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ニートの俺は異世界に行くことになりました  作者: miyapon
第2章 新しい仲間 ~ スカヌハ王国~
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28話 店内での試着は程々に

 俺たちはリストの変装用の服を買いに街に出た。リストには誰か訪ねてきても開けないように言っておいたから大丈夫だろう。


 とりあえず洋服屋を探すことに。色とりどりの屋台が並んでおりどれもおいしそうだ。屋台が多くてなかなか見つからない。噴水前ではイベントなのか沢山の人でごった返している。


「あったか?」

「いえ、まだみつかってないわ」


 こじゃれた店ではあれば恐らく洋服屋に違いない。歩くこと数分......


「‘オリオンバケーション’」


 らしき物の看板を見つける。お店の前には服がぴっしりと整頓されている。


「ここじゃないか?」


 セリナに話しかける。


「そうね。入って見ましょうよ」


 ジャージの格好の俺は少々抵抗があったが入店することにした。


ーー


 どうやらこのお店は俺の趣味を分かっているらしい。

 ケモ耳が売っているだと.....もふもふ好きには堪らないな。

 鼻歌交じりに物色をしていると。


「気持ち悪」


 どこからか、声が聞こえる。


「気持ち悪いですね。お客様」


 耳がピンと立てている店員さんに会った。背は同じくらいで尻尾が特徴的で狐の尻尾をしていた。


「第一声が悪口のお店なんか始めて入りましたねー。えぇ?」


 顔を近づけ怒りを店員さんにぶつける。聴いていないのかたじろいでいる様子もなくけなし続ける。


「あなたの態度を見た人全員が同じことを思うでしょうね。なんせサンプル用のケモ耳をいじっては鼻で匂 いを嗅ぐという行為をしているわけですからね。ここの商品はあなたの所有物ではないんですよ。わかってるんですか。とんだ変態さんですね」


 俺のライフがどんどん減っていく。SAN値が減っていってしまう。


「セリナも何とか言ってくれよ。俺気持ち悪くないだろう?」


 最後の頼みの綱の彼女に助けを求める。

 言いにくそうに髪をいじりながら答える。



「うん。はっきり言わせてもらうわ......貴方とは一緒に行動してるのが憚れるくらいに見事な変質者感が滲み出ていたわ」


 なんだと......俺の味方は敵側にあっさりと寝返ってしまった。


「まぁなんだ。男と言うのはそういう物なんだよ。気にすることはない」


 変に理屈づけて説明するよりよほど説得力があるように見せる。


「仕方ないですね。今の行動は不問にさせて頂きますが今度やったら出禁にさせて頂きますのでご了承くださいませお客様」


 さらっと出入り禁止のペナルティを着けられた。哀れ者を見るような目をしないでくれ。


「すいません。今日は変装用の服を捜しに来たんです」


 腰を低くして俺は店員さんに理由を話す。


「ご自身のですか?」


 不気味な笑みを浮かべて言う。


「ちがうわ!」


(何これコントをやっているの?)と感じぜざる終えないほどの見事な突っ込みが決まった。


「このくらいの女の子のなんですが」


両手を使い大体の慎重を言う


「そうですか分かりました。こちらでオススメのを用意させて頂いてもよろしいですか?」

「はい。頼んだ!」


店員さんはレジのカウンターの奥へとスルリと入っていく。

しばし沈黙の時間だけが流れる。


「暇だから、私自分の服を探してくるわ」

セリナは気まずくなったのかどこかへといってしまう。


ーー


「着てみたい服が見つかったら試着してみるわ。それから感想きかせくれないかしら?」


かごには溢れんばかりの服が詰め込まれていた。


「もしかして、これ全部?」

「そうよ」


(まじかよ)しかも即答だし。試着室で着替えを始めるセリナ。


「覗いたら殺すわよ」


カーテン越しからも分かる威圧感。


「わかってるよ」


覗きたいとは思ってしまうが我慢するべき所だ。


「どうかしら?」


カーテンを開けた先にいたのは、黒いワンピースをきた彼女だった。これはいつもの清楚な服装とは違いこ 悪魔感が出ていて俺の好みにドストライクだよ。恥じらいでる姿もグッド。


「その似合ってるんじゃないか」


どの服を着ても可愛く見える。


「あ、ありがとう」


―――この後何十着のお披露目衣装会を終えた後、悩みに並んで選んだのは最初の服だった。


ーー

「お待たせしました。お客様」


 上下セットの服が2着テーブルに置かれる。


 1着目はウサギのコスチュームだ。人参も装飾品として付いている。リストにうさぎか〜。合わないな却下。

 続いて2着目は猫のコスチュームだ。白と黒のシマシマ模様が特徴的で、付属には尻尾まで付いている。

(リストににゃんにゃん言わせたい)変態的な思考だが、これはかなりありだと思う。


「俺はリストには猫のコスチュームがいいと思うんだけどセリナはどうかな?」


 セリナの方を振り向く。彼女は「うーん」と唸りながら考え込んでいる。


「私はウサギかしら。ウサギ好きなのよね」


 彼女はウサギが好きのか。思わぬ情報が入り頭の片隅に置いておくことに。


「セリナ。自分の趣味じゃなくてリストが来たら似合う方を選ばなきゃ」

「そうね......リストってすばしっこいから猫の方が合うわよね」


 (よっし。誘導成功!)


「お客様決まりましたか?」

「えっとですね。猫のコスチュームの方で。後付属の尻尾も忘れずに付けて下さい」

 リストに着せるの楽しみだなぁ。


--


「おーい帰ったぞ」


 大きいベットいぽつんと小さい体がうなだれている。


「寝とる場合かー」


 肩をトントンと叩く。


「にいやん、いつの間に帰ってきたん」


 寝ぼけているのか目が虚ろだ。


「変装用に服買ってきた。着て見てくれないか?」

 猫のコスチュームを袋から取り出し見せる。

「ナンダコレハ」


 唖然として言葉がでて来ない。


「こんなの着たくない」


 予想外の反応だぁ。何としても着させたい。


「リストちゃんにすごく似合うと思うわ。それに着ないとあなたは一歩も外に出れないわよ」


 痛い所を突いてくる。リストはぐぬぬとした顔で言い返すことができない。


「着ればいいんでしょ」


 嫌そうに着替えを始める。


「何平然と座っているの二斗早く外に出てなさい!」

「は、はい〜」

 

 いきなり着替えを始めるとは思わないだろう普通。



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