第四章 五
「な何ですか?」
「フラウラ、ハイドラのコトもっと知りたい。ハイドラに興味ある!」
「えっ?僕に興味ですか?」
「興味だと⁉ そそそんなことは許せん! 師としてそれは断じて許容できんぞあ!」
オルヒアさんは大声で抗議したが、フラウラさんは全く気にすることなく、(たぶん聞こえてない)僕の頭を撫でたり、耳を触ったりしていちいち感心している。
「離れろ、コノ木像小娘!」
「落ち着いて下さいオルヒアさん。フラウラさんは人間が珍しいだけですよきっと」
「何ィ⁉ ハイドラ、そんな奴の肩をもつのか!」
「ん?」
何故か突然沸騰したオルヒアさんの剣幕にも全く動じず、(たぶん聞こえてナイ……)フラウラさんは笑顔で答えていた。
「そうだ!"黄金〈メルキオ〉"はどうなりました?森の民が持っているんですよね」
苦しい話題転換だが、気にかけておかないと。ルルディはいないけども、手に入れられるなら手に入れておきたい。
「それについては事情があるようだ。いまロジエ達森の民の中で、話し合いをしている」
オルヒアさんは眉間のシワをよせたまま、フラウラさんをにらみつけている。一体何がオルヒアさんの逆鱗に触れたのか、ここに来てから妙にピリピリしている。
「ハイドラ、"黄金〈メルキオ〉"さがしてる?欲しいのか?」
「僕はルルディっていう女の子の呪いを解くために"黄金〈メルキオ〉"を探していて、譲ってもらえるならぜひお願いしたいです」
「……?」
「あ、えーと。めるきお、ほしい」
「わかった。ロジエに頼んでみる」
この人達はどうしてこんなに友好的なのだろうか。
僕は胸の奥にある暗いわだかまりの一部を訪ねてみた。
「フラウラさんは、"もり"は、僕たち人をどう思っているのですか?その……大事な住む場所に勝手に入ってきたり、毒を撒いたりしていて、迷惑とか嫌いとか思わないのですか?」
「"もり"は何も思わない。フラウラもハイドラも自然のイチブ。"もり"は自然のまま、好きとか嫌いとかナイ。今日は助けたけども、明日は無視するカモ。
でもフラウラはハイドラ好き。もっとはなしたい」
フラウラさんのイタズラというか肌の接触は、段々と遠慮がなくなってきている。背中に乗ろうとしたり服の中に手を入れたりしてくるのだが、見た目木の質感なのにすごく柔らかいのが気になるし、動く度にふわりと香る早朝の森の匂いが何とも不思議だ。
僕は急な告白を受けて段々と顔が熱くなってた来た。
赤くならない様に、深呼吸で落ち着こうとすればするほど、どんどん熱くなって行く。
「オイこの全身盆栽ヤロウ。今すぐハイドラから離れろ。離れないとイイ感じのダシが出る厚削り節にしてやんゾ」
あああオルヒアさんがおかしな事を言い始めた




