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2-8 シャルロットのアドバイスをもとに ~レオンハルトside

レオン頑張れ

私も頑張ります。



俺には苦手な幼馴染がいる。



隣の領地だからと、遠慮もなく人の屋敷や庭で好き放題振舞う。


優しい母上はそんなシャルをまるで娘のようにかわいがり、心配してついて回っていた。


シャルはわがままで周りのことを考えず行動するため、母上はいつもシャルが帰った後は寝込んでしまう。


もともと体が丈夫じゃないのに。


そんな様子を見ていたから、俺はシャルが嫌いだった。



母上は、年々食事の量が減り、食べても吐いてしまうことも増えた。


水分だけは摂らせないとと思って気をつけて見ていた。


食事があまりとれないとベッドに横になる日も増えてくる。


それが心配で、医者を呼ぶと、栄養を摂ること、運動することなど言われるばかり。


何人医者を変えても症状は変わらなかった。


吐いて辛そうにしたり、眠れなかったりした時には、夜遅くまで看病もした。


年々やせ細り、弱弱しくなっていく母上が心配で。


不安から他の奴に当たってしまうこともあった。



そんな時、シャルが屋敷に出入りし、母上の食事の世話をしていると聞いた。


今度は何をしているんだ?


優しい母上にこれ以上負担をかけないでくれ。



「シャルちゃんったら、お料理上手なのよ。今日なんて自分で作って持ってきてくれたんだから。」


そんなの信じられるか。


貴族の令嬢ができるわけない。


料理人にでも作らせているんだろう。


母上に取り入って何が目的だ。


警戒心が上がっていく。




そんなある日。


「今度3人で一緒にお昼食べない?」


母上の一言でしぶしぶ一緒に食べることにした。


食べている時は、前よりなんかわがままさを感じなかったけど、まあ少しは成長したのだろう。



驚いたのは食べ終わった後だ。


こっそり2人で話があるというから、警戒しながら話を聞いた。


シャルは、本気で母上の心配をして、料理の提案をしているのだった。


今まで医者には栄養のあるものをとは言われたが、具体的には分からなかった。


それについては、母上の顔色が少しずつ良くなっていることで効果があることが分かっていた。



その上で、一番の問題が父上と母上の関係だと言うのだ。


そのことになぜシャルが気付いたのか。


俺の方が母上の近くにずっといたのに。



確かに父上は、仕事ばかりで家にもほとんど帰ってこない。


帰ってきたとしても、訓練や家の仕事ばかりで家族の会話もない。


俺自身厳しい父上が苦手で口数も少ない男同士ということで会話もほとんどない。


はっきり言って怖いし苦手だ。



しかし、母上が少しでも健康になるなら。


四の五の言わず俺が行くしかない。



決意が決まればしぼまないうちに当たるのみ。



「父上。」


意を決して口を開いた。


「これから時々でいいから、家に帰って母上と一緒に食事を摂ってほしいんだ。」


「忙しいんだ。なぜそんなことを。」


「母上が食事が摂れなくなってきて寝込む日も多いこと知っているのか?」


「医者には診せているだろう。」


「それだけじゃダメなんだよ。家族の手や目が必要なんだよ。」


「そんなことは関係ないだろう。」


「俺たち家族だろう。支えてもらわなくちゃならないこともあるんじゃないのか。」


「軟弱だ。」


いつもの父の姿に思わずこぶしを握った。


「母上は父上がいつも近くにいなくて、寂しいんだよ。母上の一番の支えは、父上だろう。」


「・・・・・・」



「待ってるから。手遅れになる前に。お願いだ。」



「・・・今日帰る。伝えておけ。」




驚くことに、父上はその日のうちに帰ってきて3人で食卓を囲んだ。


母上は相変わらず食べる量は少なかったけど、いつもよりうれしそうだった。


父上もほとんど話さなかったが相槌だけはうっていた。



この日を境に、毎日ではないが、父上が食事を共にする日ができてきた。


すると、時間はかかったが、母上の食欲も少しずつ増していった。


反対に、寝室で過ごす日は減っていった。



本当にシャルの言った通りだった。


今行動してよかった。



何より家族に笑顔が少しずつ増えていってる。


なんか、家の中にも明るい色がついたようだ。





王太子殿下と仕事中。


「そういえば、最近母上様の調子はどうだい?」


「それなんですが、シャルが消化に良い料理を作ってきてくれ」


「ん?シャル?料理?」


「あ。言ってませんでしたね。母上の体調を心配したシャルがーーーーー」


「へぇー。」



最近、母上の体調が良くなってきていること。


父上が帰ってきて家族らしくなってきていること。


嬉しくなって、話した。




王太子殿下の顔が目が笑っていないことに気が付いていなかった。


しかも、つい子供のころの言い方でシャルと呼んでしまっていることにも・・・


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