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「こっちこっち〜!」
黒川美沙がビョンピョンと跳ねながら、
大きく手招きをしている。
「ごめん!ちょいと遅れちゃった感じ?」
「まだ大丈夫ですよ」
橘が謝ると高須史華が返事を返した。
「すごーい!本当にミサミサだ〜!!」
「君がシオリンのお友達なの?」
「ミサミサが喋った!」
そりゃ生きてる人間なんだから、
話ぐらいするだろう…
真島彩花は黒川美沙と会えて嬉しいようだ。
「わ、私は真島彩花って言います!」
「じゃあ、アヤヤンだね!」
「ミサミサにアヤヤンって言ってもらえたんだけど!ねぇ、栞!聞いてたっ!?」
「うん。聞いてたから!彩花テンション高すぎるよ!」
「だって、本物のミサミサだよ!テンション上がるでしょ!」
「そう言ってもらえたら、ミサも嬉しいな〜」
黒川美沙はアイドルスマイルで話していたが、
ツンとした表情で僕の方に歩いてきて、話しかけてきた。
「リンリンもちゃんと来たんだね!リンリンが来ないとお姉様が来ないところだったんだからね!」
「…そうですか」
「そうですかじゃないでしょ?もう!リンリンは…お姉様!来てくれてありがとう!」
黒川美沙は柚葉さんにキラキラした瞳で、
嬉しそうに話しかけた。
「そうね〜。ミサちゃんがこんなに喜んでくれるなら、来てよかったかもしれないわね〜」
そう言って、黒川美沙の頭を撫でている。
ほら、また尻尾があったらフリフリ揺れているようだ…
「楠木さんってミサミサと仲がいいんですね!」
「そうね〜」
「楠木さん、申し訳ありません。うちのミサミサが…」
「いいのよ〜。史華ちゃんだったかしら?」
「はい。ミサミサのマネージャーの高須史華です」
「今日はお誘いしてくださって、ありがとうね〜」
「いえ!ミサミサが喜びますので、来てくださりありがとうございます」
柚葉さんと高須史華が話しているが、
その横を通り過ぎて、橘に話しかける。
「…この船に乗るのか?」
「んー?そうみたいよ〜」
僕は大きな船を見て、喫煙所はあるのだろうかと、
考えてしまった。
「神影さん!何考えてるんですか?」
真島彩花が隣に来て、話しかけてきた。
「…いえ、特には」
「鈴のことだから、喫煙所があるのか心配してるんでしょ?」
柚葉さんは僕の心の中が読めるのだろうか?
「あー、リンちゃんならありえるな!史華ちゃん!この船の中って、喫煙所あるん?」
「え?えーっと…たしか、あったと思いますけど…」
「そうなんだ!じゃあ、安心やね!中に入ってから聞いてみたらいいんじゃね?」
「…そうだな」
それじゃあ、行きましょうか!と高須史華が言って、
僕たちは船の中へと入った。




