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神祖の妖精王〜妖精騎士アイギスさんの冒険の日々〜  作者: フィリクス
第3章 妖精達の冒険ストラテジスト
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第三十二話 妖精騎士アイギスさんとアウレリア王国での決着を付ける者たち(3)



まず、空に向かって魔大公アスタロッテが撃った魔法にアイギスさん吃驚びっくり


レベル11真理級魔法を止める為に、レベル12深淵級魔法を撃ち込みやがったの、アスタロッテが。

……レベル11の魔法より後出しで格上のレベル12の魔法を速射で。



「……〈因果消滅の光レイオブイレイザー〉。撃つの速すぎでしょう」


獣精王ケルヌンノスの使った〈開天闢地の万雷サンダーオブジェネシス〉の魔法の発動中心核――天雷球が綺麗サッパリ跡形もなく忽然こつぜんと消滅。


それもその筈、何しろあらゆる物を因果律レベルで、この世界の時間軸から完全に消去、消滅させる魔法だもの。

原子分解の光ディスインテグレイト・レイ〉とか使ってるからもしやと思ったけど消滅系魔法の最上位さえ使えるとかラスボス地味てるよ、アスタロッテよ。


『どうやらお役に立てたようで。ただ、見所が余りない魔法なのが恐縮ですね、もう少し派手な魔法だとよろしかったのですが』


「耐性ない相手だと完全に消滅させる魔法使って良く言うよ。……ちなみにこの世界に物体を完全に消滅させる物理法則ってあったっけ?」


『有りませんよ。エネルギー保存則は一般的にはこの世界でも有効ですよ? 物理法則を乗り越えればその限りでは有りませけどね。……フフフ』


と微笑を浮かべてる魔大公が口許に扇を当てると、映像が方向変えて、アステリアとタブ・ルーズを映すの。


ちなみに魔法ってのは物理法則に"のっとって"現象を引き起こすもので"超え"たりはできないのが常識らしいよ。魔術師ギルドのじっちゃんが言ってた。

教国の聖女は「え?」って理解に及ばない阿呆面してたけどタブ・ルーズは苦い表情してるの。ヤバいことしてるとコイツは気付いてるな。



『……結構なお手前じゃの。魔大公殿下』

『あらぁ、凡人にはご理解できないようで居た堪れませんわぁ。わたくしったら恥ずかしくて赤面しそう』

『……? 馬鹿にされてるのは解るんですがね。――かなりマズい魔法なんですか、タブ・ルーズさま? 強力なのは解りますよ』


『……深淵級魔法はの、秘奥魔術でなら"魔法"を超えた"魔導"の真理、その深淵に達して初めて使えると云われていての。その威力は惑星破壊級とも揶揄される、アヴァロンではな。さっきの魔法でさえ、この星の中心に撃たれまくったらこの星が破壊されるぞ。重力崩壊とかで』

『重力崩壊させるには手間暇掛かり過ぎですわよ。消滅させる質量が少ないのが一長一短の魔法ですから』


『まぁ、理論的には、じゃな。……と云うことはやっぱり他にも使える?』

『そうですねぇ……地殻破壊してマグマ噴火で核の冬よろしく環境変化で地上の生命体を滅ぼすとかは余裕で。龍脈とかを暴走させて見るのも面白そうですわね』

『……ぉぉう』

『……』

最悪の想像図に言葉も出ないアステリア。ふむ……反応が薄いので更に爆弾投下よ。


「アステリア。……もっとやっばい真実を教えてあげるね。魔法ってレベル13まで有るからね」

『……は? 世界の滅亡に手を掛ける魔法があるのに更に位階あるとか意味不明なんですが……』

終焉しゅうえん級魔法って呼ばれてるよ。まぁ何が終焉なのかはお察しで」


『…………え? 使えるとか言いませんよね?』

「使えるのよね……どんな魔法かはヒ・ミ・ツ」

『使って見てからのお楽しみですねぇ……ふふふ』


アスタロッテも一緒になってわたしと微笑む。理解に及ぶと正気じゃ居られないようなヤバい真実。まともな人間だったら気が狂いそうな事実だよ。

……本当に発動させたら世界が滅びそうだからね。


そしてやっと黒髪の聖女のお姉さんが理解に及んで口をキュっと閉じたわ。何とも言えない表情になってた。



そして丁度、世界が滅亡でもするのかってくらいの轟音、雄叫びが明け方の空に鳴り響くの。


『があぁあぁあぁああぁあぁあぁあぁ!!』


おっと獣精王のヤツ、時間差で〈開天闢地の万雷サンダーオブジェネシス〉が不発に終わった事を知ったのかな。相変わらず狂った唸り声を上げ怒り狂い、最後の突進を始めたぞ。


「じゃ、使うか。終焉級魔法」

『いきなり世界を滅ぼそうとしないで下さいよ!?』

「流石に冗句ジョークよ、小粋で機知ウィットに富んだ、神祖の妖精王さまのね。そこまで時間掛けれないでしょ……なんか今回速いし」


ケルヌンノスが今までで一番の、怒涛の走り込みを見せるのよ、勿論もちろん、わたしに向かって。

今までニ足歩行だったたのに四つん這いになって四足歩行して来るの。

今までの倍くらい速いわ。

コレ以上は冗談言ってる場合じゃない。わたしは急いでストレージから最強の武器を取り出した。


獲物は久々登場の幻想魔剣ファンタジアン

神祖の妖精王にして妖精騎士アイギスさんの最強の武器よ。アイテムレベルは999。これ以上は存在しない最高位の神話級アイテム。


そしてわたしはその場で大声を張り上げる。

「じゃあ、みんなは退避! ここで決着つけるから巻き込まれない内に」


するとマスティマが間を置かずにアイリを抱き締めるの。どさくさに紛れて人の娘に抱き着くとはふてぇヤツだな。


「じゃ、アイリちゃん。お母さんの邪魔しないように一緒に行きましょうねぇ」

「……うん。頑張ってお母さん」


物凄く離れるのイヤそうだけど、コレも我慢よ。

そしてシャルさんも申し訳なさそうにしてるの。


「アイギスさま。……どうかご無事で。無理しないで……下さいね。私のことで無茶は、なさらずに」

「解ってるよ。わたしはできる事しかしないから。ジェラルダイン、シャルさんを頼むよ」

「いや。……もうとっくに退避済みだが?」

「なに?」


一瞬、暗黒騎士がなに言ってるのか解らなかったけど、真実を見通すわたしの妖精の眼で見たら眼の前のジェラルダイン、魔法で作リ出された分身だったのよ。


「おまっ! いつ逃げ出した!」

「ついさっきだ。マスティマが居るから問題はなかろう? 魔法陣の発動は遠隔操作でできるしな」

「ちょ、残ってくれる可能性すら考えたのに!?」

「森中の呪いがここに集中するのに残る筈が有るまい。しかも獣精王の呪いは神という存在にすら届いてるのだからな。――ああ、先に行けマスティマ」


と、ジェラルダインが手振りでマスティマを追い払い。そのマスティマがアイリと一緒にシャルさんも掻っ攫っていくの。

あいつ人攫いの達人じゃないだろうな? 一瞬で眼の前からアイリとシャルさんが居なくなったぞ。


「では、魔法陣を起動させるぞ?」

「ああ、もうさっさと。そろそろケルヌンノスが来ちゃうし」


そして森全体に張り巡らせた生命を捻じ曲げる呪いが誘導され、わたしに吸い込まれるように強烈な"量"が殺到した。


が、いとも容易く無効化レジスト

残留思念に似た何かが精神世界面アストラルサイドからわたしに洪水みたいに流れ込んで来るけど、無効化レジスト……思ったより気にならない。


「良しっ。コレならやれそうだな。ちょっと鬱陶しいけど」

そして私は幻想魔剣を構える、既にケルヌンノスはわたしの攻撃射程に入り込んでいた――





「――〈虚無領域一閃ヴァニタス・ブレード〉!」


わたしが使える最強技の一つよ。消費魔力も半端じゃないけど、何より3秒チャージで撃てる。


狂乱したように大口開けて走り込んで来る獣精王ケルヌンノスに空間ごと切り裂き虚無の領域を剣閃の形にしてブチ込むの。


アスタロッテの使った〈因果消滅の光レイオブイレイザー〉のように斬った領域は無かった事にされる技。この世界から消滅させる点は同様の筈だけど――


ケルヌンノスの巨体は斬られてその箇所が消滅してる筈なのになにごともないように四足で突進して来る。

消滅してるのは確かだけど、その瞬間に身体をくっつけてんのよ、解りやすく言うと再構成してるの。



神とか云う存在、並大抵じゃない。

物理法則さえ凌駕するという意味を初めて目の当たりにしたよ。

が、こっちはそのケルヌンノスより格上よ。

わたしは内心、マジかぁ、とか思いながらも続けて〈虚無領域一閃ヴァニタス・ブレード〉の技を使い続ける。


――二閃、三閃、四閃、五閃目!

幻想魔剣で魔力変換した虚無の領域が次々にケルヌンノスをスライスするけど止まる気配なし。

遂にはわたしが居る魔法陣が張られたクレーターに辿り着き、その巨体を跳躍させるの。


「〈虚無領域一閃ヴァニタス・ブレード〉! 六閃め!」


宙に浮いた巨神の胴体を撫で切るように虚無の剣閃が貫通するけどそのままわたしに向かって落下し、ケルヌンノスが勢いよくわたしに拳を叩き込む。


『がああぁああああああああ!』

……隕石みたいな拳なんて初めて間近で見たわ。黒龍グランヴァンのわたしの身体よりデカい拳より更に大きいしよ。

腹座ってるから動じないけど……

頼む、張った防御魔法〈絶対守護プロテクションイージス〉、耐えて。


そして祈りが通じたのか何とか耐え切るわたしの防御魔法。絶対守護の謳い文句は嘘じゃなかった。

――けど、次の瞬間には怒涛の拳のラッシュよ。


辛うじて〈絶対守護プロテクションイージス〉が耐えてるけど破られるの時間の問題。徐々に耐久力が削られるのが解る。


黒龍グランヴァンの時と違って余裕がねぇ。

わたしも勢い良く応戦したわ。



「〈虚無領域一閃ヴァニタス・ブレード〉! ――〈虚無領域一閃ヴァニタス・ブレード〉――〈虚無領域一閃ヴァニタス・ブレード〉――〈虚無領域一閃ヴァニタス・ブレード〉――〈虚無領域一閃ヴァニタス・ブレード〉……」


あのね、普通ならこんな馬鹿の一つ覚えみたいにアイギスさん技を連発しないよ。

でも、今回魔法陣から動けないし、この魔法陣が破壊されても駄目なのよ。つまり受けて立つのを強いられてるんだ!

でなけりゃ漢気溢れるグランヴァンと時と違ってこんな真っ向勝負しないって。


華麗に受け流したり躱したりするのがわたしの職業クラスの戦い方なんだからさ。


そしてわたしが〈虚無領域一閃ヴァニタス・ブレード〉を十七閃目した瞬間に遂に破られる〈絶対守護プロテクションイージス〉の魔法障壁。

破壊された後は鎧の自動展開の魔法障害バリアによるダメージ緩和とわたしの盾が頼りよ。


後は最後の頼みのつな吹っ飛ばしノックバック防止のスキルがな。

地面にめり込んで魔法陣に干渉されてもアウト。酷い、強いられてる。


そして一撃をまともに盾で受け止めるわたし。

コレがダメージというものか、っていうくらい重い一撃だった……


で、それが秒で何十発も叩き込まれるの。

初めて秒数以下のコンマで殴られるヤツの気持ちが解ったわ。ぼっこぼこじゃない。


「良い度胸してんなぁ、おまえ……」


キレるわ。こんな事されたら普段温厚なアイギスさんでもキレるわ。プッつんする。

既に準備は整ってたけど怒りを込めて反撃するわ。

ブン殴られまくって笑顔で居られるほどわたしは温厚じゃねぇ。


「あばよ、ケルヌンノス。アイリと遊んでくれた事、それだけは感謝しとくわ……」


そして幻想魔剣と同様の神話級装備アイテムレベル999の盾、現象虚盾リアリティアンで魔力変換した虚数エネルギーを虚無の領域に再変換――


「……〈虚無領域展開ヴァニタス・ドライブ〉。――また遊んでやるよ、じゃあな」


すべてを無味消失させる虚無の領域が、ケルヌンノスの巨体を包み込むように盾から螺旋状に展開。

獣の巨神の身体が何十にも重ねられた円状の虚無に輪切りにされ崩壊していくの。


威力的には〈虚無領域一閃ヴァニタス・ブレード〉の比じゃない超大技よ。何せ、終焉級魔法すら射程範囲なら相殺する盾技だもの。


……もう再生はできない。肉体を再構成するほどの生命力がケルヌンノスには残ってない。


『ぐぁぁぁぁぁ――』


遠く最後の咆哮が聴こえるけど、その声すら虚無に巻き込まれ霧散していく……


その瞬間にドス黒い何かが獣精王ケルヌンノスの崩壊しだした肉体の残滓から染み出し始めて――

あらゆる生命を呪う、ただれた最悪の呪いがわたしを標的にその歪んだ意思を向けるの。


こんな時、このアイギスさんは負けない。決して挫けたりしないから! って主人公らしく思うのが普通だよね?

――でももう、とっくにわたしはブチキレ済みよ。



「来いやコラっ! やんのか、ああ! ブッ殺すぞてめぇら!」


なぜか呪い相手に啖呵切ってたわ。てへっ、後で思い出すと自分の行動が謎行動過ぎていたのよね……



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