあるの?」


せっかく有能さを見せようとしているのに、真っ赤になって答えられない。


だってエド様、後ろから肩越しに指摘場所を指さしてるから、なんかバックハグ!?されてるみたい。


(きゃ~ 今日何度目かの心の悲鳴をあげた。)


なんか、エド様って実は天然のたらし?



こんなことをしながら、仕事の時間は過ぎていった。


思った以上に疲れた。


まあ、私がエド様の行動を脳内変換しすぎているからなんだけど。


「今日はこのくらいにしようか。お疲れ様。とても助かったよ。」


エド様に役に立ったと言われてうれしい。


「何でもしますよ。また、明日も来てもいいですか?」


私は、このままあきらめるつもりはない。


押せ押せである。



「ありがとう。でも、そろそろ決めなくちゃね。」


(え~何を決めるの?)


エド様の言葉に急にドキドキとしてくる。


エド様は、真剣な顔をして私を見つめてくる。


「それじゃ、正式に結ぼう。」


(え、ちょっと待って。“正式に”って何のこと?まさか……いやでもこの流れ……)


思わず手のひらをぎゅっと握る。


「いや。その前にクラウゼン侯爵家に出向こう。」


エド様がいきなりそんなことを言う。


(え~うちにくるの!?何しに?)


「そんなに緊張しなくても大丈夫だよ。実は、僕も女性は初めてだからちょっと緊張するけどね。」


と、全く意味の違う優しさで微笑む。


もう、何が何だか分からなくなり、虚空を見つめる。


「あの~。エド様。お聞きしてもよろしいでしょうか?なぜうちにいらっしゃるのでしょうか?」


私は意を決して訊ねた。


「もちろん。ご挨拶にだよ。」


エド様は私に向かって満点の笑顔で答える。


(お父様とお母様にご挨拶!?指輪は!?心の準備が――)



バタン。



私はそこから意識がない。



気付いたら家のベッドに横になっていた。


私どうしたの?




後で聞いたところ、エド様が倒れた私を侯爵家まで送ってくれ、事情を説明してくれたらしい。


その上、忙しくさせてしまい申し訳ないと謝ってくださったと聞いた。



詳しい話は後日改めてということで、お帰りになったらしい。


私の義父母には、私がローゼンベルク家の仕事の手伝いをしていることを言ってなかったから、それは驚いたとちょっと怒られた。


事情を説明して明日も手伝いに行くと言おうとした。


すると、エド様より体調を整えてきてほしいので1週間は休むように言われてしまった。


(営業チャンスを自ら潰した!?私のバカ!!)


まあ、今日はリリー嬢と呼んでもらったし、良しとしましょうか。



(あ~憧れのエド様にリリーなんて呼ばれてしまった。幸せ ♡)


私がベッドで左右に転がりながら悶絶してしまった。


(これ、もう仕事じゃなくてイベントでは?しかも最上位レアイベント!)




でも、私は知らなかった。


まさか、エド様は雇用契約を結び、それを了承してもらうために、侯爵家を訪ねようとしていたこと。



絶対エド様って、言葉が足りない!!


間違いない。




しかし、この後私をどん底に突き落とす、思わぬ展開が待っているのであった。





どうしよう?

どんどんリリーが暴走していく?

本日あと1話投稿します。

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