ジョヴァンニ
私の髪は他の人とは違っていて、薄い緑色をしている。父と私だけが同じ髪色をしていた。
私の父は村の教主だ。父は神を信じない異教徒に対しても、それほど冷酷なわけではなかった。
「彼らは悪魔に目を眩まされているだけだから、神を信じられないのだ。治してあげればそれでいい」
父はよく私にそう言っていた。
父は異教徒を憎んでいたわけではなく、他人の命を奪うような大罪を犯さない限り、彼らを追い詰めるようなことはしなかった。
私の母は、物心ついた時からずっとベッドに横たわっていた。体が弱く、いつも咳をしていた。
私が生まれてから母の体はどんどん衰弱していき、日に日に容態が悪くなっていったのだと父から聞いた。私たちにできるのは、ただ全力で彼女を看病することだけだった。
私が6歳の時、アンジェルという名の友人ができた。
私たちはいつも近くの広場で一緒に遊び、語り合い、基本的には毎日を共に過ごした。
私は彼とかけがえのない親友になった。
そうして、私が12歳になった時のことだ。
その日、私とアンジェルはいつもの広場での遊びに飽きてしまい、近所ではなく市場の近くまで足を延ばしてぶらぶらしていた。
家に帰ると、父が今まで見たこともないような恐ろしい形相で立っていた。その目の前には、縄で後ろ手に縛られた男がいた。
父:「彼女に何をした?」
父が先を促すように冷たく言い放った。
縛られた男:「彼女を永遠に解放してやったのさ」
父:「なぜだ?」
「神は悪事を働けば罰を下すと言うが、俺は神なんて信じちゃいない。だから、そんなことをしても本当に罰が下るのかどうか、試してみたのさ」
翌日、その男は広場で最も厳格な審判と罰を受けることとなった。しかし、それでも父の胸の怒りと恨みが晴れることはなかった。
この事件をきっかけに、私は二度と母の姿を見ることはできなくなった。
後になって、父は当時の状況を私に語ってくれた。
あの日、我が家にひとりの異教徒が侵入した。父は外で仕事をしており、私とアンジェルは外で遊んでいた。男はその隙を突いて家に入り込んだようだった。物音に気づいた母は、私たちではないと確認するために部屋を出たのだろう。彼女は残されたすべての力を振り絞って、ようやく数歩歩いた。そして部屋を出たところで、その異教徒と目が合ってしまったのだ。ちょうどその時、父も帰宅した。異教徒は父の姿を見て、もう逃げられないと悟り、母に毒手を下した。その後、教主である父を振り返り、不気味な笑みを浮かべたという。
父:「異教徒は恐ろしい存在だ。怪しい奴を見かけたら、必ず私に言いなさい。いいか? 神を信じず、悪意を抱く者たちを、私は決して容赦はしない」
この事件を境に、父の異教徒に対する態度は完全に変わってしまった。
それから時は流れ、私は15歳になった。
私とアンジェルが広場で話していた時のこと、その日のアンジェルの表情はどこか沈んでいた。
アンジェル:「ジョヴァンニ、君が未来の教主だってことは分かっている。だけど、どうしても君に伝えておきたいことがあるんだ」
突然、アンジェルがそんなことを切り出した。
ジョヴァンニ:「どうしたんだい?」
アンジェル:「実は、私は神を信じていないんだ。君と出会ってからの9年間、君ならこのことを教主に密告したりはしないと信じて、話すことにした」
どうやら、彼の表情が晴れなかった理由はこれだったらしい。
もしこれが他の誰かから告げられた言葉だったら、私はすぐにでも父に報告していただろう。しかし、今日それを口にしたのは、9年来の親友であるアンジェルだ。彼をこれほど長く知っている私だからこそ、彼が絶対に善良な人間だと断言できる。もしこれがすべて演技だったとしても、私は後悔しない。
おそらく、すべての異教徒が悪人というわけではないのだ。
私が23歳になった時、私とアンジェルはプリシュールと知り合った。彼もまた、神を信じない人間だった。
私は二人を教会の仕事に推薦した。そうすれば、私がこっそり彼らに会いに行って話ができるからだ。
私の父は毎日、村の周辺を巡回して怪しい異教徒を探しており、いつも夕方遅くになってから戻ってきた。時折、父は異教徒を連行して戻ってくることがあったが、その者たちはすぐに教会の審判によって姿を消した。
しかし今日、父はいつもより早く帰ってきた。そして今回もひとりの異教徒を連れていた。だが、その異教徒はこれまでの者たちとは少し違っていた。彼は非常に不気味だった。私とアンジェル、プリシュールが並んで立っていると、その男の目はじっと私たちを凝視していた。彼がどこへ歩いていこうとも、その視線は執拗に私たちを追いかけてくる。その眼光は凶悪で、息が詰まるほどの敵意を放っていた。
私は隣にいるアンジェルを見た。
……いや、違う。男が見つめているのは私たちではない。彼はアンジェルだけを直視している。アンジェルは恐怖に目を見開いてその男を見つめ返していた。
二人は、お互いを知っているようだった――。
(つづく)




