番外編2ー1 義理のお姉さまになりたいのです
本来ヒロインのはずのリリーのお話。
私の推しはエド様。
このゲームでは、全てのルートを攻略して分かった。
エド様最高!
前世でもこの世界でもずっと推し。
私、きっとこの人を助けるためにこの世界に転生した。
この世界でなんと悪役令嬢のシャルロットと親友になってしまった。
だって、シャルって本当にいい子。
私を助けてくれた時なんてかっこよかった。
シャル、もう、大好き。
そんなシャルが結婚した。
シャルが大好きなアル様と。
でも、ちょっと寂しい。
あれ。いいこと思いついちゃった。
大好きなエド様と結婚すれば、私はシャルの義理のお姉さま?
つまり大好きなシャルともいつでも会える立場。
推しのエド様とも結婚出来て。
それこそ、一石二鳥。
今日は、その計画の第一歩。
頑張るわ!
決意を胸に、拳を固く握りしめた。
「こちらでお待ちください。」
不思議そうな顔でローゼンベルク家の筆頭執事トーマスさんが部屋に案内してくれた。
ドキドキしながら椅子に座って待つ。
しばらくして、あのエド様が部屋に入ってきた。
ーー尊い
「えっ?リリアーナ嬢。どうしたの?シャルはもう結婚してうちにはいないよ。」
エド様が驚くのも無理はない。
ローゼンベルク領の執事マイケルさんが例の件で執事見習いとして領地に行っている。
シャル効果で『ローゼンベルクカット』の売り上げが順調で忙しく、執務経験のある人を募集していたのだ。
そしてやってきたのが、侯爵令嬢の私では、驚くのも無理はない。
実は、前世で経理の仕事をしていた私は、かなりの自信をもってこの場に来た。
「執務の仕事の手伝いをする人を探していると聞いてやって参りました。」
私は、前世での面接を受けているかのように、礼儀正しく答えた。
エド様は、驚きで目を丸くしている。
「本気で言ってる?」
「もちろん本気です。私、計算は得意なんです。試しに問題を出してみてください。」
エド様は、さらに口まで開いてぽかんとしている。
そんなエド様も素敵!
エド様もまじめな顔になって、一枚の紙をテーブルに置く。
「本気だというのなら、こちらも真面目にいくよ。ここに書かれているものを見て間違いを見つけてみて。余白には何を書いてもいいよ。」
そこには、この家の収入と支出が書かれた数字が並んでいた。
私は、その紙をじっと見つめ、おもむろに余白に計算を書き始めた。
時間にしたら5分もかかっただろうか。
「分かりました。」
私は、落ち着いた声でエド様を見た。
「えっ。もう?ちょっと早すぎるんじゃない?僕だって20分はかかるよ。」
「大丈夫です。確かめは何度もしましたから?」
「この時間で確かめもしたの?」
エド様は信じられないという目で私を見ている。
日本人の能力をなめないでいただきたい。
計算や細かい作業は得意である。
「まずは、この収入を足していくと合計金額がここの数字より2538少ないです。
また、支出項目の人材費用が26人分だと130000のはずです。」
私は指摘場所を指をさしながら的確に答えていく。
エド様は何度も紙を見返す。
「合ってる!完璧だ。」
エド様は、そう言って私が計算した場所をじっと見つめる。
「ちなみにこうした計算がしやすいように一枚の表としてまとめることも得意です。」
私は、自分を売り込むプレゼンを重ねる。
「どうするのか、詳しく聞かせてほしいな。」
仕事に関して本当にまじめで優秀なエド様。(素敵)
話は尽きない。
こうして、採用試験のはずが、2時間以上仕事の話を続けてしまった。
(エド様と二人きりで2時間も話した!?実質デートなのでは・・・ 尊すぎるんだけど!!)
「しかし、驚いたな。リリアーナ嬢が学園時代から優秀だとはシャルに聞いていたけど、予想以上だったよ。」
「私は心からここで働きたいと思って来たのです。私のプレゼンはいかがでしたか?」
「ぷれぜん?」
「何でもありません。それより、私にぜひエドワード様のお手伝いをさせていただけないでしょうか。
何ならお給料なんて戴かなくてもかまいません。私を雇うとお得ですよ。」
笑顔で売り込む。
「いやいや。もちろんきちんと相応のお給料は出すよ。問題は、そんなことではないんだよ。」
エドワード様も困った顔をする。
「何が問題でしょう?」
私は分からなくて首をかしげる。
「だってリリアーナ嬢は侯爵令嬢でしょう。それをいくら優秀だからって公爵家で働かせるなんて。
ただ、執務を手伝ってくれる人が必要なのは間違いないんだけど・・・ん~」
エドワード様も迷っているようで考え込んでしまう。
「じゃ。もう少し様子を見たいから明日から・・」
エド様が言いかけた時、すかさず笑顔でお礼を言う。
「ありがとうございます。私精一杯エドワード様のために頑張ります。」
思わず心の中でガッツポーズを決める。
明日から、さらに攻めていくよ。
まずは、距離を縮めていこう。
義理のお姉さま目指して頑張ろう!
あまりに楽しくて、
1話では終わりませんでした。
続きます。
明日も2話投稿します。




