表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ロンギヌス  作者: 白河・DG・夜舟
4回戦

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
17/49

17.押されている

 とりあえず、ツーシームのジャイロストレートで、力で押し切りましょうか。

 喰らうがいい、必殺「鉛球」!

 うん、誰も気づいていないねボクちんの必殺技…

 海浜ナインが、再びマウンドに集まる。

 内外野が全員集まるので、かなりのにぎやかさだ。

 全員が円陣を組み、掛け声と共に散らばった。

 守備陣形に、特に変更はないようだ。

 相変わらずの、超前進守備。

 スクイズ対策になっているのは間違いないが、外野に球が飛んだり転がったりすれば、ランニングホームランさえあり得るという陣形である。

 初球は、内角高め一杯にきた。

 待っていたかのように、東征のバッターがフルスイング。

 やや振り遅れ気味にバットの根元に当たった打球は、フラフラと後ろに上がり、あらかじめファールグラウンドで守っていたショートが、がっちりキャッチ。

「2アウト2アウト!」

「おおっ!」

 俄然沸き立つ海浜ナイン。

 次のバッターにも、内角高めを初球から打たれた。

 が、スイングが早過ぎて3塁への緩いファール。

 二球目も同じ内角高めを、バットの根元に当てて、一塁へのファール。

 ここでバッターの手がしびれたようで、治療の為にタイムが取られた。

「投げないな、あの65キロ」

 能口が、残念そうに呟いた。

「必要ない、という場面ではないですよね」

「速球に的を絞ったスイングだからな。三振狙いなら、いつかは使うだろう」

「まあ、今までのピッチングで抑えられるなら、その方がいいんじゃないか」

「まあ、この場面で内角高めというのは、配球としてあってるよな。東征のバッターがことごとく当てにきてるから、力で押し切るならここだろ」

「同じ狙われるなら、打球が飛ばない分、速球の方がましか?」

「ザルの内野陣に打球処理させるよりは、スローボールで三振の方がいいと思うけどな」

「まあ、そうだな」

 しかし、結局バッターは交代し、代打が告げられた。

 なまじバットを振り切っているので、しびれ方が酷いらしい。

「俺たちも、能口の全力投球を打ちにいって芯を外したら、腕が死んでしまうもんな」

「からかわないでくださいよ、キャプテン」

 しゃべっているうちに、代打も初球を打ち上げて、二回の攻撃は三塁に残塁という結果に終わった。

 それにしても、東征のバッターはタイミングはともかく、投げるコースは事前に判っているみたいだ。

 そうでなければ、あそこまで振り切れない。

 バットの芯に当たらないのは、イヌイの投球が速さを増しているからだろう。

 ボールを見て振っているわけではないらしい。

 まぐれ当たりを期待してのことなのだろうが、どうも不自然だ。

 なんだ…?


 三回表の海浜の攻撃も、三者三振に終わった。

 打撃に関していえば、海浜は素振り以外の練習はしていないようであった。

 九番のイヌイは、バットすら振らなかった。

 いや、バットを振れる体ではなかった。

 片腕しかなく、肘から先が異様に長いその腕では、まともなスイングなど出来るはずもなかった。


 その裏の回も、東征は押し気味に試合を進めた。

 下位打線である八、九番は凡退に終わった。

 が、前の打席で内野エラーで出塁していた一番バッターが、タイミング良くプッシュバンドを成功させ、一塁側に詰めていた内野手の頭上をうまく超えた。

 当然の如く二盗、三盗塁を決め、2アウト三塁の場面を作る。

 二番バッターが、ここでスリーバントを決行。

 内角高めの、バントには難しい球だったが、ピッチャー前に転がすことに成功した。

 イヌイがマウンドを必死に駆け降り、素手でキャッチした。

 そのままキャッチャーにトスする。

 滑り込んでくる三塁ランナーを間一髪アウトに仕留めたが、キャッチミス、トスミス、落球、どれでもアウトというタイミングだった。


 あぶねぇあぶねぇ。こんな楽しい試合が、終わってしまう所だったゼ。

 もっともっと、みんなと野球したいんだよ。まだこんなところで終わりたくないよ…

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ