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ユリの心
様子がおかしい訳がわかった。
ユリの話によると、夢を見たそうだ。エレーナ姫とアベルの出会いから、最期の別れの時まで。
エレーナ姫としての記憶が戻ったわけじゃないらしい。
『ユリ』
俺は、ユリをそっと抱きしめた。
『わたくしのせいで、お父様とお母様が、多くの民が…兵たちが…、死んでしまった……アベル、わたくしは…生きていいのかしら?…』
ユリが涙を流し震えながら、言葉を紡ぐ。
『アベル、愛しています。死んでしまってごめんなさい。許して……』
『ユリ…』
俺は、ユリに深く口づけをした。ユリの手が俺の背中に縋る。
ユリの目から零れ落ちる涙を啄んだ。
更に、キスしようとユリの唇に触れたとき…
コンコンコン
顔の角度を変えて、口づけを深く
コンコンコン!
さすがのユリも気づいたらしい。ハッとして、俺の下で身じろいだ。
俺は、仕方なく体を起こすと、歩いて扉に向かった。




