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「タッちゃん!来てくれたんだ!」

「やっほー!カッちゃん!」

「ゆっくりしてってよ!」

「ありがとね!」


僕たちは四人で喫茶店に来ていた。

禁煙マークを見て、ため息をつく。


「栞ちゃんは何を食べんの?」

「うーん。どうしよっかな〜」


橘と雨宮栞はメニュー表を見て悩んでいる。


「神影さん!今日こそデザート食べましょうね!」

「僕は食べませんよ」

「えー!疲れた時は甘い物ですよ!」

「…そうですね」

「だから、一緒に食べましょう!」

「いえ、僕はコーヒーだけで大丈夫です」


えー!そんなこと言わずに!と真島彩花が言っているが

僕は返事を返さなかった。


コーヒーを二つ、デザートを二つ注文し、

店員さんが運んできてくれた。

僕はコーヒーを飲みながら、静かにしている。


美味しいと言って食べている三人を見ながら、

僕はタバコが吸いたいなと考えていた。


「やっほー!タッちゃん。俺も座っていい?」

「おっ!カッちゃんどうしたの?」

「今、休憩でさ。せっかくならタッちゃん達と話そうと思って」


いいよ!と橘が返事をして、

ありがとうと永野一幸は座った。


「あっ!ごめんね。突然、知らない奴が同席しちゃってさ」

「い、いえ…大丈夫です」

「俺は永野一幸。ここの店員なのは知ってるかな?」

「は、はい!知ってます!」


そっか!よかった〜と永野一幸は笑った。

お互いに自己紹介をして、楽しく話している。


「永野さんってモテますよね?」

「え?そうかな〜。よくわかんないわ」

「えー!だって、イケメンじゃないですかっ!?永野さん目当てでくるお客さんもいるって聞いた事ありますよ?」

「彩花ちゃん…それどこ情報?」

「噂ですけど!聞いたことあります!」

「そうなんだ〜。知らなかったよ」


静かにコーヒーを飲みながら聞いていたら、

真島彩花が小さな声で話しかけてきた。


「…私は神影さんの方がカッコいいって思ってますよ」

「…そうですか」


だから、何なんだろう?と思ったが、

僕は何も言わなかった。


「でもさ、タッちゃんの方がモテそうじゃない?」

「えっ!俺っ!?」

「うん。以外とファンの子とかいたりして〜」

「いやいや、それはないっしょ?」

「たしかに!橘さんもカッコいいもんね〜。ねっ、栞?」

「う、うん。私も…そう思うかな…」

「えっ!マジでっ!?」

「ほら!やっぱり!タッちゃんモテんじゃん!」

「いや、まぁ…嬉しいけどさ…」


橘は照れた表情をしている。

モテるとは好意的に思っている異性が多くいるということだろう。人の気持ちなんてわからないのにどう判断するのだろうかと、どうでもいいことを考えてしまった。


「タッちゃんも早く彼女作りなよ!」

「ちょっ!俺は…その…ってかさ!カッちゃんはどうなんだよ?彼女いるのかよ?」

「あっ!それ私も気になります!」

「えっ?俺?」

「永野さんは彼女いるんですか?」


三人に聞かれた永野一幸は困った表情をしている。


「いや〜。俺は彼女いないよ」

「そうなんですか!意外です」

「そうかな〜」

「俺もいるのかと思ってたよ」

「いやいや、いないから」


永野一幸はそう笑った後、そろそろ休憩時間終わるから戻るわ!ゆっくりしていってよと言って店の奥に入っていった。

橘がそっか!残りも頑張って!と言い、

四人はお互いに笑顔で手を振り合った。


「橘…僕はもう帰っていいかな?」

「えっ?リンちゃんどうしたん?」

「荷物は橘だけで充分だろ?」

「いや…まぁ、そうだけど…」

「じゃあ、後は頼んだ」


僕は後のことは橘に頼み、席を立った。


「雨宮さん、真島さん。後は橘に頼みましたので…申し訳ありませんが、ここで失礼します」

「えっ!神影さん待ってくださいよ!」


真島彩花が何かを言っていたが、

僕は軽く頭を下げ、会計を済ませて店を出る。

デザートっていい値段するんだな…


事務所に戻り、コーヒーを淹れて

タバコに火を灯す。


やっとでタバコが吸える…

天井に煙を吐き出しながら僕はそう思った。


カラコロカラン


柚葉さんが何も言わずに入ってきた。

僕はタバコの煙を吐き出しながら、

カウンターに座る柚葉さんを見ていると、

ニコニコ笑いながら、話しかけてきた。


「鈴?コーヒーちょうだい」


僕は返事を返さずにコーヒーを二つ入れ、

一つカウンターに置いた。


「ありがとう。それでお買い物は楽しかった?」

「…何の話ですか?」

「さっき、女の子とお買い物してたんでしょ?」

「…荷物持ちを頼まれただけですよ。少なかったので残りは橘にお願いしてきましたが…」

「そうなのね〜」


柚葉さんは何で知っているのだろうと

不思議に思っていると、ふふっと笑われた。


「…何ですか?」

「今、何で知ってるんだろうって思ったでしょ?」

「…いえ、思っていませんが」

「ふふっ、鈴のお姉さんに会ったのよ」

「…山村さんと会われたんですね」

「そう。浮気じゃなくて仕事だったみたいだ!って話してくれたわ」


山村さんは何の話をしているんだ…


「今度は私のお買い物に付き合ってもらおうかしら?」

「…もう荷物持ちはしたくありませんね」

「あら?その女の子はいいのに、私はダメなの?」


上目遣いで聞いてきた。

橘ならダメじゃないって言うんだろうな…


「荷物持ちは僕じゃなくて橘に頼んでください」

「あら、残念」


柚葉さんはそう言ってコーヒーを一口飲んだ。

僕もコーヒーを飲み、煙を吐き出す。


「じゃあ、よろしくね」

「…何がですか?」

「お買い物の話よ?」

「…お断りしましたよね?」

「荷物持ちじゃなければいいでしょ?」

「…僕は何をすればいいんですか?」

「ただ、私のそばにいてくれればいいわ」

「…それは僕じゃなくてもよくないですか?」

「鈴にお願いしてるのよ?」

「…考えておきます」


柚葉さんと話していると、話が噛み合っているのかたまに不安に思うこともあるが、僕自身が意外と嫌に思っていないことが不思議に思った。

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