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陰で育てる少女たちのチート冒険譚~奴隷少女たちを最強に育てる陰の策略~  作者: spichat
第3章 転生勇者と奴隷少女

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第61話

ベルナスからラグナードへ戻った頃には、空はすっかり夕焼け色に染まっていました。

ノクスの初依頼も無事終了。

アステリアとの合同任務としても十分な成果だったと思います。


「お疲れ様でした」

「色々これからも勉強させてもらいます」


ギルドに戻って報告を済ませました。

これからのノクスには期待しておきましょう。


「お!戻ったのか?」

「ご主人様」


ご主人様はギルドの奥から歩いてこられます。

あの奥にあるのは図書室……何か調べ物でもしていたのでしょうか?

とりあえず、皆、無事に戻ってきたことを報告しなければ……


「……みんな、怪我も無さそうだな。よくやった、エレナ。ユズも初司令塔ご苦労さん」

「ありがとうございます」


この褒められながら、少し頭を撫でて頂ける時間が私にとっての至福の時間です。

とはいえ、顔に出してしまってはご主人様に気づかれてしまうので、あくまで心で喜ぶに留めます。


「今日はどうされますか?やることが終わったのであれば、ラグナードに戻りますか?」

「ギルド長には話を通してある。そろそろ準備も終わる頃だろうから、ラグナードに戻るぞ」

「分かりました」

「……その後は自由だな。俺は疲れたから寝させてもらうよ」


ご主人様は気力面でお疲れのようです。

ラグナードの宿は取ってありますし、そのままお休みになっても問題ありません。

追加で一部屋取って、ノクスに使ってもらうとしましょう。


■小澤


スマホのアラームが鳴り、目を開ける。

見慣れたワンルーム。


「……静かだな」


自然とそんな言葉が漏れた。

つい数日前まで、六人がここで生活していた。

朝起きれば、六人がぎゅうぎゅうになりながら寝ていて、朝食の準備や家事もこなしてくれていた。

それが今は――何もない。


「……広く感じる」


別に部屋が広くなったわけじゃない。

だが、人がいないだけでここまで違うものなのか。

洗面所も空いている。

キッチンも静か。

ベランダにも洗濯物はない。

一人暮らしに戻った。

ただ、それだけ。


「……あの生活にも慣れていたんだな」


苦笑しながらスーツへ着替える。

今日はそのまま警察病院へ向かう予定だ。

藤堂はこの二週間で体調も良くなり、少しずつだが聴取も行われている。

ボロスに関する新たな情報が出てきた以上、話を聞かなければならない。

ネクタイを締め、玄関へ向かう。

ドアを開けた瞬間――


「おはようございます、ご主人様」


エレナがお弁当を持って待っていた。


「……ありがとう。よく毎日飽きずに作れるな」

「これもこちらの世界に対応するための訓練です。それにご報告もあります」


エレナたち、アステリアは結局マンションを購入することにした。

何でもこっちの世界での拠点にするとのことで、俺の住む賃貸の向かい側にあるマンションの一室を購入したわけだ。

なので、エレナがこの場にいること自体には驚いていない。


「……それで?」

「……ノクスの六人もこちらに来ました」

「そうだろうな。そうだろうよ……」


何となく察してはいたが、今回も巻き込んでしまったみたいだ。

何が影響しているのか、この部分についてはルクス辺りに聞いてみるのがいいのかもしれない。


「とりあえず、これから仕事だからノクスの六人については任せる。所持金は……持っているだったな。無駄遣いはするなよ」

「かしこまりました」

「エレナ。お弁当ありがとう。行ってくる」


駅へ向かって歩き出す。

向かう先は警察病院。

藤堂元康。

あいつが何を知っているのか。

そして――何を見たのか。

それを聞き出す必要がある。


■ミア


エレナがご主人様にお弁当を届け終わって戻ってきた。

その当番は日替わりで当番が決められている。

なので、誰も文句は言わない。

ただ、これからは少し回ってくるのが遅くなりそう。


「……ノクスの皆さん。少しは落ち着きましたか?」

「……少しは?」


ディナが代表して答えるけど、まだ色々と状況を受け入れきれてない。

私も最初は訳が分からなかったから、分からなくないけど、これは慣れてもらうしかない。


「現状をお伝えしますね。ここは日本、地球です。アストラディアではありません。異世界です」

「……それを平然と言ってるお前たちが信じられねぇよ」


そうしている間にセラとリリアは朝食を作って、私とルナで洗濯物、フィアは掃除係です。


「……信じてというか、慣れてもらうしかないのですよね。この世界は魔法が使えず、科学が進歩した、ヒューマンの世界です」

「……かがく?」


ユズが知らない言葉を聞き返す。

どれもこれも見せた方が早いよ。


「……エレナ、今日出かけよ?」


私はエレナに提案する。

何よりも体験してもらうのが一番早い。

エレナはもうちょっと説明してからと考えていたのか悩んだけど――


「そうしましょうか。服も買わなきゃですしね。セラ、今いくらありますか?」

「マンションを購入しましたが、余裕はありますわ。また、宝石は持ってきていますので、ルクス様の所に伺いたいところです」


エレナとセラは本当に仲良くなったと思う。

最初はエレナの警戒が強かったけど、今は頼れるパートナーみたい。


「リリア、行きたがってたお店がありましたよね?いい機会なので行きましょうか」


リリアが行きたがっていたのは、ピンク色の可愛い物がいっぱい売っているお店。

私とは感覚が合わないけど、部屋のベッドはそれぞれの好きな物を置いていいことになってるから、みんな何かしら置いている。


「朝食食べたら出発しますよ。いいですか?」


今日も楽しくて、面白い一日が始まる。

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