4-2 いきなり 断罪が
お読みいただきありがとうございます。
「・・・・・・」
馬車から降りた私を
アル様は驚いたように目を見開いている。
アル様はいつもとは違う光沢のある濃紺の燕尾服。
刺繍は私の瞳の色の紫色。
『ローゼンベルクカット』の付いたブローチ。
あまりに素敵な姿に見とれて声も出ない。
「殿下、お手を。」
レオンが声をかける。
「あ、あー。
ごめんね。
あまりに綺麗で見とれてしまったよ。
ドレスもとても似合っているね。
今日はよろしくね。」
「そんな。
アル様こそ、とても素敵です。
今日はよろしくお願いいたします。」
アル様のエスコートを受ける。
初めてのエスコート。
とてもうれしいけど、緊張する。
そして、会場へ。
豪華なシャンデリアのまぶしいくらいの輝き。
着飾った令嬢たちの色とりどりのドレス。
家族も含めたくさんの人の卒業を祝う声。
日常生活から離れた高揚感。
卒業パーティーが始まった。
私たちが会場に入った瞬間。
ざわめきが広がった。
赤いドレスの裾が揺れる。
全ての視線が、私に集まっていた。
その時。
「私達は、ここに、ローゼンベルク家を告発します。」
低く、それでいて会場全体に響き渡る声でファーウスト公爵が訴える。
「その上で、シャルロット・ローゼンベルクが王太子妃になる資格が無いことを付け加えます。」
金髪の令嬢。
マーガレット・ファーウスト嬢が視線を厳しく向けながら話す。
「何があった?」
ミハイル王が静かに声をかけた。
「ローゼンベルク家で長年取り扱ってきたダイヤモンド。
それは、全て安物の偽のダイヤモンドです。
そんなものを高級品として高く売りつけていました。
これは詐欺です。
重罪です。」
ファーウスト公爵が興奮気味にこぶしを握り訴える。
「証拠はあるのか?」
ファーウスト公爵夫人も前に出る。
「これは、私の周りのものが手に入れた『ローゼンベルクカット』の指輪です。
王都で一流の鑑定士に診てもらったところ、ダイヤモンドに似た安い宝石でした。
他にも、ネックレスやブローチもここにあるものはすべて偽物だと結果が出ました。」
公爵夫人だけでなく、アリアンナ嬢やルシア嬢も手にしたジュエリーを高く上げる。
「ここに鑑定結果を現物と共に提出いたします。どうぞご確認を。」
ミハイル王の前に出されたジュエリーがシャンデリアの輝きを受け、怪しく光る。
「うむ。
確かに鑑定書は確認した。
これらの宝石が偽物である可能性は高いな。」
ミハイル王が重々しく答える。
そんな。
そんなはずはない。
なぜ、偽物なんか?
怒りで、爪の跡が残るくらい拳を強く握る。
その時、
「それが本当なら。
シャルロット・ローゼンベルク。
君との婚約をーー」
アル様の表情がこわばる。
一瞬だけ。
苦しそうに。
目を伏せた。
私は
動けなかった。
赤いドレスが会場の明かりを受けて輝いた。
まるで炎のように。
本日21時にもう一話出します。
お待ちください。




