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第10話「何か俺の大事なものをなくした気分だ……」そのニ

お風呂のシーンですか、アキラは湯浴み着を着て裸じゃないのでご注意


 修学旅行二日目の夜。


 旅館の宴会場にてゆうげを堪能したあと、スケジュールでは風呂の時間なのだが今日もパスする。

 別に風呂に入りたくないわけじゃない。ただあれを周囲へ晒す訳には行かないからだ。


 ところがロビーにて暇を潰していたら先生は匂うから入れと上官命令発令。他人と入るのが嫌だったら深夜一人で入浴していいからと、死の宣告かと思いきや神の啓示だった。  

 うちの担任は話のわかる先生だから大いに助かる。先生だいしゅき。

 

 ——そして深夜。

 とっくに就寝時間過ぎているから誰もいないので長湯をしてしまう。疲労も溜まっていたから仕方なし。


 湯船に首まで浸かり、う〜〜とおっさんぽく歓喜のうめき声を上げた。


 そして暫くのち、最悪の事態が発生。

 風呂が大きいのと濃い湯気で分からなかったけど、目を凝らすと湯船に人影が映る。

 

「ええ? 嘘どうして……? 幾ら直助のこと四六時中考えていたって幻覚見るほど思い詰めていたとか」 

「その慎ましやかな胸、何処かで遭遇したような?」

「ちょ、ちょっとどうして直助がお風呂へ入っているのさ!」

「アキラこそ。ここは男湯だぞ」

「おバカ! 今は女湯なんだよ」 

「まじか」


 長湯して気付かなかったが、どうやら時間帯によって男湯と女湯が変わるようだ。極楽から俺の人生は王手……今度こそ詰んだ。


「これは退学ものですな」

「すまん、すぐ出る」

「冗談、安心していい。親友を売るつもりはないよ。それより話し相手になってよ」

「でももう深夜だぞ。皆と入らなかったのか?」

「修学旅行でも寝るまで風紀の乱れへ目を光らせているから、この時間帯に風紀委員の特権で使用許可を貰ったのよ」


 それでなくても、あのモデル並みなスタイル抜群のメンツだと、私のメンタルへ大いにダメージがあるからとブツブツ小声で呟く。

 ああ、胸か……。確かにうちのクラス巨乳多いからな。


「それで直助はどうしてこの時間帯に入っているの?」

「それをアキラが聞くか? 理由は良く知っているだろうよ加害者さん」


 しばらく考えた後、ぽんと小槌を打つ。


「もしかして私の歯型……っすか?」

「さすがにこれは周囲に晒せないだろう。もし先生の耳に入ったらイジメか淫行と、最悪うちの親を呼ばれてしまう」


 風呂から上半身出すと噛みつかれた跡。アキラに甘噛みされすぎて目立っていた。

 

「直助ごめん、やりすぎた」

「別に構わないよ。ただ不便だ。誰かに発見されたらと思うと気が気じゃない」

「お詫びに背中が洗ってあげるよ」

「ありがたい申し出だが、こんな現場を誰かに見られたら今度こそ公開処刑だから遠慮しておく」


 それだったら大丈夫、つっかえ棒をしたからとアキラは無い胸を張る。

 これ以上断るのもなんだから、背中だけ洗ってもらうことにした。


「さあさあやっちゃうよ」

「お手柔らかに頼む」

「了解」

「でもまさかと一緒にお風呂は入る時が来るとは想像できなかったよ」

「私もだよ——あ!」

「——⁉」


 アキラは転んだのか、背中に何かが当たった。


「ごめん、大丈夫?」

「あばらを押し当てるな。痛いぞ」 

「胸なくてごめんよ!」

「いてえ!」


 アキラにより背中へ何発もモミジをやられる。まじ痛い!


「悪かったわね、凹凸なくて!」

「何故叩かれる」

「うるさいうるさい! 私の胸を押し当ててるんだよ。興奮するでしょ? ね?」

「ええ……そっすね……」 


 口ごたえしたら今度こそ死ぬと悟った俺は本心に重い蓋をした。


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