表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

40/60

4-7 もう終わり ~マーガレットside

お読みいただきありがとうございます。

本日2話目です。


もう終わりね。


終わってしまったのね。


父や母の醜い言い訳に、涙も出てこない。




「学園での被害についてはシャルロット。


君が一番被害を被っている。


マーガレットの罪について思うところを話してみよ。」



王の言葉の後にシャルロット様が話し出す。



「確かに私は、学園では悪いうわさが付きまとい、ずっと孤立を余儀なくされてきました。


また、王太子妃としてふさわしくないという烙印も押されつつあったと思います。


誘拐されたときはもうだめかとあきらめかけました。


思い出すだけで今でも震えが止まらなくなります。」


静かに、下を向きながら話すシャルロット様。



私は、私の思いで動いてきたけど、そんなことを考えていたのね。



「罪は罪として償っていただきたいと思います。


でも、マーガレット様は自分から悪いことをしたのでしょうか。


しなければならない立場や思いがあったのではないでしょうか?


私は、それだけで彼女の人生を終わらせたくはありません。


その点を加味したうえでご判断いただけないでしょうか。」



あんなことをされたのに、私のことを守ろうとする。


とんだお人よしね。



あ~


分かってしまった。



だから、あなたは殿下に選ばれたのね。



私じゃ、駄目なのね。



そう思ったら涙が一粒こぼれた。



終わってしまった。


本当に全て終わってしまった。



あなたたちが手を握り合っているのを見た時。



気付いてしまった。



私じゃなく


他の誰でもなく


あなたがいいのね。








数日後。


私は隣国に留学することを言い渡された。


それでも、王太子ゆかりの隣国の騎士家に保護されることになった。


破格の対応だ。



隣国に向かう朝。


お父様とお母さまに会う時間をいただけた。


二人が部屋に入ってきた途端、お母様が私を抱きしめてきた。


「今まで、母らしいこと何もしてあげられなくて、こめんなさいね。


身体に気をつけて暮らすのよ。


あなたの幸せを願っているから。


私たち家族がいること忘れないでね。」


気付いたらお互いに涙が流れていることに気が付いた。


お父様はしばらく下を向いて黙っていたが、おもむろに口を開く。


「私は、間違っていた。


大事なのは、身分や名声ではなかった。


まずは、身近な家族だった。


そこを守れなければ宰相として国を守れるはずがなかった。


すまなかった。


マーガレット。


私達は、これから正しい関係を築いていく。


見ていてくれ。


私達もずっとマーガレットを思っている。


元気で過ごせ。」


「・・・・」


初めてだ。


心を込めて名前で呼んでもらったこと。


涙で前が見えない。


「・・・お父様もお元気で。」


それしか、言えなかった。



馬車の前に着くと、王太子殿下とシャルロット様が沈痛な面持ちで待っていた。


「なによ。


わざわざ追放される様子を見に来たの。


趣味が悪いわね。」



ついつい、悪態をついてしまう。



「マーガレット嬢。


向こうには私の知り合いが待っている。


安心していい。」


殿下が今頃になって、優しい言葉をかけてくる。



「マーガレット様。


お元気で。


いつか必ず会いに行くわ。


あなたに認めてもらえるようになったら。」



「まったく、あなたって本当に甘いわね。


そんな覚悟じゃ、いつまでたってもその日は来ないわよ。



でも、そんなあなた。


嫌いじゃなかったわ。」



恥ずかしくて、小さな声になってしまった。




また、二人は手を握り合っている。



でも、今度は



それがうれしかった。



私はそっと視線を逸らし、馬車へと乗り込んだ。


あと1話21時に投稿します。

お付き合いください。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ