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Telepath crisis  作者: 白昼夢
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2.しのせんこく

idol  【読み】 アイドル 【名詞】


・偶像。


・崇拝される人や物。


・あこがれの的。熱狂的なファンを持つ人。


・七瀬 深空。


最後の項目は、誰かが書き足したようである。

---キミ達は自分が神になった夢を見たことがあるだろうか、僕はあります。


夢の中の僕はみーちゃんに告白して、勿論成功、それからみーちゃんの望みをなんでもかなえてあげて、きゃー大好きーなんて言われたりなんかしちゃって。


勿論働いたりなんかしない、神様だもの、毎日好きなゲームをしてアニメを見て、みーちゃんとイチャイチャして。


一般人のクセにだって?夢の中位このくらい思い通りでもいいだろう、現実は厳しいんだ。


ああ、耳元で小声で僕の名前を囁いているみーちゃん、可愛いなあもう。




『…ウ君、……ちゃうよ』

小声で天使の囁く声が聞こえたような気がした、よく聞き取れなかったけど愛の告白かな?

ゆっくり瞼を持ち上げる、僕は教室に居た、教室の自分の机に突っ伏している、右手にはボールペンを持ったまま、机には現代文の教科書と白紙のノートが広がっている。

…どうやら爆睡してたらしい。

(おはようユウ君)

口の動きだけでそう告げ、ウィンクしてまた前を見るみーちゃん、夢の中のみーちゃんも良かったけどやっぱリアルみーちゃんは破壊力が違いますなあ。

とか言ってる場合じゃなかった、教室の時計を確認する、授業が終わるまであと7分20秒だった、とりあえず急いでノートを書かないと。

黙々と黒板に書かれた内容をただ書き写す、間に合いそうにない、後でみーちゃんに写させて貰おう。

とりあえず時間いっぱいいける所まで写してる所に、授業の終わりを告げるチャイムが鳴った。

『はい、じゃあ今日はここまで、はい号令』

『起立』

『礼』

『ありがとうございました』

すぐさま僕は腰を下ろす、帰りのホームルームまでに書き写しちゃおう。

『はいっ、どうせノート取れてなかったよね、私の貸すから今の内に写しちゃいなよっ』

みーちゃんは自分のノートを僕に差し出した、完璧すぎる、この子完璧すぎる、大事な事なので2回言いました。

『ありがとみーちゃん』

程なくして担任の先生が教室にやってくる、ノートはばっちり写し終わった。

『あ、もういいかな?』

『ああ、うん今丁度終わった、ありがとね』

書き終えるとほぼ同時にみーちゃんが振り返る、なんというエスパー。だがそこも可愛い、何考えてるんだろ僕は。

僕が渡したノートをそのまま鞄に放り込む、僕も展開されてる教科書やノートを片付け自分の鞄に詰める作業を開始する。

担任が明日は何があるとか、簡単な連絡事項だけ伝えてホームルームが終わった、ようやく開放される。

『いこっかっ』

『うん』

そう言って立ち上がり、教室の外を見ると見慣れた顔がこっちを見ていた。

『ユウー、七瀬ーお前らのクラスいつもホームルーム終わるの遅いよなあ』

『ハギワラ先生話長いからねえーあ、聞いて聞いてレン君、さっきユウ君現文の時間爆睡してたっ』

『ユウが居眠りしてるのって割とよくある事じゃね?それより早く帰ろーぜー』

『あ、そうだな』

僕の話を楽しそうにするみーちゃんを見るとちょっと嬉しくなる、っと、教室の外で待ってたこのデカイ奴の名前は柳田やなぎだ れん、僕らと同い年で中学の頃からのみーちゃんとの共通の友達だ。

しかしまあ、コイツの事は嫌いじゃないけど、折角みーちゃんと2人で帰れると思ったのに。そんな事を考えてると

『悪いなユウ、お邪魔だったかな?』

僕にだけ聞こえる声で意地悪くそう言うのだ、コイツもエスパーか。

『な、何いってるんだよ、別にそんなんじゃねえし』

『ツンデレかよ、はっはっは』

自分でやっといて何だけど、男のツンデレって気持ち悪いだけだと思うぞ、多分。

『ねえねえなんの話ー?男同士の内緒のおはなし?』

何か話してるのに気づき、ほっぺに人差し指を当て、少し首を傾げて僕らにそう聞いてくるみーちゃん、全力で可愛いですみーちゃん。

『あれだよ、ユウがツンデレって話』

『だからツンデレじゃないっての』

『冗談冗談、ほんとは俺が来なければ七瀬と二人っきりで帰れたのにーってユウが言って…』

『そんな事言ってねえー!』

すかさず全力で否定する、いや、ちょっとは思ったと言えば思ったけどね。

『私と二人はそんなに嫌なのかな…』

何か勘違いしたのか表情を曇らせるみーちゃん、断じてそんな事あるわけ無いぞ。

『そんな訳無いじゃないか、むしろみーちゃんと二人っきりが一番いいくらいだぞ、って何言ってるんだ僕は』

あたふたしながらそんな事を口走ってる僕、うわ、なんか変な汗でてきた。

そんな様子を見てあははっと笑うみーちゃん、まあ何にせよ機嫌が直ってよかった。そんな様子を見てニヤニヤ笑みを浮かべる蓮、いつか覚えてろよ。

『あ、柳田先輩と深空さん…っとユウ兄』

昇降口付近で一人の少女が僕等に話しかける、コイツは一条いちじょう ありす、歳は一つ下、僕は幼稚園から、みーちゃんは小学校、蓮は中学からの友達だ、とゆうか何で僕の名前を呼ぶ時だけちょっと不機嫌そうなんだよ。

『ありすちゃんも今から帰るのかな?私達も今から一緒に帰る所なの、一緒に行く?』

みーちゃんがニコっと微笑んでそう言う、いやあ可愛い、ありすには勿体無い笑顔だ痛っ。

突然痛みが走ったと思ったら思いっきりありすは僕の足を踏みつけていた、しかしそんな事をしながらも表情は変えずに

『はい、一緒に行きますっ』

『おいちょっと待て、何で突然俺の足を思いっきり踏みつけたのか分かりやすく説明してくれ』

的確にかかとで僕の小指を打ち抜いてくるありす、流石に女の子の力でもこれはかなり痛い。

『だって、なんとなくユウ兄が深空さんの事考えながら失礼な事考えてたような気がしたからついイラっとしちゃって』

どういう理由だよ、なんとなくで人の足にかかとを飛ばすのかこやつは、まあその予想は当たってるんだけど。

とゆうか僕はしばしばエスパーは居ると思ってるとか人に言ったりする。まあ信じない奴の方が多いんだけどさ。

僕の周りには異様に空気の読める奴が多い気がする、まあ僕だけが読めなさ過ぎるのかもしれないのだが。

まあそれは一旦置いといて、そんな事言っちゃう最たる理由かコイツ、ありすだ、コイツに嘘をついて見抜かれなかった事は一度もない。幼稚園からの付き合いだけど隠し事が全く通じない。今もだけど、どう考えても読心術の域をはるかに超えてる。

『そんなの憶測だろ…いてて』

『ありすは昔からユウ兄見てるからなんとなく分かるんだもん』

一応僕は否定するも、ありすは聞かない、とゆうか幼稚園の頃からの付き合いなら考えてる事が分かったりするのかな?なのに僕はありすの考えてる事がさっぱり分からん。やっぱ僕が特別空気読めないだけなんだろうか。

『ま、まあまあ、とりあえずここに居ても仕方ないし行こう?ねっ?』

みーちゃんがありすを窘めながらそう提案する、やっぱりみーちゃんは僕の天使である。

なんかありすがこっちをじとーっとした目で見つめていた、こっちの視線に気づき、ぷいっとそっぽを向いてしまったけど。

やれやれ、コイツはいつからこんな風になってしまったんだろうなあ、昔は可愛い妹みたいだったのに、まあ今でも容姿で言えば可愛い方なんだけど。

…っとやばい、こんな事考えてるとまた、と思ってありすを見やると、何故か恥ずかしそうに顔を背けた、なんだろ、よくわかんない奴だなあ。

帰り道、ずーっとありすとみーちゃんが話して、僕等は時々相槌を打つような感じだった、女の子ってよく話題が尽きないよなあ。

『っと、お先なあーまた明日学校で』

『あ、うん、またねレン君』

『また明日です、柳田先輩』

『おーう、またなー』

唯一電車通学の蓮は一番最初に別れる、美少女2人と男一人で両手に華な状況なんだけど、実際ちょっとこっ恥ずかしいものである。

みーちゃんは可愛い、これはもう説明するまでもないだろう。今は変装して分厚い縁のメガネをかけてるけどそれはそれで可愛い、とゆうかみーちゃんは何したって可愛い、うん。

で、ありすなんだけど、まあ可愛い、綺麗な金髪のロングツイン、ちんまいし胸が致命的に無いけどこういうのが好きな奴からしたら完璧なんだろう。

これでも小さい頃は『おっきくなったらユウ兄のおよめさんになるー』なんて可愛いことを言ってた時期もあったのである、今は傍若無人の暴力女だけど。ぐふっ

懐に肘鉄を貰った、思わず変な声が出る。

『わあ、大丈夫ユウ君!?』

『大丈夫大丈夫、ははっ…』

みーちゃんの前なので心配をかけないようにそう答える、しっかし痛ってえ…

『ユウ兄が失礼な事考えてるのがいけないんだもん』

『なんで分かったんだよっ!』

『否定しなかった!』

睨み合う僕等を見てみーちゃんが楽しそうに微笑みながら

『なんだか羨ましいなあ二人の関係って、お互い分かり合ってるって感じで、ホントの兄妹みたい』

『そんなことないよ、僕はありすの考えてる事ちっともわかんないし』

『そうですよ、こんな兄貴なんて御免ですー』

『何をーこのまな板娘がー』

『何よーむっつり妄想一般人っ』

なんてヒドい事を言うんだ…むっつり妄想一般人…はいはいどうせ僕は何の取り柄も無い妄想癖の激しい一般高校生ですよーだ。

ふと見たらありすが流石に申し訳なさそうな顔をしてたように見えた、いや、気のせいか、ありすだし。

そうこうしてるうちにありすの家まで着いた。話してるとあっという間だなあ。

『あ、じゃあまた明日です、深空さん…と一応ユウ兄も』

『うん、またねー』

『…なんで俺は”一応”なんだよ!』

みーちゃんに手を振った後に僕にむかってあっかんべーをしてドアを閉めた、子供かあいつは。

そしてとうとうやって参りました、みーちゃんと二人で下校タイムです。テンション上がってきたぜ。



『分かるよ…、私が一番、ユウ兄と長く一緒に居るんだもん…』

玄関のドアにもたれかかり、俯きながらありすはそう呟いた。



みーちゃんの家と僕の家は隣同士だ、だから帰り道は一緒なのである。神様、こんな素敵な偶然をありがとう。

『それにしても、ユウ君とありすちゃんって、仲いいよね~』

『…どこをどう見たらそう見えるんかな』

流石に可愛いみーちゃんの言うことだけど、それには賛同しかねる、アレを見て仲がいいなんてどうして思ったのだろうか。

『なんかさあ、さっきも言ったけど、羨ましいなあーって、ああいう本音で色々言い合える関係って』

『ふーん、そんな物なんかなあ』

茜色の空を見上げながらみーちゃんがそう言う、みーちゃんは何をしても絵になるよなあ。

うん、何でもってのは言いすぎだけど、いつかはみーちゃんに、この気持ちも、他にも伝えたいこと沢山、言えるようになれたらいいな…。

少し考え込んじゃったなあ、何か話した方がいいのかな、とついつい僕は思ってしまう、2人きりの時間ってそんな無いからね。

視線をみーちゃんに向けるとみーちゃんも何か考え事してるのかな?とか思ってたらこちら視線を向ける、目が合いみーちゃんは僕に微笑みかける。

やっぱり、可愛い。不釣合いだと分かっていても、誰にも渡したくない、そんな感情が僕の頭を巡る。

と、家に着いた、ほっとしたような、残念なような、不思議な感覚。

『じゃあ、またね、ユウ君』

『うん、また』

僕は家の中にみーちゃんの姿が消えていくのを見送ってから、自分の家に帰る。




『神になりそびれた超力会話者よ、お前は大事なモノを失って死ぬだろう』

開口一番がそれだった。

とりあえず今の状況を説明しよう。

僕は帰宅して荷物を自分の部屋に置いて風呂場へ向かった。

風呂を済ませて着替えて自室に戻った。

俺の部屋にちっちゃいおっさんがいた。

で、テレパスがどうのとかおまえは死ぬとか言われた←いまここ

あまりの事に思考の追いつかない僕、とりあえずどこから突っ込めばいい?とゆうか俺の精神は正常だよな、自信なくなってくるんだけど。

とりあえず突然現れたちっちゃいおっさんにアーリマンよろしくしのせんこくを貰った訳だが。

『えっととりあえず僕はどうしたらいいんでしょう』

ダメ元で尋ねてみる。

『これは警告だ、未来を変えたいなら力に目覚めるんだ、一刻も早く』

なんだ、僕は実は特別な力があってなんかこのままだとやばいから早く能力に開花しろって事でいいのかな、しかしなんでちっちゃいおっさんなんだ…。



『…んぁ、夢?』

目を覚ますと自分の部屋の天井が広がっていた、今のは夢か、まあそうだろうな。僕は普通の高校生、僕は現実の世界に帰って来た、ほんと良かった。


この時の僕はまだ気づいてなかったんだ、僕の日常に放たれたしのせんこくのカウントが、もう0にほど近くなっている事を---

アーリマンはトラウマ。


あなたはちっちゃいおっさん、見たことありますか?

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