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ロンギヌス  作者: 白河・DG・夜舟
6回戦

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33/49

33.帰路

 原文が変な展開になっていたので直しました。

 いえ、読者の方には全く関係ないですね。

「能口ぃ、余計なこと言うから、いい迷惑だろうが」

「そんな事は尾形にいえよ。あの野球馬鹿に」

 尾形は結局、最後まで投げきった。

 50イニング、打者170人に対し、安打10、四球2の215球という成績だった。

 最後の方は、もう肩を上げるのも辛そうだった。

 延長四十回位から、海浜の打線にようやく当たりが出てきたが、昭和の守備陣が無失策の完璧な守りを見せた。

 明らかなファインプレーが5つ。

 外野に抜けたものの、鉄砲肩をみせて刺した走者が3人。

 延長四十二回からは毎回走者を背負ったピッチングになったが、併殺打6回という打たせて取るピッチングを心がけていた。

 海浜の四番に対しては、尾形にとって屈辱ともいえる敬遠を2回繰り返した。

 監督からピッチャー交代の指示が出た時も、猛烈に抗議し、押し切ってしまった。

 まさに、野球馬鹿だ。

 敵味方を問わず、観客席も含めて誰もがそう思っていた。

 それでも昭和のナインは、自分たちのチームの勝敗を尾形に託し、誰も文句一つ言わなかった。堅守で彼をもり立てていった。


              ~ ・ ~


「結局、イヌイの奴、いくつ投げたんだ?」

「はい。50イニングの打者151人に対し、安打1の452球です。初回の安打と、二回にバントを2回、守備陣に処理させた後は、全て三振ですね」

「連続三振記録…」

「はい。145連続奪三振。全て三球で討ち取ってます」

「…人間じゃ、ねえな」

「絶対、人間じゃねえよ」

 星さえ見え始めた夜空の下で、帰りを急ぐ観客に紛れながら、南洋第一ナインは口々にそう言い合った。

「能口、明日の試合、どっちが勝つと思う?」

「…わかんないですね、キャプテン」

「なんだ、どうみてもイヌイ有利だろうが」

 キャプテンは、にこやかな笑みを浮かべている。

 このところの、能口のイヌイファンぶりを見ているのだろう。

「…わかんないです。イヌイは元からバカですけど、尾形の奴も相当な野球バカですよね」

「随分な言い方だな」

「昭和野球部が勝ちたいなら、ピッチャーを代えれば済むことですよね。現に監督もそういう指示を出していたし。だから、別にイヌイが有利という訳じゃないです。

 でも、尾形も、他のナインも、そうしようとはしなかった」

「みんなして、バカばっかりそろってるわけか」

「海浜のナインも相当なバカばかりですけど、昭和のナインも負けていない。

 だから、明日はどっちがバカを貫けるかがカギじゃないかと思うんです」

「能口…」

「はい?」

「お前、熱でもあるんじゃないのか?」

 キャプテンは呆れた顔をした。

 しかし、それでもなにか納得したような顔で、そう言った。



                              (続く)


 いや尾形君、身体壊すよ、交代しなよ。

 イヌイが交代しないなら、俺も投げる?

 あれは人間じゃないんだから、一緒にしない方がいいよ。

 SFじゃないんだから、人間なんだろうって?

 いや、この作品、元々はSF…

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