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丸山順子から連絡がきた。
あの村のことかはわからないが、奇跡の子を巡って殺し合いがあったという噂を聞いたらしい。
正確なことはわからないが、関係があるんじゃないかと思って連絡をしてくれたそうだ。
カラコロカラン
「リンちゃん…やっぱり、影宮恭次朗は亡くなってたかも」
「…何かわかったのか?」
「うん…。あの村で亡くなったのは32人でそのうち4人が子供だったらしいんよ…。んで、檻の中で子供が1人亡くなってるのが確認されたっぽいんよね…」
「…正確な情報だな」
「まぁ…ね。1人以外は全員あの檻があった家屋の中で亡くなってたらしくて…燃えちゃってて死因がわからなかった人もいるらしいんだけど…わかった範囲では一酸化炭素中毒の人と失血死だったみたいなんよね…」
「…そうか。丸山さんから連絡があって、奇跡の子を巡って殺し合いがあったという噂を聞いたところだ…もしかしたら、本当にあったのかもしれないな…」
「そうなんだ…」
「…それで、一人以外はと言ったな?その方はどこで亡くなっていたんだ?」
「…うん。村の中で亡くなってたらしい…元々心臓が悪かったらしくてさ…心臓発作で亡くなったみたいなんよね…それが、森田茂さんだったんよ…」
「…そうか」
「火災の原因はストーブだったらしいんだけど…それが燃え移って村全部焼けちゃったらしいね。森田さんは火事から逃げたところで持病が悪化して亡くなっちゃったみたいなんよね…森田さんも村の人達も全員亡くなってて…失血死の人達もいたりとか、何で火事が起こってるのに逃げなかったのかとか…結局、何があったのかまではわからんかったんよね…」
「…檻の中で亡くなっていた子供は影宮恭次朗で間違いなかったのか?」
「うーん…。それがさ、身元がわかる人もいれば、わからんかった人もいてさ…その子も全身燃えちゃってたみたいで…身元はわからなかったけど…多分、そうなんじゃないかなって感じらしいんよ…」
「…そうか」
僕はタバコに火を灯し、コーヒーを入れる。
「…山村さんに聞いたのか?」
「へ?い、いや、なんで?」
「…僕に黙って、違うことも調べてたんだろ?」
「い、いやいや!そんなんするわけないじゃん!」
「…顔に書いてあるぞ」
「え?マジで!?」
橘は急いで鏡で自分の顔を確認しに行った。
柚葉さんが言っていたことは、
こういうことだったんだろうか?
「いや!リンちゃん!顔に書いてないじゃん!」
「…例えの話だろ」
「んだよ…それ…」
「…それで、山村さんと一緒に何を調べてたんだ?」
「いや、それは…」
「…橘が言ったんだろ?僕と橘の仲なんだ。子供の頃からずっと一緒にいるからわかるって…なんかあったら話せって言ったのは橘だろ?」
「…そうだけどさ」
「…鈴の子。それで僕が奇跡の子なんじゃないかって思ったのか?」
橘はビックリした顔をしている。
本当に思っていることが表情に出るやつだな…
「…僕に不思議な力なんてないからな」
「うん…。黙っててごめんな。鈴の子って聞いた時にさ…何かリンちゃんなんじゃないかって…勘なんだけどさ…思ったんよね…ほらさ!じいさんの息子になる前のリンちゃんのことは知らないわけじゃん!聞きたいって思ったこともないし!でも、もし…もしもさ…リンちゃんの触れられたくない過去に関係あるんならさ…俺はリンちゃんの意思を優先したかったんよ…楓ちゃんには悪いけどさ…俺は…リンちゃんの方が大事だかんさ…だって、リンちゃんは俺の家族みたいなもんじゃんか!」
「…そうか」
「うん…。それで、美咲ちゃんにも頼んでさ…調べてもらったんよ…そしたらさ、やっぱり影宮恭次朗は亡くなってるっぽいってのがわかって…あぁ、リンちゃんじゃなかったんだ!って思って…人が亡くなってるからこう思うことがいい事じゃないってことはわかるんよ?でも、ホッとしたんよね…リンちゃんじゃなかったって…よかったってさ」
「…悪かったな」
「何でリンちゃんが謝るんよ?悪いことなんてしてないじゃんか!謝るのは俺だよ…黙ってコソコソしちゃってさ…ごめんな」
「…僕もじいちゃんの息子になるまでのことは…覚えてないことの方が多いんだ…でも、僕は影宮恭次朗ではないよ。それだけは断言できる」
「そっか…。うん!話してくれて、あんがとな!」
「…いや、気を遣わせて悪かった」
「何言ってるんよ!リンちゃんは俺のダチで家族じゃん!大事に思うのは当たり前っしょ!リンちゃんだって俺らのことそう思ってるのわかってんだからな!」
僕は何も言わず、天井に煙を吐き出した。
「そういうことを直接言えんくても、わかってるからさ!リンちゃんって恥ずかしがり屋だかんな〜」
「…うるさいな」
「そして、ツンデレってやつ?」
橘は笑顔でそう言った。
ため息をついてから、コーヒーを飲む。
「とりあえず、楓ちゃんに教えてあげなきゃな〜。でも、亡くなってるって知ったら悲しむよな…」
「…そうだな」
「でも、俺らが調べられるのもここまでだよな?」
「…そう…なのかもしれないな」
「うし!じゃあ、楓ちゃんに連絡しなくちゃ!丸山さんにも教えなくちゃだな!」
僕は何も言わず、天井に煙を吐き出した。




