番外編 傍にいてくれるだけで、それで良い。
金曜日の夜、タイタニックという映画がテレビであった。
ジャックが言った最期の言葉…
『必ず生きると約束してくれ』
その後、ジャックは亡くなって海の中へと沈んでいった。
ユリは涙を流して俺を見た。
『エレーナ姫は、アベルに生きてって言ったのに…。浜崎、僕…っ、記憶が無くて…ごめんなさい…。浜崎を残して死んでしまって…ごめ…なさ…っ…』
次々にユリの目から涙が零れ落ちる。俺はユリの涙を拭ってやりながら口づけした。
『記憶が無くても良い。ユリが傍にいてくれるだけで、それで良い』
俺はユリを抱き締めて言った。
『ユリも言ってただろ、今度こそ一緒に幸せになろうって。なぁ、ユリ、本当に俺はいま幸せだ。だからもう泣きやんでくれ』
祈るような気持ちで口づけを深く繰り返した。
『ユリと2人でずっと幸せでいたい』
『僕も…浜崎と一緒にずっと幸せになりたいよ』
ユリがやっと微笑んだ。
『2人で一緒に…ううん』
ユリは胸に手をあてて俺の目を見ながら
『エレーナ姫と僕たちで幸せになろう』
そう言って俺を抱き締めてきた。
『ユリ、愛している』
『僕も愛してる、浜崎』
長い長い時を生き続けて、やっと俺は救われた気がした。
天の声です。本編で回収できなかったユリの記憶のお話しです。ユリの胸にはエレーナ姫の魂の欠片があります。エレーナ姫と浜崎とユリが幸せになると良いなと思って書きました。




