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「結局…これだけですか」
僕はそう呟いた。
橘一人で充分に持てる量の荷物だった。
まぁ、橘は彼女達二人を抱えて走るだけの、
体力も力もある。僕がこなくてもよかったのでは…
「栞ちゃん!楽しかったね!」
「はい!橘さん、ありがとう!」
「いーよいーよ!こんぐらい大丈夫さ!」
僕の言葉は三人には届いていなかったようだ。
「で、でも!こうして4人でいるとなんかあれみたいですね」
「ん?彩花ちゃんあれって?」
「栞ならわかるでしょ!あれよ!あれ!」
「え?なんだろう…」
「なんでわかんないかな〜。神影さんならわかります?」
「さぁ…」
「もう〜。だから…ダブル「おい!神影!」
真島彩花が何か言ったが、後ろから聞こえた声で
最後は何て言ったのか聞こえなかった。
「こんな所で何やってんだ?」
「山村さんこそ…どうしたんですか?」
「あ?私はいいだろ!そんなことより…何で若い女の子と楽しそうにしてんだ!」
「…荷物持ちを頼まれたんですよ」
「あー、なんだよ!仕事かよ!それなら、別にいいけどな!こういう危なくない仕事ならジャンジャンやれよ!」
「…そうですね」
山村さんは強い力で僕の肩を叩くと、こう言った。
「でもよ!彼女さんを心配させんなよっ!」
「…はぁ」
「こーいうちっちゃいことでよ!勘違いのすれ違いがおきたりするからよ!喧嘩なんかして別れたりすんじゃねーぞっ!じぁあな!」
そう言って、笑いながら立ち去っていった。
「…か、神影さんって…彼女さんいるんですか?」
「…さぁ…いつからいるんでしょうね?」
「え?え?それってどういうことですか?」
理解できていない真島彩花に橘と雨宮栞が話している。
僕はその話を流し聞きしながら思った。
早くタバコ吸いたいな…




