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ロンギヌス  作者: 白河・DG・夜舟
翌日継続試合

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34/49

34.お前ら、ほんとにヒマだな

翌日継続試合。

お前ら、ホント暇なんだな。

今日も同じように延長戦とかだったらどうする気だ?

…いや、さすがにないか。ここまで来たら最後まで観たいよな。


ここまで読んでくださった皆様は、最後までお付き合い頂けます、ヨネ?

 眠い。

 腰が痛い。

 疲れた。

 喉が痛い。

 ブウブウ言いたいのを堪えながら、それでも能口は球場に足を運んだ。

 キャプテンは、一応確認だが、と前置きしていたが。

 決勝戦を見に来るのは、あくまでも個人的な事であって、チームとしてではない。

 だから、体調の悪い者や都合のつかない者は、こなくてもいい。

 そう言っていたのだが。

 能口としては、ここまで付き合って止めるわけにも行かない。

 そう思い、無理やり球場にきたのだが。


「お前ら、ほんとにヒマだな」

「そういうお前だって」

 南洋第一の三年生ナインは、全員そろっていた。

 みんな眠そうな顔をしていたが、三年間同じチームの中で共に戦ってきた仲間である。

 考えている事は、大体同じらしい。

「みんなそろったか。さすがに今日は席も空いているだろう。行くぞ」

 キャプテンの号令で、ぞろぞろと階段を登る。


 球場は、さすがに満席とは行かなかった。

 両校の応援団はそろっていたが、一般生徒は自由参加とされたらしく、昨日の半数ほどしかいないようだ。

 その代わり、報道陣やテレビ関係者がかなり来ていた。

 延長50回を数えてまだ0-0のままとなると、地区大会とはいえ歴史的なニュースになる。

 試合前だというのに、イヌイの周りには何人かの記者が取り囲んでいた。

「あの記者たち、常識ってものがないのか」

「イヌイも、常識ないほうですから。自分で追い払えないんでしょう」

 さすがに海浜のキャッチャーが見かねたのか、イヌイの腕を引きずってうまく逃がしてやった。

「…ところで、尾形は今日も投げるのか?」

「ええ、今朝、俺の携帯に電話があって、そう言ってました」

「へえ、昨夜お前が言ってたように、アイツもバカを貫くつもりだな?」

「それが…」

 口ごもる能口に、キャプテンや他のナインは心配そうな顔を向ける。

「今日の試合、自分はかっこよくないかも知れないが、見捨てないでくれって」

「…うまく投げられないって事か?」

「そりゃ、昨日あれだけ投げてりゃな。肩が壊れないか心配だぜ」

「いや、それも勿論あるだろうけど、そういう意味じゃなさそうなんだ」

「じゃあ、どういう事だよ」

「わからない…けど…」

 能口の目線の先に、昭和のベンチがあった。

 投球練習をしているのは、尾形ではなかった。

 尾形は、ベンチの奥で肩や腕をアイシングしている。

 昨日のダメージが、一晩で抜けるはずもない。

 だが、しかしイヌイは全く平気そうな顔で、投球練習をしているのだ。

 能口には、訳が判らなかった。


             ~ ・ ~


 延長51回の表、昭和のマウンドに立ったのは、別のピッチャーだった。

 地区大会の3、4回を1失点で投げきった、好投手である。

 一方の尾形は、ファーストを守っていた。

 投げる機会のあまりないポジションだけに、肩や腕の負担はないが。

「あいつ、なにやってるんだ?」

「怪我を押してまで、出ることないだろ。替わりがいない訳じゃないし」

「…」

 尾形は、海浜のベンチを見つめている。

 その奥に座る、イヌイしか、見ていない。

 能口は、不安そうに尾形を見つめた。

「なに、する気だ…?」


 昭和の二番手ピッチャーは、本格的なオーバースローで投げるタイプだ。

 尾形と違って、打たせてとるタイプではない。

 直球の切れとフォークが武器である。

 変化球は得意ではないので、出会い頭の一発は充分あり得る。

 とはいえ、まだ初打席。

 海浜の素人打線は、ただ振り回すことしか出来ず、きれいに三者三振だった。


 昨日、あんだけ投げて、今日はさすがに休養日だろうと思ったら、本職のファーストをこじ開けて出場する尾形君。ナニヤラカスキダ?

 あ?イヌイが出るなら俺も出る?

 だからアレは人間じゃ…

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