ゴキブ◯
そいつは、突然やってきた。
『おはようございます。エレーナ姫さま、闇の王の四天王が1人、ゼシルと申します。』
ユリを迎えに行って、通学するために家から出た途端、ゼシルが現れた。
『忌々しい結界が。アベル、お前の仕業か!』
『ああ、そうだお前みたいなのが湧いて出てくるからさ。』
俺は、ユリと桜を背後に庇いながら、ゼシルを挑発してみた。
『湧いて出てくるからだと? 人をゴキブ◯扱いするな!! 水鞭!!』
『マジックシールド!』
水の鞭を光の魔法陣で弾く。
『小ざかしい。死ね、アベル! アイスニードル!!』
光の魔法陣にアイスニードルが突き立ち、魔法陣にピシリとヒビが入った。
『浜崎! 危ない!!』
ユリが前に出ようとしている。
『ユリ、大丈夫だから、ジッとしていてくれ。俺の命にかえても、お前を守る!!』
『バカ! 命にかえてもなんて言うな! エレーナ姫はアベルに生きてって言ったのに…! 僕は、浜崎が死んだら許さないから!』
『エレーナ姫さま、あなた様は闇の王の花嫁となるのです。そんな男のことなど忘れて、大人しくこちらへ来てください。さあ!』
『花嫁、言うな! 僕は男だ!』
ユリと桜を再度庇いながら、マジックシールドをドーム状にして重ねがけする。
他にシールドを張れるカレン姉さんもグラフィットもいない。
『ユリ、桜、ここから絶対に動くな。』
『浜崎、死んだりなんかしたら、絶対に許さないから!』
必死にユリが俺の腕を掴んで叫んだ。
『ああ、わかった。じゃあ、行ってくる。』




