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捨てられた私は祖母の家に引き取られた。
祖母の名前は楠木紅葉。
とても優しい人だった。
祖母は榊原家に嫁いだことを後悔していないと話していた。
もちろん望んで結婚したわけではないが…
「私にはね、好きな人がいたのよ」
祖母は笑いながら話している。
「その人はね。困っている人がいたら、自分のことなんてほったらかして助けちゃうような人だったの…。すごく優しい人でね…結婚しようって言われたんだけど…私の父がね、榊原家の信者だったのよ。私が榊原家に嫁がなきゃ、好きな人が殺されちゃうかもしれないでしょ?だから、私は好きな人を守るために結婚したのよ」
子供の私になんて話をしているんだろうと思った。
「柚葉にもね。いつか好きな人ができるでしょ?私は不幸だったなんて思っていないけど…柚葉には幸せになってほしいわ」
そう言って、私の頭を優しく撫でてくれた。
もう普通に生きていくんだって思っていたけど、
私の周りでは不思議な体験をする人が多かった。
そして、私もそうだ。
その事を祖母に相談したらこう言われた。
「柚葉には不思議な力があるのね。柚葉は嫌かもしれないけど、困っている人達を救えるのは柚葉だけなのよ?柚葉にはそういう力があるの。すごいことなのよ」
祖母が優しくそう言ってくれた言葉を信じて、
私は困っている人達の力になり続けた。
祖母が好きだった人に憧れたのだ。
だから、そうしているうちに気付けば、
霊能力者と言われるようになった。
「柚葉にはね。いつか必ず大切な人ができるわ。柚葉のことをわかってくれて…助けてくれる人がいるの。その人と幸せになった柚葉を見るのが私の夢なのよ」
そう話していた祖母も私が大人になった頃には、
病気で亡くなってしまった。
祖母が語っていた夢を叶えてあげることはできなかった。
私は一人になった。家族もいない、友人もいない。
ただ困っている人達を助ける日々。
そんなある日、私は鈴と出会った。




