26.海浜高校野球部の成績
六回戦開幕。
この辺の成績って、読みたい人いらない人の割合は半々ってところでしょうかね?
作者側としては、どうしてもどこかで入れたい、リアリティを出したい、気持ちが出ちゃうんですけどね。
第一回戦:対南洋第一戦 延長十回2-0 安打数2、うちホームラン1
投球成績 イヌイ:18奪三振、被安打0、投球数78、エラー0
第二回戦:対宵の宮戦 九回1-0 安打数1、うちホームラン1
投球成績 イヌイ:24奪三振、被安打0、投球数77、エラー0
第三回戦:対星雲戦 延長二十四回1-0 安打数1、犠打1
投球成績 イヌイ:59奪三振、被安打0、投球数195、エラー0
第四回戦:対東征戦 九回5-0 安打数5、うちホームラン1、犠打2
投球成績 イヌイ:20奪三振、被安打2、投球数85、エラー1
第五回戦:対西智戦 九回4-0 安打数5、うちホームラン1、犠打1
投球成績 イヌイ:25奪三振、被安打0、投球数78、エラー1
通算防御率:0.00 通算打率:0.03
「今までの、海浜の成績です」
「おおおぉ」
南洋第一のナインから、ねぎらいの拍手が起こった。
レギュラーにも順レギュラーにもなれなかったとはいえ、偵察部員の役割は重要である。
しかも、もう関係ないはずの、よその野球部の成績を克明に調べ上げてくれたその労力に、拍手が送られた。
「それで、決勝にあたる昭和高校の成績なんですけど」
「いや、それはいい」
キャプテンが止めた。
見なくても判るし、見たくもないのである。
全ての試合を、二桁得点差で勝っている。
当然の如く、無失点で抑えてもいる。
南東京で最強のチームとの称号は、伊達ではない。
エースの「尾形 均」は、準決勝で登板して完全試合を記録している。
打線は、打率五割を誇っており、特に三番四番のコンビは打率、得点、ホームラン数で地区一、二位を争っている。
監督は甲子園最多出場の名将で、今年の戦力は昭和高校野球部始まっていらいの実力だと公言してはばからない。
実際、春の選抜甲子園ではベスト4まで勝ち進んでいる。
今年の夏の目標は、全国優勝なのは言うまでもないだろう。
だが、そのためにはまず、地区で優勝して甲子園に行かなければならない。
そのためには、イヌイからどうしても得点しなければならないのだ。
「決勝にふさわしい、好ゲームになりそうですね」
「ふさわしいかどうかはわからないがな」
キャプテンが苦笑した。
かたや南東京最強と言われ、全国にもその名を轟かせている有名チーム。
かたや今年創設の新チームで、今大会の台風の目となった無名チーム。
実態は、素人の集まりであり、ピッチャーの力でここまできたとはいえ、はっきりいって障害者であり、一人では、投げる事以外なにも出来ないのである。
「普通なら、戦う前から勝負あり、なんだけどな」
「アイツは、アイツのチームは、大丈夫ですよ」
能口が、力を込めて言い切った。
「野球は、強い方が勝つんじゃないでしょ。勝った方が強いんです」
物語も終盤。ボスチーム登場です。




