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首の誉  作者: しめさば
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 休日は一瞬で消化された。

 二日間の記憶は、真空に置かれたメロンパンみたいに圧縮された。

 家族団欒の時間は、ただ甘いだけのエンプティ・カロリーだった。

 いつもなら幸せなのに、物足りないと感じた。

 友人と会い、酒の力もあって、いつもと違う自分だったからかもしれない。

 あるいは、夢の記憶。

 非現実の消化不良で、胃がもたれていたのかもしれなかった。


 明けて、月曜日。


「おはよ」

 黒江が目つき悪く桜井を睨みながら、煙草をふかした。

「おはようございます」

 朝の調子の悪さは、黒江の十八番だった。

「疲れたぁ」

「もうですか?」

「揉んで」

 そう言って黒江は桜井の前に立った。

「あ、こっちか」

 対面だったのを、後ろ向きに直る。

「今日は比較的元気ですね」

「カラ元気」

 黒江は伸びをした。

「疲れてからが勝負ってね」

 そこに幹島がやってきて、部内の人間を招集した。

 なぜか桜井に向かって、鋭く睨みつけてきた。


 ***


 幹島は同僚らを集めた部屋のドアをしっかり閉めて、全体に向けて話した。

 内容はすぐに理解できるものではなかった。

 頭がその話を拒絶しているようだった。


 首が汚れていた同僚は、名前を鷺矢(さぎや)といった。

 桜井は彼のことを名前で呼ぶことはついになかった。


 幹島が話したことは三つ。


 鷺矢が殺されたこと。

 犯人は黒江の夫だったこと。

 黒江が会社を退職すること。


 言葉としては簡単なのに、とても難解な文章だった。

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