第19話:メイドの刃 / Die Klinge des Dienstmädchens
真っ黒なアーマギアを纏い、コンラートが迫る。
リディアが拳を構え、踏み出した。
「ニーナさん!」
胸の中はひどく澱んだまま、けれど戦わないという選択はできない。
〈エレナント〉の力を解放し、ブローチを手の甲に装着する。
魔導陣から赤い閃光が迸って、拳を打ち出すリディアの体を深紅のアーマギアが覆った。
リディアの拳をコンラートが躱す、黒い甲冑は影のように素早く側面に回り込んで、片手で、下段に剣を構えるような仕草を見せた。
装甲が開く金属音が響き、その手から光が噴き出す。
光は刃の形を成し、コンラートは、それを容赦なく振り払った。
「ッ!?」
高圧力の魔導エネルギーを一定方向へ束ね噴出させる鋭い光刃。
寸前で上体を仰け反らせてリディアが回避、そのままバク転して距離を取る。
「まずまずですな」
姿勢を戻したコンラートが、漆黒のフルフェイス・シールドの向こうでそう呟いた。
彼の振り抜いた前腕の内側、手首のすぐ下の装甲が閉じる。
彼の言った言葉はおそらく、躱したリディアに向けたものではなくアーマギアの出力についてなのだろうが、彼女の闘志を燃やすには充分だった。
「ハッ!言ってくれますわね!」
石火の如く、リディアが再び距離を詰める。
そこから至近距離での打ち合いが始まった。
次々と打ち出すリディアの拳を、弾き、躱し、光の刃が煌めく。
そこにいるコンラートは、穏やかな笑みを絶やさない優しい執事ではない、ニーナの知る彼とは遠くかけ離れた、老練の兵士だ。
得物こそ違えど、その身のこなしは叙任式で見たヘレーネの闘い方によく似ている気がした。
最小限の動作、相手の死角を読み、攻撃に打って出る時には既に反撃に身構えている。
これまで闘ったジークフリートやカミロも手練れではあったが、彼らとは明らかに違う。
身を退いたと言えど軍役だったコンラートの体には、ヘレーネから叩き込まれたのであろう、確実に相手を仕留めるための闘い方が染み付いているのだ。
コンラートの一閃したエネルギー・ブレードがリディアのアーマギアを走った。
冷徹な光の切先が装甲を容易く削り取り、赤熱した爪痕を刻み付ける。
「痛っ!」
火傷のような痛みが走って思わず声が出た、幸い装甲が貫通されることはなかったが、悲鳴が聞こえてしまったのか、僅かにリディアが緊張を走らせたのを感じた。
咄嗟にセラフィーナを見てしまった、白く冷たい光が影を落とす彼女の表情からは、何も窺い知ることはできなかった。
そして思い知る。
彼女がどれほどの裏切りを感じ、そしてその感情に、彼女自身がどれほど苦しんできたのか。
彼女が望むべくもなかった人生、恵まれていながら使命や責任から目を背け続けるニーナに対して、仄暗い羨望や怒り、あるいは失望を、セラフィーナは募らせ続けていたのだ。
その思いはついに、彼女をこんな闘いの場にまで駆り立ててしまった。
そしてセラフィーナは、それをここで確実に断とうとしている。
覚悟を宿した彼女の瞳が、鈍色の光を放った。
「コンラートさん___ッ!」
セラフィーナがブローチを装着した手のひらを正面へ向け、コンラートの腕に光が走った。
強力な攻撃の気配に、リディアがブローで牽制。
黒いアーマギアは潜るようにそれを躱し、アウトサイドへと回り込みながら、脇の下に腕を構える。
その腕の装甲が音を上げて開いた。
「!」
回避は間に合わない、コンラートの打ち出した掌底がリディアの胴体を捉える。
刹那、閃光と衝撃。
開いた腕の装甲から撃ち出した高圧の魔導エネルギーの砲弾が、リディアの体をはるか後方へ吹き飛ばした。
「ああぁ"ッ!?」
貫かれたような激しい痛みが、全身を突き抜ける。
ニーナはたまらず体を抱いて膝から崩れ落ちた。
「ぅぐ、ふ……ぅッ」
呼吸すらできなくなるほどの痛みに顔が引き攣る、脂汗がどっと溢れてきた。
リディアは受け身を取って立ち上がったが、一撃を食らった脇腹の装甲は砕けていた。
「加減が必要でしたかな」
凍えるような低い声で、コンラートがそう言った。
リディアは一瞬こちらを伺ったが、すぐに視線を切ってコンラートへと向き直る、再び拳を構え、駆け出した。
「私の〈エレナント〉を、あまり見くびらないことですわねッ!」
火花が散り、のっぺりとした黒い影を纏うアーマギアの腕から、魔導エネルギーの白刃と弾頭が、交互に迸る。
「……っ」
ニーナの視界は滲んでいた、無論、痛みだけが理由ではない。
無機質な訓練ルームの照明が目の中でぐちゃぐちゃに反射するせいで、顔を上げてもほとんど何も見えなかった。
(泣くな……っ、私が泣いたって……セラフィーナの闘いは終わらない!)
拳を握りしめる。
歯を食いしばって立ち上がった、どこが痛いのかも分からないほどの激痛が体中を駆け巡った。
脚も震えている、鼓動が早まって息苦しい。
だが、うずくまったままでいたって、もう誰も、抱き寄せてなんてくれない。
甘やかで優しい香りのする彼女の胸の中で慰めてもらうばかりだった自分ではない。
その相手がリディアに代わっただけだと思われないためにも、自分はここで、絶対に勝たなくてはならない。
「……ッ」
〈エレナント〉の果たすべき使命、その何たるかを理解できていなくとも、向き合うと決めた。
逃げてばかりの、誰かに甘えていい自分ではない。
今この場に立つのは、後ろ向きな自分に決着をつけると覚悟を決めた自分なんだ!
それをセラフィーナに示す、掲げるこの拳は小さくたって、セラフィーナの思いを受け止め背負うに足るのだと、彼女自身へ示す。
湛えていた涙が目尻から溢れ落ちた、だがその一滴で、歪んでいた視界は形を取り戻す。
ニーナは、力強く叫んだ。
「セラフィーナの気持ちも、ちゃんと背負って___私が、前に進むからっ!」
ブローチが手の甲で光を増し、ニーナの瞳が僅かに赤い光を放つ。
カミロ達と戦った時と同じだ、集中しろ、如何な攻撃だって、その気になればアーマギアは必ず全てを防ぎきる。
「リディアさん!」
彼女の名を叫んだ、それだけでニーナの考えを覚ったのか、あるいはアーマギアを通して胸の高鳴りが伝わったのかもしれない。
光刃を振るうコンラートへ、臆することなくリディアが突っ込む。
横薙ぎに迫る光の刃を、リディアが前腕をぶつけて防いだ。
「う……ッ!」
魔導エネルギーがアーマギアの装甲とぶつかり、火花が噴き上がる。
腕に激しい痛みが走った、それを必死に押さえつけながら、ニーナはリディアの拳に意識を向ける。
そのまま腕を振り払ってエネルギー・ブレードを弾き返し、深紅のアーマギアが拳を打ち出す。
対する漆黒のアーマギアもまた、即座に反対の腕から掌底を突き出した、その掌の下で、装甲の開口部が光を放つ。
「……ッ!」
鈍い金属音を上げ、衝撃が突き抜ける。
リディアの拳とコンラートの掌底が、互いのフルフェイス・シールドを同時に捉えた。
間髪入れず、コンラートの腕が高圧のエネルギー弾を撃発、リディアの頭部が眩い光に包まれる。
首をもがれるような激痛と脳を揺さぶる振動がニーナを襲う。
全力で踏ん張った、そうすればリディアは倒れない。
「ッ!?」
リディアが、いや、ニーナが一撃を耐えたことにコンラートが驚愕を露わにする。
握りしめた拳を掲げ、リディアと同時に思い切り振り抜いた。
「ぐぅッ!」
コンラートの体が大きく仰け反った。
今なら捉えられる、リディアは間合いを詰めながら大きく体を揺らすようにもう一歩踏み込んで、反対の腕から拳を振り下ろす。
その一撃もコンラートの頭部を殴打、そこから、重心を左右へ入れ替える振り子のような動きで、怒涛のラッシュを叩き込む。
しかし、コンラートはタイミングと間合いを読んでバックステップ、リディアの拳が空を切る。
黒いアーマギアが掴みかかるように手指を広げて掌底を突き出した、見切って、拳を引きながらリディアがダッキング、屈んだ姿勢のまま上体をさらに引き絞り、決着の一撃を放つ。
鉄床が音を上げてひしゃげるほど力強く踏み込み、打ち出した拳に大気が唸る。
黒いアーマギアのボディへと抉り込む鉄拳、凄まじい衝撃に空間すら弾け、波打った。
「___ッ!」
そして、リディアはその拳を全力で振り抜いた。
砕けた装甲の黒い破片が宙を舞い、アーマギアに覆われた体が軽々と吹き飛ぶ。
床に打ち付けられたコンラートは、そのまま数メートルほど転がった。
「はぁ……はぁ……っ」
座り込んで息を吐くのはセラフィーナだ、離れた場所で仰向けになる彼女の〈ベアラー〉は、甲冑が光になって弾けた。
「さっきの言葉、お聞きになりまして?セラフィーナさん」
「……ええ。はっきりと」
光を失ったブローチを装着した手を、胸の前で祈るようにセラフィーナが合わせる。
「セラフィーナは……幸せに思います」
その瞳から溢れた涙がひとつ、光の筋を作った。
「大きくなられましたな、お嬢様」
穏やかなコンラートの声、起き上がった彼はセラフィーナの傍らに片膝をついて彼女を支えた。
決着はついたのだ。
「セ、セラ……フィーナ……」
リディアのアーマギアを解除して、よたよたとふらつきながら歩み寄る。
崩れるように座り込むニーナが、その顔を覗き込んだ。
「ごめんなさい、私が……」
やっとそれだけ呟くと、セラフィーナは、疲れを滲ませながらもようやく以前のような柔らかな笑顔を見せてくれた。
「決してお嬢様のせいではございません。これは、私の……私の心の、問題だったのです」
「……」
「でも私だけでは……どうすることもできませんでした。お嬢様のお手を煩わせてしまったこと、本当に申し訳ございません」
そう言って弱々しくセラフィーナが頭を下げる。
ニーナは胸が締め付けられる思いを噛み殺して、首を横に振った。
「セラフィーナ……私……」
「抱きしめさせて頂けませんか」
言われて、迷わずその胸に顔をうずめた。
闘いの後だと言うのに、セラフィーナの胸の音は穏やかだった。
「ヘレーネ様が、お待ちです」
「見事だった、ニーナ」
訓練ルームを出ると、廊下の向こうからヘレーネがそう言って姿を見せた。
「疲れているところ悪いが、さっそくついて来てくれ」
ダウンライトの照らす、ダークオークと黒の大理石の廊下を歩いて、またエレベーターへ。
数字がどんどん下るのを眺めていると、隣のリディアが抱き寄せてくれた。
少しだけ彼女に体を預けて疲れを癒す、しばらくもせずエレベーターは地下5階を表示して止まった。
「随分な場所ですわね、ろくな予感がしませんわ」
地下は局員のみしか立ち入れないからか、地上階とは違って飾り気のないコンクリートや金属質むき出しの廊下が続いていた。
その奥のオートマチックドアの認証をヘレーネが解除して、彼女に続いて中へ入る。
液晶端末やキーボードが並び、書類が雑多に散らばる薄暗い部屋、奥はガラスをはめ込んだ大きな窓になっていて、白い照明に照らされた狭い空間が見えていた。
そしてその空間の中央には人の腰ぐらいの高さの台があって、その台の上に横たわったものを見たニーナは、息を詰まらせた。
「こ、これは……?」
「何に見える」
ヘレーネが神妙な声でそう言った。
改めて観察してみると、それが、頭部、胴体、四肢を持つということが分かった。
だが、金属のような質感を持つその外観や、全身に張り巡らされた管のようなものの異質さが、その存在を定義不能にしていた。
回答に窮するニーナに代わって答えたのは、リディアだ。
「何にも見えませんわね、形容できるものが私の知識の中にございませんわ。ただ、強いて言うのなら___機械」
「良い見立てだ」
後ろでドアの開く音が聞こえて、優しげな男性の声が聞こえた。
振り返ると、車椅子に乗ったシャドーストライプのダークスーツに身を包む男性がいた。
痩せ型ながらも肩幅のある体躯は座り姿勢でも大柄な印象で、豊かな顎髭を蓄えたその男性のことはニーナも知っていた。
軍務局長官にしてリディアの父、ヘルベルト=フォン=ヴァルクライネ伯爵だ。
「は、伯爵様……!あぅ、えっと……っ」
「ご機嫌よう、リリエンタール嬢。娘がお世話になっているね。こんな場所だし、君も疲れているだろうから、正式なご挨拶はまた日を改めて」
「あ、えっと……はい」
伯爵を前にして緊張からまごつくニーナ、訓練ルームの窓に見えた人影がヘルベルトだったことにようやく思い至る。
「ご機嫌よう父上。こちらは何なんですの?」
ガラスの向こうに横たわる異形を目で差して、リディアが父へ尋ねた。
「僕達にも詳細は分からない。先日、リヒターハーフェンの港湾区で騒ぎがあってね、こいつはその時の犯人さ。現場に当たった警務官から要請を受けて軍務も人手を出した程だ。鎮圧後は警務局に引き渡して、それが今日、戻ってきた」
「かなり手を焼かされた相手だ、対戦車砲十六発を撃ち込んで、ようやく鎮圧に成功した」
ヘレーネの言う通り、その異形の体には丸く凹んだ大きな痕や裂傷のような抉れた痕が無数にあって、戦いが如何に熾烈を極めたのかを暗に物語っていた。
「はじめて聞きましたわね。そんなことが?」
「いろいろあってね。情報局には黙っていてもらったのさ」
「黙らせていた、の間違いでしょう?」
リディアのその言葉に軽く笑みを浮かべながら、ヘルベルトが車椅子の肘掛けを操作する。
すると、ガラスに書類データが表示された。
「……読むといい、警務局からの報告書だ」
警務局のサインはニーナの父、レナードのものだった。
それに内心驚きながらも、びっしりと文字の並ぶそのドキュメントに目を通してみる。
闘いの後の疲れた頭では到底、全て読む気にもなれず、斜め読みしようにも並んだ単語の難しさで内容はさっぱりだ。
リディアを見ると、彼女は指を顎に乗せて、睨むように凝視していた。
「魔導義装……?」
彼女が言った。
「何ですか?リディアさん」
「こちらの文章の中にある言葉です。確か……帝国で流行っている、人体の一部を機械で置き換える技術だったと記憶していますが」
「じ、人体の一部を……置き換える……?」
「その通りだ。さすが、ひとの名前で旅行に行っただけのことはあるな」
ヘレーネが横目でリディアを見やった。
以前聞いた話では、リディアはひとりで魔導列車に乗り帝国へ赴いたことがあるとのことだった。
ニーナに馴染みのない言葉を知っているのは、そうした体験もあるからなのかもしれない。
「元は帝国の医療技術のひとつだったものだ。内紛の絶えない国が故、手足のひとつやふたつ、失うようなことは向こうじゃ決して珍しいことではないからな」
「かつては大掛かりな設備が必要だったと聞きましたが、その技術が普及、拡大して、今ではスラムの技師ですら施術ができるそうですわね」
「ですが、その技術とこちらは……」
表示されたドキュメントデータの向こうに薄っすらと見える異形とを見比べるニーナ。
ヘレーネが答えた。
「こいつから、その施術の痕跡が見つかったそうだ。それが警務局からの報告だ。魔導義装を公国は認めていない。帝国から来たと見て、間違いないだろう」
「あの夜、おばさまが現れたのはこれが理由でしたのね?」
リディアと契約を交わした、あの夜。
闘いの騒ぎが大きくなって、通報に駆け付けたのはヘレーネの引き連れた軍務局だった。
本来、そうした際に現れるべきは警務局のはずだ、その代わりが軍務の将ともなれば、言われてみると違和感がある。
「そうだ。事件の後始末も片付いていない頃だったからな、よもや二体目が現れたのか、とな。実際、警務局のほうはその線を睨んで捜査を進めている」
「この件についてはトップシークレットだ、元老院でも対応に困っていてね」
「そんなものを……どうして……」
「僕達は、これの背後に帝国の何かが絡んでいると見ている。大公戦が公示され、ただでさえ国内は緊張状態。この上、こんなものまで現れたとなれば、情勢は悪化の一途だ」
「……話が見えてきましたわ。要するに、有事に備えて体よく使える〈エレナント〉と〈ベアラー〉が必要ということですわね?おあつらえ向きに、私たちは軍務局と警務局、双方の高官の娘ですもの」
リディアがそう言って振り返った、視線の先にいる彼女の父は、満足そうに顎髭の下で口角を上げた。
「さすが僕の娘だ。もの分かりが良くて助かるよ」
「やるとは言ってませんわよ?」
そう返すリディアだが、ヘレーネが即座に否定した。
「いいや、公国憲章に則って、悪いが拒否はできんぞ」
「大公位を除く公国の〈エレナント〉と〈ベアラー〉は、上院議席を有する貴族からの有事に係る要請には応じなければならない……でしたわね」
肩を竦めてため息を吐くリディアが、腕を組みながらニーナを見つめる。
「どうしますか、ニーナさん」
「父は、なんと……」
「車で話した通りだ、ニーナ。男爵殿はご了承下さっている」
「……」
自分を取り巻く環境は確実に、そして大きく、変わりつつある。
と言うよりも、セラフィーナのことも含め自分が知らなかったこと、以前の自分からは見えていなかったことが、少しずつ目に入るようになり始めていた。
その変化は渦を巻くように自分を取り込んでしまって、ニーナはまだ自分の足で立つことの難しさを感じている。
今だって、父であるレナードが自分をどう思っていて、そして、この件に自分を関わらせるというヘルベルトとヘレーネの判断をどう考えたのか、それを気にしてしまう。
だが、この場ではニーナ個人の意思を確認されている。
公国の貴族として、〈エレナント〉として、その立場や役割を考える、良い機会になるかもしれないと、ニーナは重々しく頷いた。
「……分かりました」
「ありがとう、リリエンタール嬢。余程のことがない限りは君達を頼ることはない、極力、僕の力が及ぶ範囲で片付けるから安心してくれ」
「はい」
「要件は以上だ、長々とすまなかったな。ついて来い、帰りの車へ乗せてやる」
外套を翻すヘレーネの後について、部屋を後にする。
オートマチックドアを出る直前、もう一度だけガラスの向こうで横たわる機械のような異形を振り返るニーナ。
公国に迫る不吉な影の気配に、胸騒ぎを抑えられなかった。




