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番外編 グラフィットの憂鬱
グラフィットは、前世ではエレーナ姫の近衛騎士だった。
エレーナ姫が亡くなり、親友のアベルはエレーナ姫の近衛騎士から魔導師になった。姫の生まれ変わりを探すのだという。親友を放って置けない、自分も魔術師になった。
そして現在、浅野光希という人間として学園の保健医をしている。
最近、アベルがエレーナ姫の生まれ変わりのユリを見つけ出し相思相愛の仲になった。……のは良かったのだ。
しかしアベルがユリを連れて昼休みに頻繁に保健室へと来るようになった。
仕切られたカーテンの向こうから声が聞こえる。
『ぁん…浜崎、そこ、ぁっ…気持ち…いいっ…んぅっ…もっとして…ぁっ…んっ…』
保健医、浅野光希は現在27歳独身。
精神衛生上、非常によろしくない。
『君たち、ここは保健室だよ。そんなことは部屋でしなさい』
そう言ってカーテンを開けた。
アベルがユリにマッサージをしていたのだ。
何という紛らわしいことか。
カーテンを閉め直して、グラフィットは海より深いため息をついたのだった。




