第三十六話 妖精騎士アイギスさんと盗賊の半妖精との仁義なき戦い(5)
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隠れ家に転移魔法で転移した途端に〈次元封鎖〉を喰らい私は咄嗟に周囲の状況を伺う。
家の広間には魔法陣が描かれここを目標に〈本拠転移〉したのよ。
しかも星幽界を渡って現実の物理世界に出現した際に誤魔化すよう細工もしてたのよ。だと言うのに転移魔法が見破られたということは――
「あ、あいつキレてやがる! 他国の王都に艦隊で乗り込んでやがった」
丘の上にある一軒家よ。その窓からバーゼウの王都の街並みに海が見える。その上空に妖精連盟の艦隊を待機させてやがるのよ。軍艦の魔力出力で探られたら小細工なんてないも同然よ。
「お、おいどうするんでぇい。戻るしかないんじゃねぇのか」
「とっくに〈次元封鎖〉されてるわ。ここで仕事終了。はい、お疲れさま!」
勿論とんずらよ。やってられないっての。そこまでの報酬は貰ってないもの。
――が、私の家に一瞬で侵入して来るヤツが。
「よぉ。偉く慌ててるな」
「――……〈鮮血妖精〉」
「久しぶりだよねー〈千剣の魔女〉。4年、いや5年ぶりか? ――で、そっちが盗賊ギルドの元仕切り屋ボロックか」
紅い鎧に紅い盾。栗色の髪した一見ハイエルフの少女……がその正体は妖精族の創造神、神祖の妖精王ね。
ま、実際に戦って見たら"神"と呼ばれるくらいには強いわ。てか、傷一つ付かないからね。
その圧倒的な強さのヤツに普通の人間が睨まれたら蛇に睨ませたカエルでしょ。半妖精のボロックがその状態になってたわ。
そして九死に一生を得た男が逆に生き生きとしだした。
「た、助かりましたぞアイギス殿下。我輩、信じておりましたからな」
「口挟むんじゃねえ、ブチ殺すぞ」
あの髭面、そりゃキレられるわ。
人が話ししようとしてる時に減らず口突っ込んだら当然よ。空気読みなさいよ。
「さて、ボロック。少しばかりお話しようか……どのみちお前は逃げられねぇ。剣千。お前も少し付き合え」
「あら、ご生憎。相手してあげるほど暇じゃないのよ」
「相変わらずだな、おまえ。いや……別にやり合おうって気は無いんだよ。どのみち仕事人だしな。ただ、ここから逃げるならわんさか妖精どもが押し寄せるよ。……付き合うなら見逃してやっても良いぞ」
訝しげに眉根を寄せるわよ。なに考えてんだコイツってね。前に殺しあった時はブチキレられたんだけど……まぁ殺しに行ったんだけど。
「どういう意味よ? 今は法の則りってのを守る側じゃないの、アンタ」
「ここでお前と殺り合うとな。王都の皆様にご迷惑をおかけしてますって平謝りする事になるんだよ。しかも他の国でよぉ、こっちは妖精連盟の仕事で来てんだ。少しは大人しくしろ。街中でも派手に剣をぶっ放すんだろう。聞きたいこともあんだよ」
艦隊引き連れて来たヤツの言うことじゃないわよね。でも、私に都合良いから黙っとこ。
実際、こっちに大して注意を向けて来ないのよ。
信用した訳じゃないけど機を伺うってね。言葉通りだったら楽だし。
「――で、おまえにはそんな必要はないなボロック」
「舐めた口利く小娘だぜ、こっちを嵌めてご満悦ってか……払った代償はそれなりに高そうだがなぁ」
「まったくだよぉ。バルガスのおっちゃんもタダじゃ仕事してくれないからね」
「……聞きてぇな。あのバルガスが簡単には首を縦には振らねえ筈だ。何を対価にしやがった」
「お前の望み通りの報酬だよぉ……逆に言えば利益さえ与えれば転ぶって事だ。どう考えてもおっちゃんに頼ったのがお前の敗因だよ」
「クックック。こいつぁ良い。オレにして見れば十分よ。それにしても、そこまでしてオレ様を殺りたかったかぁ? なかなかに無茶したようだけどよ」
「当然だよぉ。わたしはおまえみたいなコソ泥の癖に立場弁えない馬鹿をブッ殺すことが仕事なんだからぁ……少し偉くなって調子乗っちゃったかなぁ? ダメだよぉ、格好良い所見せようとして……チビでグズで間抜けなのは歳喰っても変わらないんだから」
「そのチビでグズにしてやられてるテメェはなんなんだろうなぁ、オイ。間抜けにも程が有るんじゃねぇのか」
「あんな端金欲しさに馬鹿だよねぇ、いつでも取り戻しが利く金だよぉ……このバーゼウ王国から巻き上げるし。お前が使節団バラしたおかげで良い口実ができたよ、ありがとうな」
「……!」
勝ち誇ってたボロックがその悪巧みを聞いた瞬間、驚愕に顔を歪ませる。
艦隊で来たのもそれが理由ね……一石二鳥でしかも払った金額の何倍にもなりそうよね。バーゼウって金持ちの国だし。
「つまり、わたしにはノーダメージだぜぇ。ご苦労さん。陰謀企むのは良いけど逆用されることを考えろよな。良いタカりの口実だよぉ」
「こ、このクソ餓鬼がぁ! 少しばかり強いくらいで調子に乗りやがる! テメェなんぞに殺られた連中がまるで浮かばれねぇ!」
「ダンケスとかの事か? どう考えてもアイツ、クズじゃん。親の七光りで生きて来た人の役にも立たねえクソだろう。てか、どうしてお前ら、恥も外聞もなくそんなに啖呵切れんの。クソ雑魚ナメクジの癖にまずその自覚がねぇんだからよ。わたしが強いんじゃなくて、お前らが弱いんだよ。そりゃお前ら相手には調子乗るよぉ」
「減らず口叩きやがる! 世間を舐めきったクソ餓鬼が。性根の腐り方が尋常じゃねぇ! 道理や人情だとかをまるで理解しやがらねぇ」
「お前ら盗賊のクソ狭い世界の道理なぞ知らなくて問題ねぇだろ。余りに世間知らな過ぎて自己承認欲求だけで生きてるようなクズどもなんだから。身内だけでヨイショされて、世の中の裏側だけ見て知ったかしてるだけの馬鹿って自覚すらないんでしょ。付ける薬がないよなぁ。でも、わたしがその薬だよぉクソ苦くて当然だよなぁ、ボロック」
ボッコボコに言われてボロックの顔が活火山のように紅く怒りで震え上がる。
いや、多分実際そうなんだけど。
特に謙虚さってのがないわ。基本的に悪党には持ち合わせがない代物だけどね。
「お前も馬鹿だが、ダンケスのヤツも馬鹿だぜ。悪党どもに良いように利用されるしか能がない癖に粋がってよ」
「許せねぇ、テメェだけは許せねぇ。坊っちゃんがどんな思いで駆けずり回ったかも知らねえ癖に」
「盗賊のテメェがそれをわたしに語る資格は一切ねぇ。人様食い物にしてた餓鬼大将が、一念発起して自分達守ろうとしてお涙頂戴だとぉ? 同情する余地が微塵も存在しねぇ。その、お前の可愛いダンケスは未だに地獄の底でのた打ち回って未来永劫苦しんで自分の行いを悔やみ続けてるよぉ……誰のせいだろうなぁ、ボロック」
「この外道があああああ!」
怒りに我を忘れて〈鮮血妖精〉に飛び掛かるように素早く動く……でも、ボロック。私でもそれは牛歩の動きなのよ、神速の妖精王にしてみれば亀よ。
案の定、横にスッと避けられスレ違いざまに軽く拳で顔を小突かれるの。勢いよく吹っ飛んだわね。
「おいおい、身の程を弁えようよ。わたしのブランク十万年くらいあるから、そこの剣千にすら手こずるけど……お前に負けるほどじゃねぇんだわ」
「ち、畜生めがぁ!」
「自分の愚かさを嘆きなよ、せめて。……お前みたいなヤツに掛かずり合うとかこの妖精騎士アイギスさんの愛情みたいなものだよ。そう思わない剣千?」
「よーやるわ。そんなヤツだったっけ、アンタって?」
「そりゃ初顔合わせで殺しに来たらブチキレるだろうよ。――でもボロック……おまえにはキレる価値すらねぇな……」
「て、てめえにはてめえには地べたを這いずり回るオレ達の気持ちなんぞ解らねえんだろぉな、この外道が。血反吐吐いてよ、のた打ち回ってもこの渡世を生き続けなきゃならねぇ、この苦しみが」
「おまえ一人で苦しめばご立派、良く頑張ったね。と慰めてやろう。だけどそれを他人に味合わせて生きて来たおまえが言った所で、自分可愛さじゃねぇか。……お前はよ、人様の気持ちを問えるほど人格できてねぇんだよ……人並み以下の癖にどうして人の事を知った被りできんの? おまえの人への見識の浅さにビックリするぜ、百歳超えてんだよな、おまえ」
「有りえねぇ、有りえねえぜ。オレさまに説教だとテメェみたいな小娘がっ」
「説教つーより馬鹿を馬鹿にしてんの。もう少しやるヤツかと思ったのよね……やっぱり肝心要をミスるヤツはダメだな。でしょ剣千?」
なんでコイツはちょいちょい私に話振ってくんのか……
「まぁ、詰めが甘かったわね。バルガス頼みなのにそいつが裏切る可能性が有るんじゃ話にならないわよ」
「なっ、剣千の嬢ちゃん。アンタだって仕事に乗ったじゃねぇか」
「……だからねぇ、前払いにしたでしょうが。失敗する可能性を考慮に入れて。でも、軍艦で乗り込んでるとかそれは流石に想定外でしょう……バーゼウ王国とは事を構えたくないって姿勢をいきなり反転させるのにはやられたけど」
「コレが一流の仕事だよぉ。読み切って、予め対処方をどんな状況でも考慮考案するの……。今でも逃げ出す算段考えてるよ。だと言うのにボロック、おまえはよぉ……」
「オレが、オレをでき損ないだとでも、おまえが」
「言うんだよ、言われてたと思うぜ。人様に使われて褒められて調子乗ってよぉ、居るんだよおまえみたいなクズが結構な。根本的に自分が無能でクズだと言う自覚がねぇ、身の程知らずにも程がある。仕事ができるからその事に気付か無いんだよね」
「ああ、確かにそんな感じだわ。昔からプライド高い所あるしなぜか自信あるし。金払い良いからどうでも良かったけど思い当たる節があるわ」
おっと納得してつい口に出しちゃった。プロ失格だな、一応依頼人だぞぉ。
「やっぱり……つまり中途半端なでき損ないだよね。普通はここからやっとそれを自覚して成長して行くんだけど、もう寿命かな? そんな機会もなく、ダンケスも可愛がるだけで地獄に落ちちゃったし。――あ、実の息子も居たんだっけ、そういえば。……どんなロクでもない死に方したのかなー?」
「おい、やめてやれよ。子供に罪はないでしょう」
「知ってんの剣千?」
「……息子は倅は」
「ここに金貨がある情報提供料」
金を出されたら口を割るしかないわ。(プロ意識)
「まあ、父親がボロックじゃん。案の定、盗賊やってたらしいけど。やっぱり、仕切りがそっちだから馬鹿にされんのよ。で、見栄張って大仕事しようとして……見事に失敗よ。ただここから続きがあって……」
「やめろぉ! 剣千言うんじゃねえ!」
「当然、ケジメ付けなきゃならないわよね。でも、まぁボロックが居るし、親の威光ってヤツで見逃されんのね。けどね……馬鹿な事にまたやんのよ。結果は解るでしょう……」
「詳しく、ここに金貨2枚目が」
「仕方ないわね。お察し、二度目も生き残りはしたわ。で一度目と同じよ。……でも二度もしくじったらこの業界で生きていけないわよね?」
「廃業したり別な仕事するよねー。心機一転、他の土地行くとか」
「所がボロックが見栄張って鍛え治すって続けさせたのよ。でも、些細なことでしくじって路地裏で死んでたんだっけ? ……言っちゃ悪いけど向いてなかったんじゃない」
「でき損ないが盗賊なんて育てれる訳ないじゃん。――で、少しは自分の罪深さを自覚した? 忘れてたようだけど、ダンケスの時にその反省を活かせれば違ったかもな。……それをわたしに八つ当たりされても困るぜ、ボロック」
「う、ぐ」
ボロックが息子の事でフルボッコされ、その場で項垂れていた。死んだ時は意気消沈してたらしいからね、当時は相当堪えたんでしょ。
で、昔堅気の盗賊という仮面を剥がされて威勢が良いだけの小物だって本性を見破られてそれが自分のせいだと詰られれば、ご覧の有り様よ。
まぁ思い返せば確かにそんな所あったわ。
盗賊という矜持はあっても才能の方は組織を運営する方にあったもの。それしか求められなかったんでしょうねぇ……適材適所ってヤツだと思うけど。
その事に初めて気付かされたのね。人間、自分の知りもしなかったことを言い当てられて突きつけられると愕然とするらしいからねぇ……
「さて、これで一件落着だな。ボロック、おまえには罪を償う機会を与えてやる」
「…………罪、罪だと。手前の不甲斐なさに何の償いをしろってんだ」
「ケジメだよぉ。幸いおまえは殺しはしてねぇ。人様不幸のどん底に叩き付けて来たが悔いるというのなら機会を与えてやる」
「……いや、殺ってんじゃん。やったのは私だけどここの使節団皆殺しにさせたのそいつなんだけど」
つい差し出口を挟んだわ。きっちり皆殺しにしたけどそれはどうなるのよ。
「殺されに来た使節団なんてノーカウントに決まってんでしょ。そっちのケジメは片棒を担いだここの連中に取らせるからよ。それにわたしが言ってるのは法の則りじゃないの。てめぇ自身の行いについてのケジメに付いてだよ」
「オレさまに何させようってんだ?」
「まずこの件の証人になってもらおうか? おまえのおかげでバーゼウ王国との諍いになっちまった。こいつを平和的に収めるには事実確認ってのが必要になるからな。――おまえもだぞ〈剣千の魔女〉」
「冗談。そんな面倒事に巻き込まれるのなんて御免被むるわ」
「仕事で言い値。但し少しは自重しろよ」
「……それ拘束されたりはしないんてしょうね?」
「司法取引だ。受けるなら公国での仕事を恩赦で免罪にしてやる、書面にして前渡しでな。逃げんなよ、おまえ」
ふむ……内容次第で悪くない。言い値って言ってるから金貨二千くらいか? 通常料金の倍くらい吹っ掛けても問題ないわよね。
「……けっ。それが一体なんのケジメになるってんだ。結局はてめえらの都合に良いようにされるだけじゃねぇのか」
「おまえの弱点は読みが甘いってことだ、ボロック。おまえがケジメ取らねえと盗賊ギルドが取る事になる。当然、連中に今回のわたしの負債を押し付けるからな。絶縁状一枚でまさかギルドの責任を追及されないとでも思ったか? やり過ぎなんだよ、おまえはよ」
お前が言うな感はあるけどね……
ケジメってのは責任を取ることと範囲が違うからね。ケジメの範囲はそれこそ何処まで範囲に含むかは人それぞれ。
しかも責任はそれを行う能力と義務が無ければ責任は問われないけど、ケジメは違うのよ。
通常、"結果"にのみ責任を取る。
そして能力不足や義務だとかの情状酌量の余地だとかお情けはないのよ。それできっちり物事終わらせないとダメなんだから。
「……くしょうが。それで、お役御免になれば地獄行きか」
「その後に裁判だ。地獄に行くかはその裁定次第……温情にも程があるお仕置きだよ。自分でケジメを付けれないって言うならわたしが望み通りダンケスと同じ場所に連れて行ってやろう……好きにするんだな」
「……一つ聞きてぇな。なんでオレみたいなヤツに情けを掛ける」
「おまえは嬢ちゃんらを食い物にしたが傷付けなかった。てめえの情報を調べたが堅気に悪さしても盗賊の則りは最低限度守って居たようだからな……なかなか良い客引きだったようだな?」
「…………」
「話はそれだけだ、牢屋で考えるんだな。――良しお前らボロックを捕らえろ」
そして長話で周囲を囲んでた妖精たちが私の隠れ家にぞろぞろ踏み入り、半妖精の老人を拘束して連れて行った。
そして今まで大人しく隅で話を聞いて居た髭面の元人質に〈鮮血妖精〉が向き直る。
「待たせたな。話を聞いてたなら、解るな? 王宮に行って事情を説明して来い。……神祖の妖精王がキレてるとだけ伝えろ。ちなみに熱核兵器を知ってるか?」
「こ、古代魔法文明時代に使われた滅びの火とは……聞き及んでおりますが」
「いつでも撃ち込む準備はしてある。……平和的な交渉を望むぞ、平和的にな。平和的でなければお前らの都市が地獄に変わるかも知れんが……平和的になることを信じて居るぞ」
「そ、それこそご無体な。世界条約では無防備な居住地並びに第三国への使用は禁止されていると聞きおよびますぞ。古代魔法文明が滅んだ終末戦争の原因なれば、使用すれば殿下への非難は免れ得ますまい。熱核兵器で恫喝するなどそれこそご自重くださらんか」
「……我々、〈妖精連盟〉は核兵器の被爆国、つい最近その世界条約締結国に熱核兵器を妖精居住地に撃たれているぞ。そのおかげで頭のイカれた連中とマトモに交渉をするのも馬鹿らしいとの教訓を得た、意味は解るな? 勿論、おまえらの事だよ」
「…………」
ゴクリと唾を飲み込む髭面。返す言葉が出なかったようね。
核を撃ち込まれたのは噂に聞く花園城塞周辺のことよね。
しかも大陸の水源地に撃ち込まれたから聖魔帝国が真っ先に非難声明を出したって去年の暮れに騒がしかったもの。国際政治に通じてるなら髭面も知らない話じゃないでしょう。
撃った妖精国側は森陽王の息子とその取り巻きが暴走した結果と釈明してるけど……まぁヤツ程、頭のイカれたのが知られてる人物も居ないからね、歴史的ハイエルフの馬鹿よ。
そのイカれと同じだろ、と言われれば立つ瀬がないわ。実際、自国の外交使節を皆殺しにして強請ろうなんざ、頭イカれてるもの。
そして〈鮮血妖精〉が髭面の伊達男の縄を剣で切って戒めを解くと、そいつも妖精たちに連行されて行ったわよ。
「さて、後はあいつの努力次第。平和的な交渉だな」
「熱核兵器で脅して平和的でもないでしょ」
「どのみち使えない兵器でタダの脅しだよ。これが本当の核兵器の平和利用だよ。じゃ、色良い返事がもらえると信じて艦で待つか、歓待してあげるよ」
「遠慮したいわね……」
だけど、そんな生意気許されずエスコートされんのよ。実際、普通に歓待されたわよ。
取り敢えずの交渉が成立するまで待たされたけどね。三日で色良い返事がもらえたらしいわ。
で、もう仕事終了かと思ったらまだ必要だってよ。
事情聴取だとか厄介事ばっかじゃん。
まったく災難な仕事だったわ。え? まだ終わりじゃないの、半年くらいは掛かるかもって……長期契約とか聞いてないんだけど。
しかも、金払いを後にするのが頂けないわぁ……




