5-5 王太子殿下からの正式なプロポーズ
いつもお読みいただきありがとうございます。
結婚の日取りが決まった。
アル様の強い希望で私の卒業の次の日となった。
「だって長すぎるよ。
婚約してから10年だよ。
もう一日たりとも伸ばしたくない。」
そんな会話があったとは、知らない私。
ミハイル王もセリーヌ王妃もお父様も苦笑いだった。
家に帰って夕食の席で、結婚の日取りを家族に伝えた。
「まったく殿下は仕方がないな。
そんなに早くシャルと結婚したいのか。
シャルは最高にかわいい自慢の妹だからな。
その気持ちは分からなくもないけど。」
エド兄様が笑いながら言う。
「本当よ。卒業式の次の日なんてあっという間じゃない。
もっと、かわいいシャルとゆっくり過ごしたいわ。
まだまだお茶会にも一緒に行きたいし。
何より、こんなに綺麗で頭もいいのよって、自慢したいわ。」
お母様までそんなことを言い出す。
「私がミハイル王にもう一度頼んでみようか?
やはりさみしいじゃないか。
毎晩泣いてしまうよ。
本当にシャルは頑張ってくれた。
我が家自慢の娘だ。
かわいい可愛い娘だ。
本当は誰にもやりたくない。」
お父様はもう涙目だ。
「お父様。いつも私に優しくしてくださり、ありがとうございます。
お父様が私の意見を聞いてくださったおかげでこの領地が良くなりました。
今では、お父様が最高の領主です。
お母様。いつも社交界でみんなを先導する姿、素敵でした。
お母様とのお茶会もとても楽しかったです。
私、お母様の娘でよかったです。
エド兄様。いつも素敵で優しくて自慢のお兄様でした。
エド兄様が家に帰ってきてくれた時は本当にうれしかったです。
エド兄様はいつまでも私だけのお兄様です。大好きです。」
「何だい。もうすぐ結婚してしまうみたいじゃないか。
泣かせないでおくれよ。」
家族四人で泣き笑いの夕食になってしまった。
そんなある日、夕焼けの綺麗な王城で。
今日も王太子妃教育が行われた。
終わって部屋を出ると、そこにはアル様が一人立っていた。
「終わったんだね。ご苦労様。今日は大事な話があるんだ。ついてきてくれないか。」
アル様にエスコートをしてもらい、王城の階段を上がっていく。
珍しく無言で、それでも私の歩調に合わせてゆっくりと歩いてくれる。
王城の塔の上からは、王都の街並みが夕焼けに染まっていた。
「シャルロット。」
アル様が静かに私の手を取った。
「君は本当に素敵な人だ。
家族を思って行動する君。
周りの人の幸せを考えて動く君。
領地のことをよくしようと奮闘する君。
誰よりも王太子妃としてふさわしい。
君の魅力は言葉では言い尽くせないほどある。
でも、言葉ではないんだ。
私の心が、どうしようもなく君を求めるんだ。
君がいいんだ。
私には、君が必要なんだ。
シャル。
私と結婚してほしい。
そして、家族となって私と共に歩いてほしい。
君をずっと大切にするよ。
心から君を愛している・・・」
そう言ってじっとわたしを見つめてくる。
私はもう視界が滲み、動くことができない。
しばらくして、息を整え声を震わせながら話す。
「アル様。
私ずっと幸せなんです。
アル様と婚約がきちんと決まってから。
本当は婚約が決まってからずっとかもしれません。
いつもアル様が私を守ってくれています。
いつもアル様が私を見てくれています。
そうすると、私の胸が高鳴るんです。
私もアル様が好きです。
愛しています。
ずっとあなたの隣に立たせてください。
私と家族を作っていってください。
それだけで私は幸せです。
これからもよろしくお願いいたします。」
「あ~。やっと君を妻にできる。」
そう言って、アル様も腕で目を覆ってしまった。
そして、王都の夕焼けを背に、二人の影はそっと重なった。
アルいい男です
私ももらい泣きしました
明日は本編最終話です。




