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人のもの
辿り着いた俺が目にしたのは、服をはだけられグッタリとした姿のユリと、ゼロの兄だった。
『ゼロ、兄上とやらを殴っても良いですか?』
『アベルよ、落ち着くのだ。兄上は余より力がある上に、性格が歪んでおる。危険だ。』
ゼロが止めたが、俺の気が済まない。
『ユリから離れろっ!!』
俺は魔力を拳に纏わせて力一杯、全力で殴りつけた。
ピシリと少し見えない壁にヒビが入る。
もう一度、殴りつけると壁が砕けた。
ゼロの兄が少し離れた場所へと移動した。
『フフフ…そうか、お前がエレーナ姫の近衛騎士、アベルか。』
『兄上、いい加減、人のものをとるのはやめるのだ。』
ゼロに牽制を任せて、ユリの元へと駆け寄った。
上着を脱いで、グッタリとしたユリをつつみ込み抱きかかえた。




