3-12 ずっと好きでした ~マーガレットside
私は、ずっと想い続けていた。
私は、ファーウスト公爵家に生まれた。
父は、ファーウスト公爵。
そしてこの国の宰相でもある。
母は、公爵夫人。
社交界では名高く影響力もある。
そして、私は未来の王妃となるべく当然のように育てられた。
私には、最初からその選択肢しかなかった。
ただのファーウスト公爵家の駒。
でも、私は出会ってしまった。
王太子として完璧な人。
誰よりも努力している人。
そして、誰よりも素敵な人。
殿下は、最初から話しかけてくれた。
殿下は、一人でいる私にも優しくしてくれた。
いつも。
誰よりも。
だから、
ずっと好きだった。
ずっとずっと一途に想いを寄せていた。
それからは更に、
誰よりもふさわしい女性になろうと努力した。
マナーも
勉学も
社交術も。
長く、厳しい時間だったけど、
一つも辛いとは思わなかった。
それよりも、
王妃の座が近づているとさえ思えた。
それなのに。
婚約者に決まったのは、あの子。
あの子は何もしてないのに殿下の隣に立つ。
話すだけで。
笑うだけで。
殿下はあの子を見つめる。
あの子だけを。
愛おしげに。
その視線に気づいた時。
胸の奥が
何かが
潰れた。
ああ。
私じゃない。
だから、少しだけ困らせたかった。
少しだけ怖い思いをさせようと思った。
だから、止めようとは思わなかった。
あんな計画を知っても。
だって、そうすれば気付くはず。
誰が殿下にふさわしいのか。
それなのに。
殿下は。
まだ私を見てくれない。
どうして?
私の方が努力をしたのに。
私の方が想っているのに。
でも。
まだ終わってはいない。
殿下は
今度は気付くはず。
誰が
隣に立つべきなのか。
これで3章は終わりです。
次からとうとう断罪編です。




