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「リンちゃん…本当に大丈夫なん?」
「…心配かけて悪いな」
あれから僕は橘に助けられた。
事務所に僕が倒れている場所の地図が置いてあり、
応急処置もされている状態で見つかった。
目覚めた時には橘が事務所に運んでくれていて、
痛みはあるが、なんとか動ける状態だった。
「もうちょいケガが治ってからでもさ…」
「…その間に何があるかわからないだろ?」
「そうなんだけどさ…」
「…柚葉さんのお願いはどうにかしてほしいだったろ?まだ何も出来ていないじゃないか」
「まぁ…そうね。でも、本当に行くん?」
車を運転しながら、橘が聞いてきた。
榊原家の屋敷に向かいながらも、
僕の心配をしてくれている。
だが、橘も柚葉さんが心配なのだろう…僕を心配しつつも柚葉さんを助けたいという思いは伝わってくる。
「…ああ。僕には優秀な助手がいるからね」
「…わかったよ!じゃあ、気をつけるんよ!」
「…わかってるよ」
榊原家の屋敷前についた。
行ってくると橘に伝えてから、車を降りた。
榊原家の屋敷の前には大きな男、聡太が立っていた。
「…聡太さんでしたね?叱られて立たされているんですか?」
僕がそう声をかけると、驚いた表情をした後に
馬鹿にしたような表情でこう言った。
「何だ?殺されたかったのか?オババ様が殺すなと言ったからその程度で済ませたが…殺されたいなら殺してやるぞ?」
「…殺されたくはありませんね。それで、僕の質問には答えてくださらないのですか?」
「ふん!何だって?」
「…今、聞いたじゃありませんか。叱られて立たされているんですか?学校じゃあるまいし…あぁ、叱られて締め出されてしまったんですね。教育によろしくないんじゃないですか?オババ・サマーさんに僕から話しましょうか?」
「貴様っ!バカにしているのかっ!?」
そう言って、額に青筋を立てながら胸ぐらを掴まれた。
「…馬鹿になんてしていませんよ。ただ純粋に質問をしているだけなのですが…。まぁ、いいでしょう。オババ・サマーさんに会わせていただきたいので通してもらえますか?」
「ふんっ!貴様は殺されなかっただけありがたいと思え!貴様なんぞオババ様に会わせるわけがないだろうっ!」
「…そうですか。それは困りましたね…」
そう言ってポケットから一枚の写真を取り出した。
「これは貴方が僕と柚葉さんを誘拐した時の写真になります。車のナンバーは榊原家が所有している車ですね?それに見てわかる通り、僕は暴行も受けています。現に暴行を加えようとしていますよね?」
胸ぐらを掴んでいる彼にそう言うと、
やっぱり、殺されたいようだな…と呟いた。
「…僕を殺しますか?そうなりますと、脅迫、誘拐、暴行、傷害に殺人が含まれますね」
「貴様を殺して証拠を消してしまえばわかるまい!」
「…簡単に証拠を消せるようにしていると思いますか?あまり警察を舐めない方がよろしいのでは?…万が一、殺された時の対処はしてありますよ…僕には優秀な助手がいますので…。オババ・サマーさんに会わせていただけますか?」
ふんっ!と言って掴んでいた胸ぐらを突き放すように離し、確認してやろうと偉そうに言ってから、奥に入っていった。
彼が不機嫌そうに戻ってきて、
お会いになられるそうだ、ついてこい!と言われ、
榊原家の屋敷の中へと僕は入った。




