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「リンちゃん!昨日はありがとね!マジで楽しかった!」
橘は雨宮栞のイベントが楽しかったようだ。
朝からハイテンションで話している。
…橘はいつもハイテンションか。
「さぁて!あれからどうなったん?」
「…さぁ」
「さぁって何だよ!リンちゃん調べるって言ってたじゃん!」
そうだったなと言いながら、タバコに火を灯す。
「いやいや、どうすんのよ!ばぁちゃんに何て話したらいいんよ?ねぇ!リンちゃんってば!」
「…うるさいな」
「うわっ!リンちゃんが毒吐いた!毒舌だ!」
ため息をつきながら、コーヒーを入れる。
コーヒーを飲みながら、煙を吐き出した。
カラコロカラン
「鈴、頼みって何?」
「…柚葉さん、待っていましたよ」
僕は柚葉さんにそう声をかけてから、
それじゃ、行きましょうかと話した。
橘はえ?何が?どゆこと?と話しかけてくるが、
返事を返さずに歩き出した。
「ここって…誰ん家?」
ピンポーン
静かにインターホンを押す。
「…はい」
「神影です。突然訪ねてしまい申し訳ありません」
「あっ!すぐに開けます!」
そう言ってからすぐに玄関が開いた。
「あれ?田口さんじゃん!」
「は、はい!ど、どうされました?」
「いえ、少しお部屋を調べさせていただきたいと思いまして…よろしいでしょうか?」
「は、はい!大丈夫です!」
田口進に案内され、家の中に入る。
「田口さんって今日はお休みだったんすか?」
「は、はい…」
「そうだったんすね〜」
部屋に案内されて大きな石を見つけた。
これか…そう思い触れると
チリン
左腕から鈴の音が聞こえた気がした。
僕はこの音が大好きだったが、
二度と聴きたくないと思うこともある。
僕の身体が僕の身体ではないような感覚。
触れた右手から先が熱いような、寒いような
不思議な感覚…
頭がクラクラして、立っていられなくなった。
「リンちゃん!」「神影さんっ!」
橘と田口進が僕の身体を支えてくれた。
「神影さん…すごい汗!」
「ちょっ!リンちゃん大丈夫っ!?」
「…大丈夫だ。柚葉さん、これが何かわかりますか?」
「そうね〜」
そう言って、柚葉さんは静かに見ている。
「こ、これが何かあるんですか?」
「田口さん!これってなんすか?」
「ち、父がパワーストーンを集めるのが好きで…これには神が宿ってるって言ってました。だから、大事にしろって言われてて…今でも飾っていたんですが…」
「…そうですか」
僕は二人にありがとうございますと伝え、
自分の足で立ち、柚葉さんに問いかける。
「柚葉さん…これをどうにかできませんか?」
「そうね〜…ちょっと難しいかもね」
「そうですか…」
「これって、箱がなかった?」
「は、はい!たしか…箱に入ってたと思いますが…」
「その箱ってまだあるかしら?」
「さ、探したらあるかもしれません…」
「そう…」
「田口さん!何かよくわかんないけど探そっか!」
「は、はい!」
橘と田口進は家の奥に入っていった。
「鈴は何でこれがあるって思ったの?」
「…そうですね。勘…ですかね?」
「ふ〜ん」
「まぁ、田口さんの親御さんが不思議な石を集めるのが趣味だとわかりまして…後は亡くなった理由を調べてて違和感があったんですよ」
「そうだったのね」
「交通事故だったんですが…運転している父親が突然、心臓発作が起こり亡くなっていたんです…」
「…そう。わかったわ」
自分の身体の感覚が戻ってきた。
息を整え、電話をかけた。




