4-4 また次の断罪が
「お待ちください。
ローゼンベルク家の罪はそれだけではないのです。」
さっきまで、下を向いていた公爵がにやりと笑った。
「!」
まだ、何かあるのだろうか。
不安から、私は知らずと唇をかんでいた。
ファーウスト公爵が周りを見回す。
「ローゼンベルク家は帳簿を改ざんし、本来納めるべく税金を少なく提出しています。
これは、国を代表する公爵家として、あってはならないことではないですかね。
重罪ですぞ。」
ファーウスト公爵は唾を飛ばす勢いで大声で怒鳴りたてる。
やっとローゼンベルク家の潔白が証明されたのに、またもや雲行きが怪しくなる。
ミハイル王が落ち着いて尋ねる。
「そのような重大な話。
証拠はあるのであろうな。」
「もちろんでございます。
まずは、証人をこちらへ。」
一人の実直そうな男性が連れてこられた。
「今回脱税の容疑があるということで、徴税官をローゼンベルク家に向かわせました。
こちらにローゼンベルク家の帳簿がございます。
徴税官に調べてもらったところ、今年度の納税額と帳簿から導き出される納税額に大きな開きがあることが分かったそうです。
徴税官よ。
どうだったか証言してくれ。」
恭しく徴税官が話し出す。
「私が調べたところ、確かに国に提出した帳簿の納税額とローゼンベルク家にあった帳簿から導き出される納税額には大きな開きが見られました。
これによって大幅な追加徴税が必要であると証言いたします。」
徴税官のその言葉を聞くなり、ファーウスト公爵が畳みかける。
「かのローゼンベルク家は本来納めるべく税金を自分の懐に入れていたのですぞ。
これは、公爵家としてあるまじき事態ではないか!」
その瞬間、
会場の視線が一斉にこちらへ向けられる。
さっきまでの歓声は消え、そこにあるのは疑いと敵意だけだった。
「『ローゼンベルクカット』のものでは、かなりの収入があったはずだ。」
「どれだけ私腹を肥やしてきたのやら。」
「貴族の義務を怠るなんて。」
口々に怒りの言葉も聞こえる。
「何か反論はないだろうか?」
重々しい声で
公正な判断を下すために
ミハイル王が私たちに声をかけた。
さっきまでの喜びに満ちた赤いドレスが、
悲しみの色を帯びて佇んでいるようだった・・・
本日21:00にもう一話投稿します。




