表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

44/60

5-3 冷徹な王太子の溺愛が止まりません

お読みいただきありがとうございます。


「もうそろそろ手を離してもいいのでは?」


エド兄様がにやりと笑って声をかける。


「いや。それよりも今度は俺と踊ろうよ。」


レオンもいつもの口調に戻って誘ってきた。


「は・・」


答えようとしたところでアル様に強く腕をひかれた。



「いや。だめだよ。


シャルはのどが渇いたようだから、バルコニーにでも行こうか。」


私の肩を抱き、バルコニーに移動しようとする。



え~


どうしよう。


肩。


肩に手が。


肩に触れる手から、心臓の音が聞こえてしまいそうだった。



「一度くらいいいじゃないですか。


嫉妬深い男は嫌われますよ。」


レオンが口を尖らす。


「一度でも嫌だ。」



「じゃ、兄様とならどうだい?」


「早く行こうね。」


また、後ろを向いてすぐに返事をしようとする私を無言で促して歩く。



「仕方ないな。


なつかなかった猫が、やっと自分の手の中に来たばかりなんだ。


今日くらいは独占させてあげるよ。」



そんな声も聞こえないくらいドキドキとしていた。



アル様は飲みやすいシードル風のリンゴジュースを二つ手に取った。


バルコニーには、私達しかいない。


二人きりの空間に更に鼓動が高まる。


「アル様。ご卒業おめでとうございます。」


私はそっとグラスを合わせた。


リーン。


涼やかな音が静かな空間に小さく響く。


「ありがとう。シャルと参加できてとてもうれしいよ。」


「私も婚約者として参加できて、今とても幸せです。」


笑顔でアル様を見つめるとアル様は静かにグラスを置いた。


「シャルを失うかと思った時は本当に怖かった。」


そういったかと思うと、アル様は私を優しく抱きしめた。


「もう絶対に離さない。ずっとずっと一緒にいたい。」


その言葉を聞いた途端、私の目から涙がこぼれる。


「私も…あなたのそばから離れません。


ずっと、ずっと一緒です。」



そうしているうちにおもむろにガラス戸が開かれた。



「いつまで二人だけでいるつもり?


まだ、婚約者なんだからね。


主役は戻って、戻って。」


エド兄様が呼びに来た。



見られた?


恥ずかしい。



真っ赤になった私は、アル様に手を引かれるまま、再びパーティー会場に戻っていった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ