魔力吸収
『じゃあ、手を出してくれ』
素直に、ユリの細く整った指が俺の掌に重なった。
そっと、ユリの手に絡める。
色々な意味で顔を赤くするユリに構わず、少しずつ魔力を送る。
『ぁ!? 何かコポッて入ってきた』
『そう、それが魔力だ。体内の腹のあたりにあるとされている魔力袋へと魔力を循環させることを思い浮かべて…』
『体がポカポカしてきたかも』
『それから、イメージを元に魔法を行使するんだ。よし、魔力を回収する。』
しかし、とんでもない事が起こった。回収した魔力が泥弱だったのだ。
『ユリ、お前…、魔力を吸収したのか?!』
『えぇ?!』
ユリは理解できていない。
『大変だ! 姉さん、グラフィットこっちに来てくれ!!』
『どうしたの?そんなに慌てて、珍しいわね。』
『何か問題があったのか?』
『ユリが、俺の魔力を吸収したんだ。』
『何ですって?!』
『大問題じゃないか!』
『浅野先生? 何が問題なのですか?』
ユリが不安げに俺たちを見回した。
『いいかユリ、この世界には戦術魔法と治癒魔法の2つしかない。もし、ユリが魔力を吸収するってことが世間にバレたらどうなる?』
『ぇ、どうなるの?』
『言い方を変えましょう。ユリくん、もし珍しい動物が目の前にいたら? その動物が大金になる生き物だったら?』
『私なら、捕獲して売り飛ばす。』
『浅野先…生……!? もしかして僕!?…浜崎!』
『別の意味で狙われるぞ』
俺の言葉に、ユリが青ざめた顔で座り込んだ。




