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ソリタ  作者: Albert
ピエール
6/20

コーエン先生

W村に到着した。

ピエール:「どうやら着いたみたいだな」

そう言って、ピエールは一枚の紙切れを取り出した。

プリシュール:「その紙、どこで手に入れたんですか?」

ピエール:「教主様がくれた袋の中に入ってたんだ。コーンっていう男を訪ねろって。教主様の友人らしい」

プリシュール:「コーン? どこにいるんでしょうね」

ピエール:「紙には、あそこにいるって書いてあるけど……」

「お前さんたち……コーンを探しているのか?」

低く響く声がした。振り返ると、教主様と同じくらいの年格好をした老人が立っていた。

ピエール:「はい、そうです! どこにいるかご存知ですか?」

老人:「とりあえず、何の用で彼を探しているのか聞かせてもらおうか」

俺たちはこれまでの経緯をざっと説明した。

老人:「なるほど……ロアの紹介か。あいつも相変わらずだな、学生の頃から面倒なことは全部私に押し付けおって!」

プリシュール:「ということは……あなたがコーンさんですか?」

老人:「いかにも! ロアがそう言うなら、私について来なさい」

ピエール:「ロア? 誰のことですか?」

コーン:「あいつから聞いていないのか? 自分の名前を」

プリシュール:「いいえ、初めて聞きました」

コーン:「なら、今覚えたな。まずはついて来なさい。実は一ヶ月前、ロアから手紙が届いていたんだ。お前さんたちの特徴も書いてあったから、暇を見ては村の入り口を見回っていたのさ。空き部屋は用意してあるが、いくらか金はもらうぞ。学費も自腹だ。時間も遅い、今日はしっかり休め。明日から仕事と授業を開始する」

その後、俺たちはコーンの家へ案内された。長旅の疲れもあり、食事を済ませるとすぐに眠りについた。

翌朝。

プリシュール:「ほら、起きてください! コーンさんのところで仕事ですよ。そろそろ出発の時間です」

それが、俺が朝一番に聞いた言葉だった。

身支度を整え、俺とプリシュールはコーンに連れられて職場へと向かった。

ピエ爾:「コーンさん、どこで働くんですか? 遅くなりませんか? 授業もあるのに」

コーン:「一度にいくつも質問するな。行けばわかる」

やがて、小さな小屋にたどり着いた。中には10人に満たない人々が座っており、皆コーンを待っているようだった。

コーン:「プリシュール、ピエール。空いている席に座りなさい。講義を始めるぞ!」

ピエール:「講義? どういうことですか?」

コーン:「私は教師だ。そしてお前さんたちは私の助手だ。後で手伝ってもらうぞ」

プリシュール:「つまり、ここで働きながら、ついでに授業を受けるということですか?」

コーン:「その通りだ!」

プリシュール:「学費はどうなるんですか?」

コーン:「助手を務めることが学費代わりだ。……お喋りはそこまでだ! 授業を始めるぞ」

そう言うと、彼は木の枝を手に取り、一枚の図を指し示した。それは天体モデルのようだった。

コーン:「前回は、太陽は昼に現れて夜に消え、月は昼に消えて夜に現れるという話をしたな。それはそれらが太陽の周りを回っているからだ。これを公転という。だが、夜空の星を観察していると、時折後ろへ戻るような『逆行』という動きを見せることがある。なぜか、わかる者はいるか?」

下を向く者ばかりで、誰も答えない。

コーン:「答えられないのは無理もない。それこそが今日の講義の……」

ピエール:「惑星がまず他の惑星の周りを公転して、その上で地球の周りを回っているからじゃないですか? だから俺たちの視点からは、惑星が逆行しているように見えるんです」

全員が信じられないといった目でピエールを見た。

コーン:「……素晴らしい! なぜそれを知っている?」

ピエール:「教主……いや、ロアに教わりました」

コーン:「あいつ、そんなことまで教えていたのか?」

ピエール:「いいえ、俺が子供の頃に一度だけ話してくれたんです」

コーン:「ロア、お前を誤解していたよ。こんな逸材を私に寄越すとはな。わざわざ送り込んできた理由が分かったよ」

夜。俺とプリシュールはコーンの家で夕食を囲んでいた。

ピエール:「コーンさん、どうしてあんなボロい小屋で授業をしてるんですか? もっといい場所はないんですか?」

コーン:「何だ、汚いのが嫌か?」

ピエール:「いえ、ただの好奇心です」

コーン:「……今の時代、我々のように知識に飢えている者は少ない。当然、これに金を払う者もな。大抵の人間にとっては、学ぶ金があるなら腹一杯飯を食う方が先だろう。だがな、誰もが知識に溢れる時代は必ず来る。我々の時代ではないだけだ」

ピエール:「次の授業は何を教わるんですか?」

コーン:「その前に、ちょっと私の部屋へ来なさい。お前さんの実力がどれほどのものか確かめておきたい」

俺はコーンの部屋へ行った。彼はいくつか天文に関する問いを出したが、それらはすべて教主様から教わったことばかりだった。俺は難なくすべての問いに答えた。

コーン:「……お前さん、次の授業には出なくていい。もう十分な実力がある。明日の晩からは、実際に星を観測し、研究を始めるぞ」

ピエール:「たった一回の授業で、そんなに信じてくれるんですか?」

コーン:「ロアの手紙にも『天賦の才がある』と書いてあったが、確かめるまでもなかったな。これほど優秀とは」

プリシュール:「コーンさん、俺はどうすればいいですか? 授業ですか、それとも観測ですか?」

コーン:「お前さんの目的は天文学者になることではないだろう? ピエールのために来ているだけだ。なら、明日の晩はお前さんも一緒に来なさい」

プリシュール:「……そんなにバレバレでしたか?」

つづく。

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