酵素消化(エンザイマティック・ダイジェスチョン)と水晶のマクロファージ
円形の空き地を覆う赤く肉厚な苔は、俺たちの靴底がその表面に触れた途端に身震いした。濡れた吸引音が地面を伝播する。
「これは苔じゃない」視線を下げて俺は断言した。タクティカルブーツの底から白っぽい煙が上がっている。炎や破片に耐えるように設計された軍用ポリマーが、熱いフライパンの上のバターのように溶け出していた。「微小な胃絨毛だ。床全体が腐食性の酵素を分泌している」
「ウチらを足の裏から咀嚼しようとしてるんだ!」グリッスルが片足を上げた。丈夫な革のブーツにへばりついた溶けたアスファルトが、おぞましい音を立ててシューシューと鳴る。オークは赤い絨毯を叩き潰そうとブレーキシャフトを地面に打ちつけたが、重い武器は酸を横に飛び散らせ、彼女の緑色のすねを汚しただけだった。「スープを叩き潰すことはできないよ、先生!」
「森の中へ退避するんだ!」ヴァレリアが叫び、俺たちがたった今通り抜けてきた暗い木々の輪の方へ振り返った。
「遅すぎるわ……」ルナが音波の杖を掲げた。彼女が指し示したのは木々ではなく、空き地の中央で脈打つ、骨と黒水晶でできた巨大な逆さの蜂の巣だった。
生物発光する構造物が開いた。ドアや有機的なスリットとしてではなく、膿を出す傷口のように。
蜂の巣の中から噴出してきたのは、昆虫の群れなどではない。車ほどの大きさのある「白血球」だった。それは半透明の酸の樹液の不定形な球体であり、あり得ない表面張力によって形を保ち、その内部には鋭い水晶の破片や消化された骨が浮遊していた。
これらの巨大なマクロファージは歩かない。赤い絨毛の上を転がり、酸と融合し、行く手にあるすべてのものを吸収していくのだ。
「迅速なトリアージだ:食細胞が包囲網を隔離している!」周囲の大気中のpHレベルの劇的な上昇を検知し、サイバネティックな目が警告音を鳴らした。酸素が腐食性ガスに置き換わろうとしている。
樹液の球体の一つがヴァレリアに向かって前進した。エンジニアはアーク放電ピストルを構えて発砲する。
青い電気ビームが巨大な球体の中心を直撃した。電気の極度の熱が、湿った轟音とともに酸の樹液の大部分を蒸発させる。球体は煙を上げる水たまりへと崩れ落ちたが、蒸発によって生じた蒸気が、生物学的なマスタードガスの有毒な雲として立ち昇った。
ヴァレリアはその雲を吸い込み、即座に膝をついた。激しく咳き込み、急性気管支痙攣によって喉が閉じる。
「酸を蒸発させるな! ガスが呼吸器系を攻撃するぞ!」ヴァレリアに駆け寄り、人間の手で彼女のベストの装備を掴んで後ろへ引き、蒸気から遠ざけた。「ルナ! 陽圧だ! ガスを押し返せ!」
エンパスは風車のように頭上で音波の杖を回し、その鈍いクリスタルの先端を肉厚な地面に突き立てた。破壊の周波数の代わりに、ルナは長く連続した亜音速のパルスを放ち、俺たちの周囲に高密度の音響圧力の泡を作り出した。目に見えないドームが有毒な雲を弾き返し、俺たちの肺にろ過された酸素の道を開く。
「音の嬢ちゃんの役には立ってるが、鼻水の泡はまだ向かってきてるよ、先生!」グリッスルが鋼鉄のシャフトを振り回した。
2つの巨大なマクロファージが俺たちの音の盾に向かって前進してくる。グリッスルはためらわなかった。ステープルで留められた脚を錨として使い、ブレーキシャフトの歯車の端を、球体ではなくその少し手前の地面に叩きつけたのだ。その衝撃が空き地の赤い肉に深い溝を掘り、石化した土と乾いた岩の波を巻き上げて白血球と混ざり合わせ、その表面張力を詰まらせて強制的に減速させた。
グリッスルの力任せの行動が数秒の猶予を与えてくれたが、俺たちのブーツはすでに床によってボロボロになりつつあった。俺の体内の寄生体が血流の中でシューッと音を立てた。酸と壊死毒素の製造工場である奴でさえ、生きたまま溶かされるという考えには嫌悪感を抱いていた。
「地面にはいられない! 森に戻ることもできない!」空き地の中央にある巨大な蜂の巣を見た。酸の死を吐き出している骨とガラスの構造物は、唯一の高台でもある。球体が出てくる括約筋は大きく開いていた。
外科的胃腸病学において、もし胃が患者を殺そうとしているのなら、時に唯一の解決策は腹壁を突き破って穴を開けることである。
「ヴァレリア、オークに掴まれ! グリッスル、ヘドロの真ん中を通る道を切り開け!」義手の黒い腱を呼び覚ます。血の鋼鉄が脈打った。寄生体がエイリアンの胃の準備を整える。「俺たちは怪物の口の中に入り、進化史上最悪の潰瘍を引き起こしてやるんだ」
グリッスルが粗野な笑い声を上げた。片手でヴァレリアのベストを掴み、もう片方の手で鉄の武器を構える。
「ショック突撃だね、先生!」
俺たちはルナの保護ドームの下で前進した。グリッスルが前衛となり、シャフトを残忍な除雪車のように振り回す。俺たちを飲み込もうとする樹液の球体は金属のディスクによって引き裂かれ、腐食性の液体を飛び散らせた。それは音波の盾に当たってシューシューと音を立て、俺たちの危険なほど近くに滴り落ちた。一歩進むごとに、森の「胃」の有機的な重力が俺たちを下へ引きずり込もうとするのを感じた。
巨大な構造物の基部に到達した。壁は石ではない。それは鋭い黒水晶で覆われた高密度の軟骨であり、生きた筋肉組織のように脈打っていた。
俺たちの頭上の穴から噴出する球体は、粘液と死の滝のように見えた。その自然な入り口からの進入は、戦術的な自殺だ。
「自分たちでドアを作るぞ!」蜂の巣の壁の前、メインの開口部から3メートルのところで立ち止まった。
スクラップの義手を前に突き出す。自身の生存がこの「注射」にかかっていることを理解した寄生体が、狂乱状態に陥った。南米のミュータントの放射能を帯びた肉を溶かすために設計された、俺の肝臓の備蓄に集中している苛性酸のすべてが、俺の静脈を押し通って金属の腕へと送り込まれる。
血の鋼鉄の指を、蜂の巣の壁の分厚い軟骨に深く突き立てた。
直接注射だ。俺の共生体の黒い酸が、ヨーロッパの胃酸と出会う。
蜂の巣の壁が金切り声を上げた。生きている組織が開いた傷口で焼かれるような音と、原初の水晶が割れる音が混ざり合う。消化性潰瘍が数ミリ秒で形成された。構造物の肉が黒く腐敗したペースト状に溶け始め、蜂の巣の基礎に直径2メートルのボロボロの穴を広げた。
「アクセス開通! 中に入れ!」煙を上げる腕を引き抜き、グリッスル、ヴァレリア、そしてルナを化膿した傷口の奥へと押し込みながら叫んだ。
俺が最後に飛び込み、ベトベトした残留物で覆われた滑らかで暗い床を転がった。まさにその瞬間、背後の軟骨の壁が痙攣するように治癒しようとしていた。
俺たちは暗闇に包まれ、肩のタクティカル・フラッシュライトと、黒水晶の溝から漏れる微かな紫色の輝きだけが周囲を照らしていた。荒い息を吐き、ブーツはボロボロで、化学物質への曝露で皮膚は赤くなっていたが、俺たちはマクロファージの内部にいた。空き地を貪り食う絨毛からは遠く離れている。
ヴァレリアが膜状の壁に寄りかかり、咳き込みながら内部の息苦しい酸素を吸い込んだ。
「これって……ウチらは今、怪物の腹の中にいるってことかい?」震える指で武器のバッテリーを再装填しながら、彼女は息を喘がせた。
人間の手に寄りかかって体を支え、俺たちのライトが巨大な空間を照らし出す中、サイバネティックな目で新しい環境の読み取りを試みる。
そこは空っぽの胃袋ではなかった。何十メートルも上の凹状の丸天井である天井には、数十の「繭」がぶら下がっていた。それは黄色っぽい液体で満たされた半透明の羊膜嚢であり、水晶の太いへその緒で吊るされていた。
それぞれの袋の中には、身悶えする影があった。発達中の生物たち。動物、ヨーロッパの魔法、そして空き地に奉仕していた霊長類たちの貪り食われた残骸のハイブリッドだ。
ルナが両手で口を覆い、上を見上げた。彼女の共感能力が、あの保育器の恐ろしいノイズを捉えていた。
「アーサー……空き地は、栄養を得るために食べているわけじゃないわ」エンパスの声は、絶望の糸のように細かった。「孵化させるために貪り食っているのよ。猿たちは私たちを消化するためにここに連れてきたわけじゃない」
俺のライトが、空間のど真ん中にある、最も大きな繭の一つを照らし出した。その中の影は動物の形をしていなかった。それは悪夢の鋳型で彫刻されたような、おぼろげに人間を思わせるグロテスクな形をしており、液体の中で弱々しく暴れていた。
「俺たちを、遺伝子の鋳型にするために連れてきたんだ」産科的な意味合いに血の気が引くのを感じながら、ベルトのミスリルのメスを無意識に握りしめ、俺は囁いた。「ここは胃袋じゃないぞ、チーム。ここは『子宮』だ。そして新生児たちが、今にも泣き声を上げようとしている」




