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キスゲーム  作者: 天無 冷斗
逝見心負編
25/32

第二十五話【絶望的】

この一回この一回でもう終わらせよう。

そんな言葉何回吐き捨てただろう、何回嘔吐物と化しただろう

それでもこの21回目で終わらせる。

たとえ自分の意思で動かせなくとも






















「………………」

気が付くとそこはまだ1時間前くらいだろうかそんな時刻、あぁこんな部屋にいたなと思うのも20回目かと思った

「どうしたよ?中二病」

そこには週刊誌を読んでいた倉田くらた君がいた

「いや…なんでもないよ…倉田君…」

そう、僕はもうこの彼、倉田君の死体を20回も見ているのださすがに慣れるなんてのは漫画の世界の中だけであって現実はかなりつらい

だがこの時点ではまだ自分の体が操られていないことに気が付く、これも20回目だ

「よ、よし!倉田君!食糧でも買いに―――

とたんに口が動かなくなる、そして心の中で『くそっ…』という感情が湧きあがる

「食糧?それならまだあるだろうが、頭がおかしくなったのか?」

「なんでもないよ…」

まだだ、まだ何かこのループを起こさせない手立てがあるはずだ

そう考えとりあえずはこのループに登場する人物を頭の中でまとめることにしたこれも20回目だが。

まず青鈴あおすず君はキスゲームの主人公だ、それに今は戦意喪失気味だ。

尾上おがみ君は化物ヒーローの主人公だが、物語が台本通り進むのなら倉田君に殺される。

そして水戸川みとがわちゃんは僕のこの手で突き落として殺してしまう。

となれば誰か部外者とくにこの物語に、この台本に関係無い人物でもいい、とにかく部外者の妨害が入りさえすれば小野上おのがみの計画を狂わせられるはずだ。

たとえば三野みのちゃんが出てきたときみたいな風に。

その部外者に僕を殺させればいいのだから。

「倉田君!」

「なんだ中二病、改まって」

「僕を殺してく――――れなんて言うはずが無いからさどっかいかないかい?」

どうやっても操られる、未だに小野上の能力がわからない、もし相間あいまの様な能力なら解除できるはずだがそれができない。

何故だ何故できない、それさえできれば後は僕の好きなように物語を進められるのに。

「どっかって言われても今日はどっか行く用事なんてねぇぞ?」

「あぁ、それなら――

逆らおうとした所でどうせ操られているんだから青鈴君の否赤熊あかぐまちゃんの家に到着してしまうんだろう。

なら、なんとかして到着するのを遅らせればなんとかなるかもしれない

さすがにもう20回も考えてるんだから疲れてしまった考えだ

「とりあえず青鈴君の、いや赤熊ちゃんの家に行こうか」











到着してしまった、最悪のENDを迎える場所に、BAD ENDへと誘う場所に

どうすればいい、どうすれば小野上に目に者見せてやれる


自分の意思じゃなく動く、発揮する自分の能力の『負加速プラスブレーキ』がとてつもなく嫌だ、嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ

どうすれば救われる


そんなことを考えてるうちに青鈴君の部屋にワープしてしまっていた、倉田君を隠して






そして同じ展開。

また学校の屋上で僕は水戸川みとがわちゃんを突き落とした、およそ一分ぐらいで

そして尾上君がキレるも僕が左腕を吹き飛ばし倉田君が脚を突き刺し顔を突き刺し殺し

青鈴君は僕に殺され、倉田君は僕の手が頭をもぎ取って殺してしまう







「残念だったな、心負しんま

また僕の目の前に姉ちゃんが現れる、もう21回目か…何回目かわからないけれども

「そう…だね…」

「さらに残念だけど、またループだ頑張ってくれ」

「そうかい、じゃあ…」

どうあがいてもループになるのならここで終わらせるしかない。

ここでしか終わらせられない

「僕は死なせてもらうよ―――――




僕は自分の手を銃のような形にして頭に突きつけ発砲した、姉ちゃんの目の前で

「な――――」

最期に見えた姉ちゃんの姿は驚いたような表情をしていた

おいおい、これだけ弟をつらい目に合わせたっていうのにそんな表情かよ――

そう思ってるうちに気が付いた、何でここまで考えられるのかと。

普通即死ではないのかと


「残念だったな心負、私の能力で生き返らせさせてもらったよ」

そうだ、まだ自分は知らなかった姉ちゃんの能力を

「は、ははは…なんだよ…終わらせさせてくれないのかよ…」

「そりゃあそうだ、誓也せいやの命令だからな」

こんな質問を投げかけてみた

「ところで姉ちゃん姉ちゃんの能力ってなんだい?生きかえさせられるって…僕の能力みたいな物じゃないと無理だけど…」

「あぁ、それかそういえば言ってなかったな、何せ生き別れだしな」

そう生き別れの姉弟だ、姉ちゃんと自分はだから能力を知らなかった

「この能力は他人の能力を一つだけ共有できる能力『以心伝心』だ。今は小野上の能力と共有している」

「じゃあその小野上さんの能力は?」

これさえ聞き出せれば小野上を倒せる手立てが見つけられるかもしれない

「誓也の能力か…アイツは二つ能力をもっているからな…」

「二つ?」

「そうだ『∞』と『履歴を奪う羽』だ」

「∞?なんだい?それは」

これさえ聞き出せれば勝てるかもしれない

「あぁ『∞』はその場で最強になれる能力だ、つまりアイツは今地球上で宇宙上で最強の存在だ」

「ッ――――」

言葉が出なかった

最強ということは勝てもしないっていうことか?どういうことだ?とにもかくにも自分の能力が通じないのはそのせいか?






状況は絶望的だった


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