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3-4 ヒロインのことが気になる?




「アル様。


お聞きしたいことがあるのですが。」


恒例の昼食をいただいている時、どうしても気になって我慢できずに質問してしまった。


「リリアーナ・クラウゼン侯爵令嬢をご存じですか?」


「知っているよ。


入学試験でかなり良い成績だったそうだね。


・・・そういえば今度生徒会に入ってもらおうかとは思っていたんだ。」



どうだろう?


ゲームのストーリー通りなの?


ちょっと違うような気もする?



「直接お話しされたことはございますか。」


私がいないときに、アル様とヒロインが会っていた場合、もう物語は進み始めたかもしれない。


怖い?


「どうしたんだい?何か気になるのかな?見かけたことはあるけど会ったことはないよ。」


私、どうしてこんなにヒロインとアル様が会っているのか気になるのかな?


「あのお。


私との婚約はこのままでよろしいのでしょうか?」


自信がなくなり、視線が下がる。



「前にも言ったけど、私にはシャル、君だけだ。


誰が何と言おうともシャルがいい!」


アル様が私の手をぎゅっと握ってきた。


「ア、アル、様…」


ドキドキして視線が定まらない。



「ん、んん。」


レオンがわざとらしく咳払いをした。


「殿下。午後の会議の資料ですが。」


「今じゃなくてもいいだろう?」


「いえ、急ぎです。」



そうだ。


ここには、レオンもいるのだった。


いくら婚約者同士でも節度をもって接しなければならない。


私は、慌てて手を自分の胸に戻した。


アル様はなぜかレオンに一瞬冷たい視線を向けた。



それでも、私は体中熱くなり、挨拶もそこそこにその場を離れて教室に向かったのだった。





教室に着くと、なぜか以前にも増してみんなの視線が冷たく刺さってくる。


その中からまたアリアンナ様が前に出てきた。


憎しみに似た視線を向けられ、足がすくんだ。


「シャルロット様は本当に傲慢でわがままな方でしたのね。」


「何のことでしょう?」


戸惑いを表情には出さず、背筋を伸ばし毅然とした態度で返事をする。


「あなたのお屋敷で働いていたメイド、サリーという方から聞きましたのよ。


シャルロット様に出した紅茶が熱すぎると難癖をつけられ、その紅茶の入ったカップを投げられやけどをして追い出されたと。


あんなに平民を尊敬すると言っておきながら詭弁でしたのね。」


「・・・」


「ひどすぎるわね。」


「熱い紅茶の入ったカップを投げるなんて。」


「やはり噂は本当だったのか?」


周りの令嬢、令息も敵意が入った視線を向けてくる。



私は一度視線を足元に向けた。


そして、なるべく落ち着いた声で話した。


「深く反省しています。


してはいけないことでした。」


「認めるんだな。」


唇をかみしめ、視線をぐっと上げて前を向く。


「その上で態度を改めました。


起こしてしまったことに対して弁明はしません。


しかし、過ちを認めた上で二度と過ちを犯さないこと、そして正しく変わっていこうと誓いました。


すぐには、信じてもらおうとは思いません。


私はこれからそれを態度で行動で表していきます。


皆さん、どうか今日から本当に私が変われたのか、見届けていただけたらと思います。」


一息に話し、頭を下げた。


そのとたん、教室の空気が凍りついた。


誰一人として言葉を発さない。


公爵家は身分的に王族の次となる。


下の者にはあまり頭を下げるべきではない。


しかし、誠意を見せるためにも私の気持ちを示したい。



そうして、私は静かに席に着いた。


授業を告げる合図とともに教師が教室に入ってきた。



どうして幼少期の私のことがそんなに知られているのだろう。


やはり私は悪役令嬢のまま断罪されてしまうのか?



いや。


黙ってみているつもりはない。


正しく行動するんだ。


誰にでも認めてもらえるように。



私はひそかに決意した。





教室の一番前の席。


マーガレット様は静かに扇を閉じた。


「・・・・面白いことをなさる方ね。次はどうなさるのかしら。楽しみね。」



いつもお読みいただき、ありがとうございます。


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