夏だ!海だ!豪華客船だ!料理だ!
季節は夏。燦々と照りつける熱い太陽。
そして青々とした海のど真ん中、一つの船があった。
船、とはいっても漁船やフェリーのようなサイズでは無い。もっと巨大な船である。それはもう海上に浮かぶ一つの“建造物”と呼んでも差支えない。
地上にあるような大型施設と比べても遜色ないスケールのこれは、最早“船”と呼ぶ事さえも躊躇われる。この船はそれほどまでに大きく、存在感に満ち溢れているのだ。
そんな圧倒的スケール感に加え、巨大な下顎を思わせる船首、左右にずらりと並ぶ数多の窓、それら全てがこの船の存在感を増長している。陽に反射して輝く白い船体や難なく海上を進む安定感さえも、この船が秘めたただならぬ雰囲気を更に高めていた。
――――人はそれを豪華客船と呼ぶ。船は、その名を「マンプ・クーネル号」といった。
マンプ・クーネル号は全九階層にも分かれる大きな船であり、五階層より上は“天井無し”の吹き抜け構造となっている。船を上空から見る事が出来るのならば、船の中間に大きな長方形の穴があいているように見える事だろう。つまり船上から直接青空を見る事が出来るのだ。その上、上空から吹き込んでくる潮風も肌で体感する事まで可能なのである。
そしてその五階層目自体はショッピングエリアとなっており、青空の下、洋服や調度品など様々なジャンルの店が立ち並んでいた。その上、船にあるという特性故かあらゆる国の商品が売られている。ここだけ切り取って見れば単なるショッピングモールのようだ。少なくとも船上とは誰も思わないだろう。
そんなショッピングエリアを、数名の男女が集まって歩いていた。
「フフフフ、最高デスわね! やっぱりお買いものというのは楽しいものデスわ! あっ、あの服も可愛いデスわね! 買いましょう! わーい!」
左右に様々な店が並ぶ中、人通りの多い中心の道を歩く者達が居た。
まず目立つのはウェーブがかった長い銀髪の美少女である。薄手のシャツと短いスカートを身に纏い、白い日傘を持ちながら歩いている美少女だ。熱気溢れる通りの中、日から隠れた彼女だけが涼しげである。なのにも関わらず、楽しげに日傘をくるくると回すその姿はこの日照りとよくマッチしており、どこか少年めいた純粋さを見る者に感じさせた。
彼女は日本人であり、名前を「霜月詠華」という。
詠華は鼻歌を歌いながら、周囲に白スーツの男達を連れて店から店へと移動を続けていた。なお周囲の男達は詠華専属の“執事”達であり、彼らは詠華がこれまで買ってきた大量の荷物を抱えながら動いている。
そして、その後ろの方を退屈そうに歩くジャージの少年が呟いた。
「……何でもいいけどよ、これいつまで続くんだ?」
薄手の青いジャージを纏って歩いている髪の逆立った少年は、渋堂我竜である。「世界最強の料理人」と称される彼は、今回は理由あってこの豪華客船に乗っていた。
渋堂は太陽に照らされ流れた汗を袖で拭い、どうして自分がここまで来たのかを思い出す。
……渋堂我竜達の元へ“招待状”が届いたのは、つい一週間前の出来事であった。前触れなくメッシ=デリシャ共和国という聞きなれぬ国から、渋堂の元へと“招待状”が届けられたのである。
メッシ=デリシャ共和国はこれまで“鎖国”をしていた国家で、ついこの間まで“料理人が超能力を手に入れて世界を支配した”という現実にすら気が付いていなかった。それが鎖国をやめてからは料理に対して異常な関心を示すようになり、こうして渋堂我竜のような大物に干渉してきたのである。
ちなみに招待状の内容は、このメッシ=デリシャ共和国が所有する豪華客船“マンプ・クーネル号”にて料理イベントを行うので是非来て欲しい、という物であった。
その詳細は当日のお楽しみであるそうだが、少なくとも“料理人を複数集めて料理対決しよう”という企画である事は間違いないようである。これは渋堂がメッシ=デリシャ共和国と深いパイプを持つ「天川照真」という男から得た情報であり、充分に信頼できるものであった。
何故その男が鎖国状態の国と関わりを持っていたのかは、渋堂にはわからない。しかし今はこの得られた情報だけで問題は無いと判断したのだ。
そもそも渋堂は深く考える男では無く、とりあえず困難に当たっても楽しめるような人種である。そうであるが故に、何かが潜んでいるだろうこの船に来たのであった。
しかし……
「……流石にこの困難は想像外だぜ」
渋堂我竜は疲弊しきっていた。
ここに呼ばれたのが彼一人であれば良かったのだが、実際は「世界大会で優勝した“チーム・ドラゴン”のメンバー」が全員招待された形となっている。渋堂は世界大会で二人の仲間とチームを組み、その上で優勝しているのだ。そうであるが故に、他の二人も呼ばれたという話である。
霜月詠華も渋堂我竜のチームメンバーであり、彼女はここに来るなり大はしゃぎでショッピングを満喫し始めてしまったという流れだ。
渋堂は本日何度目になるかわからない「おい、まだか?」を口に出す。詠華がどうしてもと言うのでショッピングについてきた渋堂だったが、流石にここまで興味の無い買い物に付き合い続けるのは苦痛で仕方が無かった。そして大概の場合、女性はこうなると長い。詠華も例外ではないのだ。
そんな状況に嫌気がさした渋堂の言葉に対し、詠華は白い歯を見せつけるようにニッコリと笑い、これまでと同じような言葉を返す。
「あとちょっと、あとちょっとデスわぁ!」
「……それ何回目だよ」
「それにしても、やっぱり夏物はいいデスわね……まさに百花繚乱、綾羅錦繍デスわぁっ!!!」
「話聞けよオイ! あと毎度思ってたけどお前、その四字熟語適当にいってねーか? ほとんど意味わかんねーよ。な、天川?」
渋堂は首を傾げて、自分の背後を歩く少女の方を見る。
すると髪をサイドで一括りにし、少年的な帽子を被っている少女がそこに居た。薄手のパーカーとハーフパンツに身を包んだ彼女は、渋堂我竜のもう一人のチームメイトである。
彼女は「天川甘菜」という名だ。
甘菜は片手に持ったアイスを軽く舐めながら、ひたすら不機嫌そうに渋堂を睨んでくる。
「だから天川ってゆーな」
そう言うなり甘菜は顔を背け、先ほどまで以上にむすっとしてしまった。
そんな甘菜を見て渋堂は溜息を吐き、彼女がどうしてこんなに機嫌が悪くなったのかを振り返る。
だが渋堂が思い出すまでもなく、甘菜は自らのストレッサーに対して言葉を吐き捨てた。
「ていうか、折角の豪華客船ってコトで楽しみにしてたのに……なんでコイツまで一緒?」
甘菜が立ち並ぶ店の一つに視線を向ける。渋堂も追うようにそちらを見た。
するとそこにはミニスカートに薄手の上着という露出の多い格好をした女性……を追いかける怪しげな男の姿があった。男はつむじ風を固形に固めたような髪型をしており、糸のように細い眼で前を歩く女性の背中をじっと見つめている。その服装は、ホストのようにはだけたワイシャツとスラックスだ。
男はニンマリとした笑みを浮かべながら、どんどん女性の背に顔を近づけていっている。
彼の名は「天川甘太郎」といい、ここに居る天川甘菜の実の兄であった。甘太郎は別に渋堂のチームメイトでも何でも無いのだが、たまたまこの船に用事があるだとかでここに居る。つまり偶然居合わせてしまったというわけだ。
ちなみにこの男と船で遭遇した時の甘菜は、まるでこの世の絶望を見たかのように落ち込んでいたという。この甘太郎こそが甘菜のストレスの原因であるのは明白であった。
「……なんかムラムラしてきた」
それは甘太郎の独り言。これだけでもう最低である。
だが、この男。
それだけでは全く飽き足りてはいなかった。
「よし、殺るか」
小声の犯行予告と共に、それは実行される。
甘太郎は気が狂ったような笑みを浮かべ、常人ならば捉えるのも難しい速度で“懐から出したナイフ”で前を歩く女性の首筋を軽く刺した。何の比喩でも無く、文字通りの意味で一撃必殺。甘太郎から刺された女性は即座に絶命し、動きを止めて前に倒れそうになる。
それを甘太郎は、後ろから女性の胸を揉むような形で支え、ついでにミニスカートをめくって下着の色をじっくりと確認する。一寸の無駄も無い完璧な挙動。
そんな甘太郎の瞳は好奇心に満ちていた。
「青か」
それは人として最低の行為であった。
スカートの中身が見たいがための殺人。普通に犯罪行為だ。人間の屑である。清々しいまでの犯罪者だ。
しかしながら“天川甘太郎”とはそういう人間なのである。彼が人間として色々と手遅れなのは、今更言うまでもない程のことなのだ。
そんな甘太郎の能力は“反魂”。ナイフで傷つけたものの生死を反転させる力である。
故に甘太郎は再度ナイフで刺す事により女性を復活させ、すぐにその場から数歩離れ、それから何事もなかったかのように歩みを再開し――――
「ごぼっ!?」
――――何の前触れもなく甘太郎の胴体が切断された。
周囲に臓物や血を派手に飛び散らせ、甘太郎の上半身は下半身と分離させられる。まるで大きな刃物で切断されたかのようだ。
渋堂が慌てて甘菜の方を見ると、案の定、彼女は帽子をくるくると指で回していた。これは天川甘菜が自らの“能力”を使うのに必要な固有動作である。甘菜は帽子を回す事によって能力を発揮するのだ。
その能力は「エアミキサー」といい、自分の周囲の空気を固めてプロペラ状にして回転させる、というものである。回転刃の大きさは自由に調節できる上、時間さえかければ複数作ることも可能だ。
そして今回は、その空気刃によって甘太郎の胴体を切断したという次第である。
上半身だけでピクピクと危うげに痙攣をしている甘太郎を見下し、甘菜は冷酷に告げた。
「何してんの? 愚兄」
「胴体切断も大概だろ……兄妹揃って何やってんだ……」
「アタシ、ちょっとその辺見てくる」
「ちょっ、ここまでしといて放置かよ!?」
甘菜は渋堂の制止も聞かず、帽子の回転を止めてゆっくりと歩き出そうとし――――
「待てや」
――――“死んだはず”の甘太郎の声で立ち止まった。当然、甘菜の表情は面倒くさそうな呆れ顔である。
声がした次の瞬間。倒れた甘太郎の身体から錆色の不気味な光が迸り、光が収まる頃にはもう甘太郎は“自分の足でしっかりと立って”いた。いつの間にか上半身と下半身がくっついている。
これこそが甘太郎の能力“反魂”だ。ナイフで傷つけた物の生死を反転させるこの力は、何かを蘇生させる際“完全な状態”にするような副次的効果を持っている。つまり甘太郎は自身にナイフを突き刺し「完全に絶命する」事によって、その死を反転させ、生き返ると同時に身体の損傷も同時に直したのであった。
甘太郎は痛そうに腰をさすりながら、ゆっくりと甘菜の方を睨みつける。その好戦的な表情は、先ほど女性を刺殺した時のニヤケ顔とは全く異なっていた。鬼のような形相である。
「っててて……いってぇな愚妹……! 切るならちゃんと殺せよ! なまじ息がある状態が一番きついんだぞ! 自分で自分殺さないと蘇生発動しないし!」
「知らないし」
「はあぁぁっ!? ったく、たまには強引なのもいいかなと思ったのによ……! ほんと邪魔臭いな、この野郎。そんなに俺様に殺されたいのか? じゃあ望み通りブッ殺して……」
「とにかく人に迷惑かけんな。本当に死ね」
甘菜は甘太郎の方を見もせずに返答する。
ちなみに飛び散った血については、甘菜がついでに生成していたエアミキサーによって拡散を防がれていた。エアミキサーは壁がわりにも使えるのである。
だが床は血で汚れたので、やはり周囲の店に謝るべきだと渋堂は思った。
しかしそういう話をする前に、天川兄妹は口論を始めてしまう。
「ああ? 口のきき方がなってねーな。お前はどんだけ偉いつもりだ、このクソ妹様が。マジで殺すぜイ?」
「やってみれば? クソお兄様。どうせ口だけのくせに」
「上等だ、クソが」
「ほんと、ウザい」
甘太郎がナイフを構え、甘菜が帽子を指にかける。双方共に臨戦態勢だ。
だがそれを見かねた渋堂は二人の間に割って入り、両手を広げて制止にかかる。
「待った待った、こんなとこで喧嘩すんなっての! 天川も天川の兄ちゃんも落ちつけって!」
「「……!」」
ここで渋堂に対し不満げな視線を向ける二人だが、なんとか双方武器を下ろして落ち着く。
けれども渋堂がほっと息を吐くのも束の間、彼が周囲に意識を向けると、そこには好奇と不安が入り混じった複数の視線があった。この船で商売をしているのは基本的にメッシ=デリシャ共和国の人間だが、ついこの間まで鎖国していたのもあって食柱毒のような超能力は見慣れていないのだ。
だからこそ平然とこんな真似が出来る甘太郎と甘菜に、こういった視線が集中してしまったのであった。
そんな事実に、渋堂は深い溜息を吐き捨てる。どうにも気分が悪い。
ひとまず店には謝罪と迷惑料を払った渋堂達だが、相も変わらず天川兄妹は険悪で、詠華は詠華で執事と服や装飾品を買い漁っている。ショッピングに夢中で他の事に意識が向いていないようだ。
こんな現状を前にして、流石の渋堂我竜も気が滅入ってしまう。
「あーもー、何だよこの状況……ん?」
と、その時。仄かに色を帯びた空気が渋堂の鼻孔を刺激した。
具体的には何らかの食事の匂いである。ほんの微量だが確かに料理の匂いだ。料理経験によって鍛えられた渋堂の超人的嗅覚は、そんな僅かな香りでさえもしっかりと拾ってくれる。
渋堂がふと上を見ると、どうやらこの上階から漂ってくる香りだという事がわかった。そういえばこの上にある六階層は料理店が集まったエリアだと聞いている。渋堂はここに来て、現実逃避も兼ねて胸を躍らせた。実際、ショッピングよりもそちらの方に興味があるというのは事実である。
船の中で複数の料理店があるのなら、競争率もそれなりに高いはずだ。つまりは簡易激戦区がここにはあるという事である。そう考えると、渋堂我竜は居ても立ってもいられなくなってきた。
渋堂は、このショッピングエリアから吹き抜けになっている上階を見つめ、ちょうど手すりから下階を見下ろせるような位置へと狙いを定める。
「……霜月。あと天川も、天川の兄ちゃんも。マジで悪いけど」
ここで詠華と甘菜、それから甘太郎が振り向く。
しかし、渋堂の意識はもうそちらには無かった。
「上が楽しそうなんで、ちょっと行ってくるわ」
周囲が何か反応する前に、渋堂我竜は顎を手の甲でさすり“身体強化”の食柱毒を発動させ、軽く膝を曲げて凄まじい跳躍力でジャンプした。
足元に旋風が吹き荒れ、渋堂は一気に上階の手すりのあたりへと到達する。それから手すりを掴んで鉄棒のように回転し、勢い良く上階のフロアへと降り立った。
これが能力を用いて強化した超人的身体能力である。さっきまで居たのが第五階層でありここは第六階層なので、約一階層分の跳躍だ。とんでもない跳躍力である。少なくとも常人には不可能だ。
渋堂はこれによって得てしまった好奇の目を無視し、じっくりと上階……六階層の様子をじっくりと観察する。六階層は壁際に立ち並ぶ複数の店と、それらの前を横切るように伸びている長い廊下のみという形となっていた。フロアの中央が大きくくり抜かれているので、中心部分には空洞と渡り廊下以外何も無い。故に六階層は、ほぼ廊下しかない階層となっているのである。
「それにしても、本当にスッゲー船だよなぁ……さて、と」
渋堂が階下の様子を見つつ廊下を移動すると、そこには複数の料理店が立ち並ぶ“簡易激戦区”があった。洋食、和食、中華などといった基本はもちろんの事、イタリア料理やメキシコ料理などといった店まで並んでいる。どうやらあらゆる国の料理店が覇を競い合っているらしい。
――――そういえば、この船の飲食店に居る従業員は各国から集めているという話だ。
渋堂はここで行われるらしい“料理イベント”のために呼ばれたわけだが、他の異国人全てがそういうわけでもないらしい。ここでメッシ=デリシャの人間や他国の料理慣れした人間に、自らの国の威信をかけた料理を振る舞うために呼ばれた人間も多いようだ。
天井からは各国の国旗がかけられており、店の前には看板ばかりが置かれている。人通りもそれなりに多く、何を食べようか迷っている人達が多く見受けられた。
渋堂はそんな光景を見て心を弾ませる。彼は野性的に歯を剥くようにニヤリと笑った。
「ここで一番うめー飯屋でも探そうと思ってたけど予定変更だな。まずは……!」
渋堂は既に気付いていた。立ち並ぶ数々の料理店から殺気が漏れ出ているという事に。
この殺気は間違いなく料理人のものである。常人にしてはあまりにも殺気が濃すぎるのだ。一種の瘴気にも似たこの濃厚な殺気は料理人以外に出せるものではない。
恐らく、世界最強がここに君臨したという事実に皆が皆気付いてしまったのだろう。今は冴えないジャージを纏っているが、それでも世界最強は世界最強だ。全身から漏れ出るオーラまでは隠しきれない。
渋堂我竜は、常人ならば立っている事すら難しい殺気を正面から受け止め、全身に気合いを滾らせる。
「別に俺は闘いにきたわけじゃあねーんだけどな。でも、ここまで注目されてりゃ仕方ねえ」
渋堂は再び顎下を手の甲で拭い、看板が立ち並ぶ長い廊下を真っ直ぐ見据えた。煉瓦造りを模した店の入り口、観葉植物を並べた洒落ている店の入り口、店の奥にある船外の景色を売りにしている店の入り口、等々個性様々な店が渋堂の視界に入ってくる。そのどれもから殺気が出ているのだ。
現代では店に入ってきてほしくない客を返り討ちにして店から追い出す事も可とされている。この殺気はそういう事だろう。誰も世界最強の舌で実力を計られたくはないのだ。これで高評価を得られたら最高だが、もしも世界最強に失格の烙印を押されれば取り返しはつかない。だから店に入れない。これは当然の摂理なのだ。
故に、待ちうけるのは闘争のみ。
龍帝は笑う。
「丁度良い。あのままぷらぷら歩いてても身体がナマっちまいそうだったんだ。どいつからでもいい、かかってこいよ。俺は逃げねえ」
今や大概の店に戦闘員というものが存在する。
いざという時闘えなければ、店自体の存続が危ぶまれるからだ。
そんな戦闘集団の殺気を受けて尚、渋堂は目を輝かせる。
「――――全員、真っ向からブッ倒す」
渋堂我竜が歯を剥くと同時、立ち並ぶ数々の店先から我先にと老若男女様々な人間が飛び出してくる。
こうして、船上の闘いが幕を開けるのであった。




