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流浪の不死者  作者: Albert
バンハとクオ

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22/32

布教

教主:「バンハ、起きなさい」

その声を聞いた時、空はまだ明るくなかった。太陽は昇っておらず、あたりは真っ暗だった。いつも起きる時に目にする景色とは、まるで違っていた。

私:「教主様、こんなに早く起こしてどうしたんですか? まだ外は暗いですよ」

教主:「この村を出る。別の村へ向かうのだよ」

私:「どうしてですか? それに、なぜこんな時間に?」

教主:「この時間に出れば、向こうに着く頃にはちょうど朝になる。なぜ行くかについては……着けば分かることだ」

私:「いつ出発するんですか?」

教主:「今すぐだ」

私たちは村を後にした。教主様の歩調に合わせ、別の村へと進んでいく。

今回、同行する者の数は異常なほど多かった。具体的にどれくらいかと言えば、数人や数十人ではない。数百、いや数千人もの規模だった。

私:「教主様、これほど大勢でどこへ行くんですか? 異教徒狩りですか? それにしても人が多すぎませんか?」

教主:「……そういうものだと思っておきなさい。すぐに分かる」

(そういうもの、とはどういう意味だろう。なぜ今はっきりと説明してくれないのだろう。まあいい、着けば分かるはずだ。)

やがて、私たちは目的の村に到着した。

それはとても小さな村だった。私たちの村の方が何倍も大きいくらいだ。

教主様はまず私と数人の部下だけを連れて村に入り、他の者たちは村の外に待機させた。

私たちは村の中で最も人が集まっている場所へと歩いていった。

私:「教主様、ここで何を――」

教主様は大きく息を吸い込むと、群衆に向けて大声で叫んだ。

「皆のもの! 伝えるべき言葉がある!」

当然、誰も彼を相手にしようとはしなかった。

「もう一度言う! 大事な話がある、静聴しなさい!」

「黙れ!」

「うるさいぞ!」

「お前、一体何様のつもりだ!」

教主:「おや、まさかこれほどの手荒い歓迎を受けるとはね。……今『黙れ』と言ったのは誰だい? 前へ出なさい」

野次を飛ばした通行人の男が、本当にこちらへ歩み寄ってきた。

男:「俺が言ったんだよ。それがどうした?」

教主:「君は、神を信じるかい?」

男:「神だと? 何だそれは」

教主:「神は神だ。悪魔の脅威から君を守ってくださる存在だよ」

男:「へえ、じゃあその悪魔ってのは何なんだ?」

教主:「悪魔とは邪悪な存在だ。人を食らう」

男:「わあ、怖いなぁ! じゃあ、どうすればその神様ってのに守ってもらえるんだ?」

男はわざとらしそうに、怖がる素振りを見せた。

教主:「ただ、この布袋に十枚の銀貨を納めればいい」

男:「もし断ったら?」

教主:「その時は、悪魔に襲われることになるだろうね」

男:「誰がそんな話を信じるか。馬鹿馬鹿しい、真面目に働きな。俺は行くぞ」

男は言い捨てて背を向け、立ち去ろうとした。その瞬間、教主様がその腕を強く掴んだ。

教主:「……私が、行っていいと言ったかね?」

男:「な、何をする――」

突如、男の胸に刃物が突き刺さった。引き金を引いたのは、他でもない教主様だった。

教主:「最後にもう一度だけ言う。私の忍耐にも限界がある。伝えるべき言葉がある、静聴しなさい」

多くの村人がその凄惨な光景を目撃した。悲鳴が上がり、人々は逃げ惑い始めた。

教主:「……やはり、こうするしかないか」

気づけば、広場の周囲には私たちの村の者たちが現れていた。いつの間に侵入していたのだろう。彼らは長剣を構え、包囲網を破って逃げようとする村人たちを次々と斬り伏せていった。

すぐに、誰も逃げ惑う者はいなくなった。全員が恐怖に怯えながら教主様を見つめ、その言葉に耳を傾けていた。その場にいなかった者たちも、私たちの村の兵に連行されて集められた。実質的に、その村の全住民がそこに拘束されていた。

教主:「さて、これで静かに話を聞く準備はできたかな?」

その日の朝、村の全員が神を信じることになった。

正確に言えば……信じることを強制されたのだ。

教主様は何人かの部下をその村に残留させ、定期的に「みかじめ料(保護費)」を徴収するよう命じた。そして、残りの者を引き連れて私たちの村へと引き返した。

村に戻った頃には、すでに夕方になっていた。

教主様は一体何をしているのだろう。なぜこんなことをするのか。これはただの殺戮ではないか。これを行う大義はどこにあるのだろう。

私の頭の中は無数の疑問で満たされていたが、それを口にする勇気はなかった。

教主:「……今、酷く混乱しているだろう」

私:「……はい」

教主:「私が手をかけた者たちは、すべて異教徒だ。神が私にそう告げられたのだよ」

(彼らは全員、異教徒だったというのか。神を信じなかったからという理由だけで?)

(……私は、この男を信じていいのだろうか。)

その疑念が、不意に脳裏をよぎった。

いや、違う。教主様は身寄りのない私を救ってくれた恩人だ。彼は良い人だ。私は彼を信じなければならない。

翌朝、私は教会の外で銀貨の回収を行っていた。

一人の男がマントを深く羽織り、全身を隠した状態で近づいてきた。男は私に一枚の紙切れを押し付けると、足早に去っていった。

その時は忙しかったため、すぐには読まなかった。銀貨の回収がすべて終わった後、私はその紙を開いた。

そこには、短い言葉だけが記されていた。

『お前たちのしていることは、お前たちの言う悪魔と何が違うというのだ』

つづく。

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