第三十話【BAD ENDと砂弓矢】
「だけど青鈴、倒せないならどうする、ダークサイドは今、逝見が死に次なる統率者を決めているか、それともさっきの奴らの様に俺たちを倒しにくるぞ、もし倒しに来てとんでもない実力差が開いてしてしまったら…。」
差鐘は俺にこう言った。
「でも、これ以上何か能力を手に入れる、なんてできないでしょ?それだったら前者の方でありますようにって願うしかないじゃ…。」
狐火が差鐘の意見を全てではないが否定した。
「そんなことをしなくても勝つ方法はある。」
何回か座ったソファーで会話していた俺たちに尾上が入り込んできた。
「方法?そんなのどんな方法があるっていうんだ尾上。」
「いいか?お前が生き返ってそして昔のダークサイドのメンバーも生き返ったということは東区風紀委員会、元委員長の雨崎や紅、それにお前の属していたNO,sも復活しているかもしれない。そいつ等に協力を求めれば少なからず全滅することは…。」
尾上は俺にとっては何の事なのかまったくわけのわからないことを言った。
「でもどこに生き返ってるって保障が――
「はいそこォ尾上ィ先輩を呼び捨てにしない。燃やすぞ。」
どこからともなく赤色がかった髪の色をした男と黒髪の女それと尾上と髪型は似ているけれど黒の場所が白になっていて白の場所が黒になった髪をした男が入ってきた。
「「「――」」」
その光景を見て、尾上と差鐘、狐火は唖然していた。
「どうしたのよ、三人とも口開けちゃって。」
「く、くくくく紅 蒼介に――
「雨崎委員長に――
「木崎ィィィ!???」」」
「だから呼び捨てにすんなボケ。」
どうやら尾上たちが言っていた人物のようだった。
「――この三人が生き返ってるってことは…!」
差鐘は明るい声で言った。
「他の奴らも生き返ってるかもしれない!」
尾上の予測は当たった。
「でも、紅先輩たち…どうやってこの場所を突き止めたんですか?」
「そんなの木崎に偽化物化させて臭いで辿ったに決まってんだろ。」
「え?でも木崎そんなこと…。」
「いやー鈴岡に能力強化してもらったんだけどな…昔…。」
木崎という男は申し訳なさそうに面倒くさそうにそう言った。
というか今思い返してみると一度も会話に参加できてないのは自分でもどうなのだろうかと思ってしまったので口を挟むことにした。
『ちょ、ちょっとまってくれ。』
「どうした、青鈴。」
尾上が反応した。
『俺には色々とわけがわからないんだが…臭いで辿るとかってその木崎って人は犬か何かに変化する能力者なのか?』
もし犬の能力者なのだとしたら狼の尾上とあんまりにも被りすぎてるような…。
「違う違う、えーと…青鈴君だっけ?俺の能力は尾上の劣化コピーさ、能力名称『劣化化物変化:狼』だ。」
被るどころの話じゃなかった。
『コピーって…。』
「さっき言った鈴岡って人がね、化物系の能力を人工的に作り出すことに成功したんだよ、昔ね、そして俺はその能力の一人目の実験体、まぁ一人目ってこともあって劣化版ではあるんだけれど…色んな研究を重ねて薬を作り、それを投与して今じゃあオリジナルとあまりかわらない実力だよ、ありがたいことにね。」
「オリジナルっていっても俺はもう化物じゃなくて神獣なんだけどな。」
尾上が言った。
「ちょっと和気藹々と話ているところだけどいい?尾上と木崎と青鈴君。」
「なんですか?委員長?」
尾上が受け応えした。
「今はもう委員長じゃないのだけれど…それより私たちが生き返ったのって幸浦の仕業なのか…それとも逝見の仕業なのか…どちらにせよ二人ともそのぐらいはできる能力を持ってるってことは確か、どっちかわかる?」
委員長と尾上に呼ばれていた女は生き返らしたのは誰なのかを聞いていた。
「…恐らく、逝見の仕業じゃないかと思います。」
尾上は答えた。
「そ、じゃあ逝見を倒せるってことね…。」
「い、いや逝見は既に俺と青鈴が殺してます。」
委員長?は目を丸くした。
「倒せたの…?」
よく見ると委員長だけではなく紅と呼ばれる人物も木崎も目を丸くして驚いていた。
「はい、でも俺だけじゃ勝てなかったはずです。」
「あ、ありえねェぞ…こんな髪が長くて女みてーな見た目のヤツが逝見を倒すだなんてぜってーありえねェ…嘘だろ!な!?見え透いた嘘はやめろよ?尾上。」
紅と呼ばれる男がそう言った、というかアンタも髪肩ぐらいまであるじゃないか…。
「いや青鈴の記憶を奪う鎌がなかったら…。」
「「「…」」」
三人とも口を開けていた。
そんなに俺が逝見を倒したのが驚きなのか。
「何口開けてるんだよ…なぁ…。」
聞きなれない声がその場にあった。
「! 仙…道?」
紅がそう言った
「久しぶりだな、紅それに氷華。」
男はそう言った。
「お前…どこから…。」
「どこからとはないだろう…あっち側に焼け跡があったぞ紅。」
「焼け跡、は雨崎の氷で封じたはずじゃ…。」
まて焼け跡とは何のことだ、家を燃やして入ってきたのかこいつ等、どんだけこの家傷つけられるんだ。
「はぁ…忘れたのか…戦友だったというのに…『鉄操作』俺の能力を覚えてないなんてことはないよな…。」
「あぁ…忘れてはいねェよ…だけどここに何をしにきた…。」
紅は男を睨みながら言った。
「ダークサイド副リーダーと言えばいいか?の命令でな、恐らく赤熊亭に行ってるであろう紅 蒼介、雨崎 氷華、木崎 翔を抹殺せよとのことだ。」
「抹殺!?」
木崎が反応した。
「そうだ、だから…殺させてもらうぞ…『鉄の脚』!」
男は足を鉄にして木崎の方へと突進した。
「ッ――『劣化化物変化:狼』!」
木崎の身体は尾上が能力を発動しているときとなんら変わりない見た目になった。
「無駄…だ!」
男の足から鉄の刃物が何本も飛び出し木崎を狙った。
だがそれらは全て燃やされた。
「無駄なのはテメェだよ、仙道、俺の業火にかかればテメェの鉄なんてドロッドロに焼き融かされてシメーだ。」
「そういえば…そうだったな…あんまりにも昔のことすぎて忘れてしまったよ紅。」
「でもそんなこと言って悠長に過ごしていたら身動きが取れなくなるけど?」
男の足は氷で固められていた。
「困ったな…これは困った。全力を出すしかないじゃないか…皆で。」
男はニヤリとニヒルな笑みを浮かべた。
「もう
「動いて!
「いいのか?」
「いいの!?」
どこからともなく二人の男が現れた。
「あぁ、ぞんぶんに暴れてくれよ、踏風、久留谷。」
「!?」
紅はすぐに戦闘態勢に入った。
「そうかそれじゃあッ――『死線爆弾』!」
金髪に黒色の服を着た男は左目に付けていた眼帯を外した。
するとその男の視線の先が爆発した。
「んじゃま俺も~『毒霧風切』!」
もう一人のパッツンロンゲの男は木崎と紅の間を走り抜けた。
「しまった…!」
「運が悪かったかな、今のは即死になりやすい毒だよ。」
木崎と紅は倒れた。
「蒼介!?木崎も!」
「さぁて後はアンタだけなんだが…雨崎氷菓?」
眼帯の男は雨崎の目の前まで来ていた。
「『死線爆弾ァ…。』
雨崎の頭は木端微塵に爆発した。
「殺害完了…ついでにここの奴ら全員殺すか…特に意味はないが…。」
「いいねいいね…殺しちゃおうか…久留ちゃん。」
「何でこんな時だけお前と同じなんだろうな…踏風…。」
二人は気味の悪い笑みを浮かべこちらへと近づいてきた。
『ブルーサイズ!』
俺は鎌を取り出した。
尾上や狐火、差鐘の方をみると戦闘準備を済ませていた。
「準備なんて無駄だよ、四人とも?も?」
俺たちの後ろに聞きたくないような声をした男がいた。
『誰だ!?』
「やぁ…初めてだね?ね?工藤一祐っていう人間だよ、残念だけどさ、君たちのえーとなんだっけ?け?血脈?血圧?なんだっけ?あのーアレだよアレ、アレは最低限まで下げてあるからさ、一つでも下げたら死ぬぜ?ぜ?君たち。」
男はわけのわからないことを言った。
「ま、下げちゃうけど、『負荷何度』。」
その場にいた赤熊亭側の人間は全員死んだ。
ひょっとするとひょっとするともしかしてまたBAD ENDか?と思うかもしれないけれど今回はこんなものでは終わらない、終わらせるわけがないじゃない?なんたって…僕の描いたシナリオなんだからさ♪
だからさ、もう少しだけ続けてみようか。
僕が死んで、つまらなくなった世界の末路を真ん中の物語を――
「それにしてもだ…ちと弱すぎやしないか?仙道?」
久留谷は死体が散乱した床を見ながら仙道に問いかけただが仙道から返事は返ってこなかった。
「仙道?」
久留谷は振り返ったがそこには床に張り付いた氷と砂しかなかった。
いや、そこには一人弓を構えた人物がいた。
「誰だ…貴様!」
その問いに何も答えずにその弓を持った男は弓を射た。
が、久留谷はその矢を避けた。
「弓と矢…それに砂…まさか…いやありえないな…アレがここにいるわけがない…。」
「はぁーなにグチグチ言ってんだよ久留っち戸惑う暇が、考える時間があるならとっとと潰しちまえ!」
そう言って踏風はその男の方へと走って行った。
「『毒霧風切』!」
辺りに毒を散布しながら。
「そんなに真正面しか見ないで走っていたら、足を踏み外すぞ。」
男が言った
「踏み外す?何をだァァァァァァァ!!???砂ァァァァ!?」
踏風は完璧に足元にあった砂にハマっていた。
「くそッ!出ようとしても飲み込まれる!」
「残念だったな…今ここで殺した人間の分を死で償え!」
その男は踏風に向かって弓を射た、踏風はジタバタはしていたものの真ん中にいたので目標はさだめられており男が放った矢は踏風目がけて当たった。
「ぐあッ!そんなところから矢を放つなんてひきょ――体が砂化してきてるゥゥゥゥゥゥゥ!?」
踏風の体は矢の当たった、肩から徐々に徐々に砂と化していった。
「があああああ!!ああああああ…あ…ぁ…。」
踏風は消滅した、だが助ける必要は無いと思った自分がどこかにいた。
「さぁ次はお前だ…!」
男は弓を構えた。
「工藤!コイツを倒すぞ!できれば殺すな!」
「殺すな?どうゆうことだい?」
「コイツは心負の忘れ形見かもしれない!」
男の弓から矢が自分たちの方向へと放たれた。
「『負荷何度』!速度を最低限にした。」
矢はスロー再生をさらにスロー再生したような速度でこちらへと向かってきていた。
もちろんその矢に当たれば砂になることは俺と工藤はわかっていたのでそれをなんなく躱した。
「低速の能力者か?いやだとしたら能力名称が違いすぎるか……まぁいいとにかく殺すッ!」
その男は今度は矢を持ちこちらへと走ってきた。
しかしこちらへと来てくれれば来てくれるほど俺にとっては好都合だった。
俺はわざと男に近づき、眼帯を外した。
「『死線爆弾』。」
俺は確実に男を仕留めたはずだった。
俺が能力を当てた、目を向けた場所に男の姿は無かった。
てっきり能力にやられて体すら残らなかったのかと思ったが違った。
男は足元に踏風にやった足元崩しとでも言えばいいのだろうかを自分にやり回避していた。
「零距離…ショット。」
「『負荷何度』!滞空時間の最低限化!」
工藤はせめてでもと思い能力を発動させたのだろうが無駄だった、なぜなら零距離中の零距離、服に矢の先が刺さった状態で放たれた矢だったからだ。
「これで…二人目!」
そう、矢を刺されたということは倒された、殺されたも同じ、残ったのは工藤だけだった。
「工藤!俺のことは何も考えなくていい!コイツを倒すことだけ考えろ!だけど殺すな!」
俺は死ぬ前に工藤に忠告をした。
「久留谷…。」
「よし、出れた、それじゃ殺させてもらうか…。」
男は数秒も立たずに砂の中から出てきた、殺すと殺意を明確にしながら。
「殺す?上等だよ砂野郎、お前は最低で最低で最低で最悪で最悪で最悪で一番最高な方法で倒してやるよ!」




