白い餅ができた
幾分、不機嫌そうな声を隠さず返事をする。
『誰だ?』
『私だよ。邪魔したかな?』
『あ、浅野先生…っ』
ベッドの上に白い餅ができた。
それじゃ、何をしていたかなんて一目瞭然だろう…と思いながら、扉を開ける。
グラフィットが部屋に入ってきた。
『悪かったね。邪魔をして。』
『悪かったと思ってるなら、さっさと用件を言って帰ってくれよ。これから続きをす』
『しない! これ以上は…ダメ!』
ニヤリとグラフィットが笑う。
『これ以上って、どこまでいったの? 君たち?』
首まで真っ赤になったユリが包布で体を包んだ。
『違っ、違います。浅野先生…ょ、用件は何ですか?』
『1つ、ユリくんの診察。2つ、ユリくんのお姉さんから電話だよ。ハイこれ。』
グラフィットがスマホを差し出す。
受け取ったユリが、そっとスマホに耳を近づけた。
『もしもし、さ、桜ちゃん?』
『ユリ、これ以上って? どこまでいったのよ。お姉ちゃんに教えなさい!』
ユリがスマホを取り落としそうになる。
『ユリ、心配したんだからね。体、大丈夫なの? 明日、学校来れそう?』
『ありがとう、桜ちゃん。もう大丈夫みたいだから、明日学校でね。おやすみなさい。』
話しながら頭を下げている。
『おやすみなさい、ユリ。 アベル、いるわよね。今夜は、これ以上は…ダメよ(笑)。それじゃ、明日ね。おやすみなさい〜』
『今夜は、だって。ユリくんのお姉さんから、今夜以降のお許しが出…アイタッ』
グラフィットの頭を小突いた。
『…グラフィット』
『はいはい、ユリくんも大丈夫そうだし、邪魔者は退散するよ。また明日学校でね、ユリくん。アベル、おやすみするんだよ。』
『おやすみなさい、浅野先生。』
ペコリとユリが頭を下げる。
『ユリ、寝るぞ。』
ユリの包布をかけなおしてやって自分のベッドに戻った。
『おやすみなさい、浜崎。』
『おやすみ、ユリ』
今夜は、ここまで…か。




