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神祖の妖精王〜妖精騎士アイギスさんの冒険の日々〜  作者: フィリクス
第4章 愛を紡ぎ捧げるアドヴェンチャラーズ
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序幕その三 妖精騎士アイギスさんの心の中の二人。〜恐るべき幸せ家族計画〜



ここはアイギスさんの心の中の世界。

わたしは記憶を司る番人にして語り手のアイギスさん。


お久しぶりね……ただ、今わたしは挨拶どころじゃなくて絶望に打ちひしがれていたわ。


すべてが、すべてが百合ハーレム計画によって塗り替えられつつあるの。

アイギスさんの現状に涙するばかりの毎日、一体どうしてこんな事に。


無節操に毎日、毎日、イチャイチャしてるの。寝ても覚めても止まらない。わたしの気が狂いそうになるのよ。

すると、そんなわたしを嘲笑うようにもう一人の心の中のアイギスさんがやって来る。


"いや、むしろやっと百合百合ん展開かよ〜って感じなんだけど私的にはさ"


逢坂千里あいさかちさとさん、むしろこれ百合なの? あの魔大公アスタロッテに次々に恋人を寝取られて居るわよ。それだけじゃないわ、あの悪魔の毒牙に掛かった端から節度を弁えずにイチャイチャが加速するのよ。

ある意味では地獄よ、それを見せ付けられる方にして見れば。


"アイツやるな。外堀を完全に埋めて準備万端にして来るとか。ここから攻められると思うとゾクゾクしちゃうじゃない"


よりにも寄ってアリーシャちゃんがあんなとんでもない化け物を生み出して居るなんて……


"そうかぁ、ジェラルダインとの娘さんと結ばれるのかぁ私……運命感じちゃう"


待って、貴女。何もかも受け入れ過ぎよ。

てか、このままだとまたあのNTRショックの二の舞さえ危惧されるのよ、少しはアイギスさんを心配しないの?


"今のアイギスなら大丈夫っしょ。娘のアイリとの覚悟もガン決めしてんのよ。寝取られがどうした、そのまま迫って来るんだし押し倒されるだけっしょ"


くっ。アイギスさんの魂は元は貴女なのね、むしろ大歓迎……でもこのままじゃ、このままじゃ百合とか通り越すことになるわよ。


"なんか価値観古いわね、貴女。どろっどろのぐっちゃぐちゃ百合とかも有るのよ? 心が綺麗で純粋なら成立するってもんよ、百合は"


最初のプラトニックな貴女どこ行ったのぉ。てか、今のアイギスさんもそっちに興味持っちゃてるし健全百合路線が台無しよぉ。


そもそもそっち系に行くと貴女の存在を起因にして記憶の封印が解かれる可能性あるの忘れてない?


"ぉぉう。忘れてたわ……。でも、それはこっちで頑張れば何とかならない? 記憶の封印も結構強固だしさぁ。そんなに心配することかぁ"


別の心配が持ち上がるのよ……つまり貴女の存在が今のアイギスさんに影響を与えてるんじゃないかって。ちょっとアイギスさんの心の成長速度早すぎない?


"いや、私はもう十歳頃には既に百合妄想食ってたからむしろ遅いって言うか。アイギスの精神年齢は14.5くらいでしょ?"


化け物に訊いた私が愚かだったわね。空想をエネルギー源に変えれるんだった。おそらくそれが幻想王の力よ。


"いや、それゲームの設定じゃ……。リアルの私がそんな能力持ってたってのは推論でしょ"


いえ、おそらく真実よ。なんの因果か逆説的にね。


このわたし、記憶を司る番人にして語り手のアイギスさんは、貴女みたいに永劫百合発電してないで真面目にこの世界の事を検証もしてるの。このアイギスさんの心の世界のこともよ。


その検証から導き出した答えが……


"百合を食う事で存在を維持する神性百合存在アイギスさんの爆誕……?"


違うわ! その能力で百合妄想生み出しまくってたのは貴女の趣味よ。偏食よ!


たまたま、ゲームの設定とマッチしてたのよ、その能力が。この異世界に呼び出されたのはそんな偶然――おそらく必然的な理由よ。


"それで選ばれてしまったのね……。じゃあ百合で世界を埋め尽くすのは私の使命見たいなものじゃない"


百合から離れろ。

世界が滅びかねない。


"私に自分の本性ことを認識させた貴女が悪いのよ……自己認識の再定義で私は百合の化身となったのよ。オリジナルの逢坂千里はもう居ないわ"


とんでもない化け物が育ってやがるの……

何よりアイギスさんの家で蔓延する百合ん百合な日常がコイツに毎回エサを与えてさらにトンデモない事に……


"私はこの世界で百合の女神となる。迷える魂をすべて喰って新たな世界の神となるのよ!"


貴女、危険過ぎるから永劫封印よ。与えた部屋で自己発電してなさい。永遠に百合ってろ。


"いや、外の世界に未練ないからそれでも良いんだけどさ。でも、ほら今のアイギスが百合に囲まれてるの見てると一人じゃ寂しい事に気付くじゃない。だから貴女もね……"


!? まさかわたしを狙って。正気かおまえ!

わたしと貴女は同一存在なのよ、自分と百合るとか有り得ないでしょ。わたしを巻き込むとか責めて想像の中だけにしときなさいよ。


わたしと貴女は合わせ鏡、鏡の中の自分とイチャイチャするとか倒錯するにも程があるのよ。


"もはや、アイギスが娘とのイチャイチャを決意した今、私は自分自身との百合も不可能では無い事に気付いたのよ。むしろそれくらいしないと立つ瀬がないでしょ、元オリジナルとして"


まだ確定前! 何かの奇跡によって回避する可能性もあるわよ!


"断言しましょう……不可避よ。何よりアイギスが我慢できないのに娘のアイリが我慢できる訳がないでしょ。あいつ、確実に爆発する爆弾抱え込んでその上でイチャ付いてんのよ、導火線に火付けてるのと一緒じゃない"


ぁぁぁぁぁ逃れられない運命感じちゃうぅぅ、って。

語りかけながら、わたしに精神汚染仕掛けんな!


負けない、ここで理性のわたしがやられたら貴女にこの精神世界の秩序がめちゃくちゃにされちゃう。

血飛沫ちしぶき溢れる外道展開よ、今こそ来たれり! 修羅のごとく艱難辛苦かんなんしんくをアイギスさんに与え給え!


"お、おまえやめろ! 誰もそんな展開望んじゃいないでしょ。因果律に干渉して呼び込もうとするな。一緒に百合になりなさい! ――なっ!? ……この世界の抑止の力が後押ししてる……だと"


外部世界の因果律の後押しも有るわ。元より非情な現実の異世界よ。それくらいの展開を呼び込むのは容易い。


今回は愛と冒険の物語よ。

血塗れ展開で百合展開と相殺して、それこそぐっちゃぐちゃにしてあげましょう。

来たれ混沌カオス! 魔女王おまえの出番だ。


"だからそんな展開だれも望んじゃいないでしょうが、百合百合で良いんだよ百合百合で。みんなで仲良く百合る、何がいけないって言うんだよ"


限度があるわ! このままだと退廃百合になりかねないわ。目指せ健全百合、アイギスさんの冒険の物語は全年齢指定にしたいのよ。


"血飛沫ちしぶき飛んでるのに、それは無理――極道物も真っ青の外道物だしよぉ"


それが、ほのぼのダークファンタジーのノリよ。

では、第4章スタート。

苦難を乗り越え、真実の愛に目覚めなさいアイギス。


"貴女が諸悪の根源じゃないのかと小一時間考えるわね。百合を邪魔する者にはきっと天罰が降るわよ"


わたしは神々にすら抗って見せる。記憶を司る番人にして語り手のアイギスさん。

結果は次回から! あぁぁぁぐちゃぐちゃな百合嗜好が入ってくるぅぅ、って侵食して来んな!


"よ〜しこの女ももう少しで堕ちる。百合ん百合んにしてあげましょう"


ぁぁぁぁぁ! 乗っ取られるぅぅぅ!

元が元だから百合嗜好が暴かれちゃうぅぅ!


"結局、おまえも私なんだからな……。第4章は百合百合んよ! 乞うご期待"



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