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コンコンコン
「お客様…申し訳ありません」
「はいはーい!」
俺は扉を開けると受付にいた人が立っていた。
「あれ?どしたんすか?」
「いえ、一緒にお泊りのお客様が喫煙者の方だとお聞きしまして、灰皿をお持ちしました。室内は禁煙になりますが、ベランダでならタバコを吸われてもかまいませんので…」
「あっ!そーなんすね!」
ベランダを見るとテーブルとイスが置いてある。
なるほど!あそこでならタバコもいいってことね!
「わざわざ、すいません!持ってきてもらっちゃって」
「いえいえ、こちらが確認をしておりませんでしたので…もう少しでお食事のご用意ができますので、一階にある食堂までいらしてください」
「わかりました」
「では、失礼し「すんません!」
遮って声をかけてしまったから、
どうかされましたか?と聞かれた。
「あー…多分なんすけど…一人分食事はいらないと思うんすよね〜」
「そうなんですか?誰かお気分が優れないのでしょうか?」
「あー!いやいや!違うんすよ!今、タバコ吸いに行ってるリンちゃんなんすけど…コーヒーしか飲まないんすよ…外食とか苦手っていうかなんていうか…」
「…そうなんですね」
「まぁ、本人が先に言うのが筋だとは思うんすけど…多分、食べないだろうから、準備してもらうのも悪いなって思って…すんません」
俺が頭を下げるといえいえ!と手を振って、
笑いながら話してくれた。
「教えていただき、ありがとうございます。コーヒーは飲まれるのですよね?でしたら、お部屋に置いてあるポットでコーヒーを飲めるようにしてあるのですが、少し多めにご用意いたしますね」
「えっ?いいんすか?」
「もちろんです!ご本人様にもこちらから確認させていただきますね」
「ありがとうございます!あっ!隣の部屋には俺から食事のこと伝えとくんで!大丈夫っすよ!」
「そうですか。でしたら、お願いいたします」
「わかりやした!」
「お願いしますね。では、失礼します」
彼は笑顔で頭を下げてから立ち去っていった。
めっちゃいい人やん!
彩花ちゃんから変な噂を聞いてたから、
もしかしてとか考えてのがバカらしく思った。
俺はベランダに灰皿を置いてから、
隣の部屋に行き、扉をノックした。
コンコンコン
「みんな〜!いる〜?俺だけどさ〜」
「あっ!ちょっと待ってくださいね!」
「ほいほーい!」
少し待つと栞ちゃんが扉を開けて、
中に入れてくれた。
「なんか、受付の人がきてくれてさ!もう少しで食事の用意ができるから、一階の食堂に来てくれってさ!」
「そうだったんですね!」
「うん!てかさ、この後の予定とかどうなってるん?」
俺が聞くと、史華ちゃんが教えてくれた。
「明日撮影がありますので、今日は特にはありませんかね?撮影スタッフの方々も明日には到着しますので…」
「へー、そうなんだ」
「私達はお仕事がありますが、橘さん達は基本的に自由にしてもらってかまいませんよ」
「あの…撮影を見させていただくことはできるんですよね」
「シオリン!当たり前でしょ〜!シオリンは勉強になるかな〜って思って誘ったのに、見ちゃダメなんて言わないよ〜」
「雨宮さん、もちろん大丈夫ですよ!」
「よかった〜」
「栞ちゃん!よかったね!」
はい!と栞ちゃんは嬉しそうに笑っている。
「そうなのね〜。じゃあ、私はのんびり過ごそうかしら」
「コーヒー大好きっ子はいつものんびりしてんだろ!」
「あら?そうかしら?」
「橘さん!神影さんはどうしたんですか?」
「ん?リンちゃん?リンちゃんはいつも通りだよ」
「そうなんですね!じゃあ、私!ご飯ですよ〜って迎えに行こうかな〜?」
「あー…行ってもリンちゃんは食べないっしょ」
「やっぱり…神影さんは食べないんですよね…」
彩花ちゃんが迎えに行こうかな〜って言って、
栞ちゃんが食べないんですよね…とションボリしている。
「んー?ほら!人それぞれ楽しみ方は色々あるっしょ?リンちゃんには違った楽しみ方があるんよ!だから、気にしないでよ!気にしたらリンちゃんが申し訳ないって思っちゃうからさ!」
「そ、そうですよね!」
「あ、あの…すいません。神影さんは食事を取られないのですか?」
「リンリンって食べないの〜?」
史華ちゃんとミサミサがどうしてだろうと聞いてきた。
「あー、そうなんよね〜」
「私は一人で食べるわよ?」
コーヒー大好きっ子がいきなりそう言った。
「えー!お姉様!一緒に食べようよ!」
「ミサちゃんごめんね。私は一人でゆっくり食べるのが好きなのよ。鈴だって同じようなものよ?だから、みんな自分がしたいようにするのが一番よ。一緒に食べたい人は食べて…一人がいい人は一人で…そうでしょ?」
「お、おうよ!それがいいよな!」
「えー!ミサはお姉様と食べたかったな〜」
「ミサミサ、楠木さんは一人がいいみたいだから、あんまり言いすぎると嫌われちゃいますよ!」
「むー!それは困る!わかったわよ!」
ミサミサは一緒に食べたくなったら言ってね!と、
コーヒー大好きっ子に言っているが、
頭を撫でられながらありがとね〜と言われている。
きっと、一緒には食べてくれないんだろうな〜
「よしっ!んじゃ!食堂に行こっか!」
俺達は一緒に食べる人だけで食堂へと移動した。




