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カラコロカラン


「やっぱ、ダメだわ!全然わかんね〜」


橘は入ってくるなり、カウンターでぐで〜っとした。


「…そんなすぐにわかるわけもないだろ?」

「いや!そうなんだけどさ!少しぐらいは手掛かりとか掴めるかな〜って思ってたけど…全然、ダメ!マジでわかんないわ!」

「…まぁ、そうなるだろうとは思っていたよ」

「そういうリンちゃんは何やってたんよ?」

「…そうだな。そういうことに詳しそうな人から話を聞こうと思ってな…」

「そういうことに詳しそうな人?」


僕はコーヒーを淹れて、タバコに火を灯す。


カラコロカラン


「あ、あの…」

「…住岡さん、来てくれましたか」

「は、はい。その奇跡の子の話をしてほしいと聞いたんですけど…」

「…そうです。今からオカルトに詳しそうな方に来てもらいますので、覚えている限りでかまいません。お話してくださりますか?」

「は、はい。わかりました」


住岡楓は橘にこっちに座りな〜と声をかけられ、

ソファに座った。


「んでさ!オカルトに詳しそうな人って誰なん?」

「…以前、会ったのを覚えていないか?」

「んー?そういうことに詳しそうな人なんていたっけ?」

「…覚えてないなら別にいいよ」

「んー、いや、マジで誰だっけ?」


橘は本当にわからないようだ。


カラコロカラン


「探偵さんいる?」

「あれ?丸山さんじゃん!久しぶり〜!」

「あー、橘さんね!久しぶりじゃない」

「日村さんとは仲良くやってんの〜?」

「もちろんよ!たまに仕事も手伝ってくれたりして、本当に心配症なんだから!」


彼女の名前は丸山順子。彼女はオカルト関係の仕事をしているらしく、事故物件に住み、怪奇現象を撮りたいと思っていた変わった人だった。以前、彼女と交際をしている日村孝介から丸山順子が幽霊から追いかけられて二階から転落したことを調べてほしいと依頼された時に出会った人だ。


「それで、探偵さんから少し話は聞いてるけど、奇跡の子について知りたいんだって?」

「…そうです」

「ふーん。そういう話に興味なさそうだと思ったけど…意外と興味あるのね?」

「あー、俺らさ!今、奇跡の子を探してるんよ!」

「はぁ?あんた達、バカなの?奇跡の子を探してる?そんなん見つかるわけないでしょ?」

「えー!そこまで言わんでもよくね?」

「はぁ…それで話が聞きたいってことだったのね…」


丸山順子はため息をついた後、住岡楓に気付いた。


「彼女は?」

「…彼女は住岡楓さんです。彼女は奇跡の子に病気を治してもらい、その感謝を伝える為に探しているそうでして…」

「は、初めまして、住岡楓です」

「初めまして、丸山順子よ。貴女は本当に奇跡の子に会ったことがあるの?」

「は、はい…。子供の頃にですが…一度だけ…」

「探偵さん…。これは面白い話ね!」

「…そうですか」


丸山順子はソファに座り、住岡楓に話しはじめた。


「ごめんなさい。私はオカルト関係の仕事をしているの。だから、貴女の話を詳しく教えてくれないかしら?もちろん、私が今まで調べた奇跡の子についての話も教えてあげるから。いいかな?」

「は、はい!ですが…その…微かにしか覚えていないのですが…」

「もちろんそれでかまわないわ!実際に会った人の話を聞くのは初めてなのよ。今までは実際にいたのかどうかなんてわからなかったけど…貴女から話を聞けば、何かわかるかも知れないでしょ?覚えている限りでいいの。教えてくれる?」

「わ、わかりました!」


住岡楓はそう言ってから、

僕たちに話してくれた話をしてくれた。

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