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陰で育てる少女たちのチート冒険譚~奴隷少女たちを最強に育てる陰の策略~  作者: spichat
第2章 新たな出会いと奴隷少女

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間章2 アステリアの拠点探し

「――家を借りる?」


朝食の席でそう切り出したのはエレナだった。

警察病院から戻って一日。

藤堂の件もあり、昨日も夜遅くまで書類と戦っていたこちらとしては、のんびりと部屋過ごし少し休みたい気持ちもあったが、エレナの表情は真剣そのものだった。


「はい。今後のことを考えると必要かと思います」

「今後って……?」

「現在、私たちはご主人様の部屋に居候している状態です」


その言葉に、全員の視線がこちらへ向く。

……確かにその通りではある。

六人が日本へ来てからというもの、少し広めのワンルームの部屋とはいえ、完全にキャパオーバーだった。

寝る場所もギリギリ。

生活動線も何もあったものじゃない。


「正直、狭いです」

「……狭い」


即答したのはミアだった。


「……こっちに来ないという選択肢はないのか?」

「私たちで選んでいるわけではないので、そこはなんとも。あっちで別々の部屋に別れても、寝たら日本なので」

「……まあな」

「……寝返り、できない」

「……すまん」


リリアが苦笑いし、セラも申し訳なさそうに頭を下げる。


「本来であれば私たちが宿を取るべきなのですが、日本では身分証や保証人など必要なものが多いのでしょう?」

「宿ってホテルとかか?まだ若いからな。その辺は必要かもな……」


異世界と違って、金だけあれば住めるわけではない。

日本は法治国家なので、その辺はあっちとは比べられないほど敷居が高いだろう。


「だから、今日は部屋探しをしたいんです」

「……なるほど?」


エレナは既に色々調べていたらしく、俺が渡していたサブのスマホの画面をこちらに見せてくる。

何を言っているのかいまいち分からないまま答えてしまった。


「この“ふどうさん”というお店に行けばいいのでしょうか?」

「……ん?いやいや。部屋借りるって?まさか、この部屋より大きな場所に引っ越そうとか言うんじゃないよな?」

「この部屋はご主人様のお部屋なので。私たち用の部屋です。ちなみに”いんたーねっと”とかいうものの使い方はルクスさんから教わりました。」


(……あのやろう)


とはいえ、ここまで行動していること自体は頼もしすぎる。

正直、部屋が狭くなっているのは事実で、洗濯物はミアたちが担当してくれるものの、下着類が洗濯籠に入っているときは目のやり場に困っていたりした。


「分かった。今日は非番だし付き合うよ」

「ありがとうございます、ご主人様」


エレナが微笑む。

それだけで、少し疲れが軽くなる気がした。



昼前、俺たちは駅前の不動産屋へ来ていた。

ガラス張りの店内。

壁一面に貼られた物件情報。

それを見たセラが小さく感嘆の声を漏らす。


「……これ、全部住居なのですか?」

「そうだな。アパートからマンション。貸家なんてものもあるな。その中でも空いてる部屋一覧みたいなもんだ」

「なるほど……大人数で住むとしたらとの程度がいいのでしょうか?」


質問してきたと思ったら、今度は考え込んでしまったのでそっとしておくことにする。

一方、ミアは入口近くで周囲を外を眺めていた。


「……人、多い」

「昼時だからな。学生もいれば会社員もいるだろうな」

「……お昼。ちょっとお腹減ってきたかも」

「それは後だな。セラとエレナの用事が済んだら行こうか」


ミアはそのまま外を眺めているそうだ。

リリアは物件情報を見ながら真面目に分析している。


「……駅近。コンビニ近い。便利。」

「そこ見るんだな」

「……住む場所は重要。今の部屋もコンビニ近い。いつでも買いに行けるのはいい」


完全に現代日本へ順応していた。


「いらっしゃいませー」


店員が笑顔で近づいてくる。

そして、こちらの人数を見て一瞬固まった。

まあ、そりゃそうだろう。

美女六人+疲れた男一人。

それぞれ容姿が違うんだから家族というわけじゃないと一目でわかる。


「本日はどういったお部屋をお探しでしょうか?」

「えーっと……」


店員は決定権のありそうな俺に話しかけてくる。

ただ、今日の俺はただの付き添い(?)なので、俺に効かれても困る。

どうにかやんわりと伝える、ここが問題だ。


「今日は錦糸町の部屋を探しに来ました」

「錦糸町ですね。お住まいになられるのは、七人でいいですか?」

「住むのは六人でお願いします。」


すらすらとエレナが話を進めてくれる。

店員はエレナの提示してくる条件をまとめると一度奥に資料を取りに戻っていった。

俺は途中から話を聞いていなかったが、どうやら今住んでいる所の近場で探しているように思えた。


「どうだ?いい物件はありそうか?」

「何件かあるみたいです。もともとチェックしていた物件の他にも資料を持ってきてくださるそうです」

「その辺は専門家に任せた方が無難だな」


とりあえず資料も持ってくるまでの間に俺も物件情報を見て回る。

引っ越しは検討していないが、こうしてみているとワクワクした気持にもなる。


「お待たせしました」


店員が戻ってくると五件ほど紹介したい物件があるようだ。

それぞれの特徴と間取りを説明され、よかったらこの後内見に行かないかと誘われ、エレナは了承する。


「一応お聞きしたいのですが、ご契約者様はどなたになるご予定でしょうか?」


当たり前の質問に回答が詰まってしまう。

契約名義は誰にするのか。

日本の戸籍も住民票も取れないエレナたちでは無理なので、必然的に俺になるわけだが……


「契約者は私で問題ありません。こちらが現在の住民票です」

「ご確認させていただきますね……小澤 恵令奈様でよろしいですか?」

「はい」


(……おいおい。いつ作ったんだそれ?)


エレナにしては珍しくカバンを持ち歩いていると思ったら、中に書類を入れていた。

しかし、あの書類はきちんとした公的な物なのか。

あとで確認が必要だと心に留めておく。


「ご年齢は十五歳ですね。となりますと、保護者の同意が必要ですが……」

「……それは俺が」

「分かりました。それではご案内いたしますので、車を回しますのでお待ちください」


そういうと店員は裏へと消えていった。

エレナは渡された資料を見ながら悩んでいるようだ。


「……エレナ。あの住民票は?」

「ルクスさんにご紹介いただいた役所の方に作っていただきました。ご主人様もその紙にサインしてましたよ?覚えていませんか?」


ここ最近、色々なことが起こっていて一つ一つ確認していなかった。

確かに、何日か前にエレナが書類にサインしてほしいと言っていたが……


「……問題はないんだよな?」

「ちゃんとした公的な書類です。今、ご主人様が住民票を取得したら、ここにいる六人も出てくるそうです」


……それはそれで困っていたから聞けて良かったのかもしれない。

それにしても、ルクスは手厚く六人のサポートをしてくれているみたいで、一部では助かった。


(……なら、学校とか興味あるか、後で聞いてみるか)



「こちら、リビングになります」


内見が始まって最後の一件。

3DKの大きな一室で、7階に位置しているため防犯面も問題なし。

建物は築浅で、駅から徒歩十分。

悪くない、女の子の共同生活をする場としては申し分ない――俺が借りている一室の隣の建物でなければ。


「……広い」


ミアが珍しく目を輝かせていた。


「ここならゆったりできる」


ミアはぐっと体を伸ばして広さを堪能しているようだ。

少し窮屈な思いをさせていたと悔やむ。

フィアはベランダへ出て空を見上げている。


「風、気持ちいいです……」

「結構な高さにあるからな。気に入ったか?」

「はい。ここ、落ち着きます」


ルナはベランダに出れる部屋から外を眺めている。


「……ここ、好き」

「……ベランダには出ないのか?」

「……高いとこ、怖い。でも、空は、綺麗。だから、ここ、好き」


ルナはそのまま残し、セラはキッチンを興味深そうに見ていた。


「火を使わずに料理できるのですか?」

「IHだからな。専用のフライパンとか買わなきゃいけないけど問題ないぞ」

「……本当に知らないものばかりですのね」


拒否をせずに受け入れる姿勢はさすがお姫様といったところだ。

その横で、エレナは店員と現実的な話をしている。


「家賃、少し高いですね……」

「いくらなんだ?」

「月三十万円です」

「……普通にひと月分の給料ぐらいかかるじゃないか」

「金額については試算しても問題ないのですが、今後も住み続けるとなると、賃貸よりも購入の方がよさそうかな、と」


エレナはそういうと店員に別の条件を伝えているようだ。

店員は手際よく手に持っていたパソコンを開き、色々と調べ始めた。

何やら良い物件があったのか「後ほど資料をお送りします」とのことで今日は解散となった。

隣が家なので送迎は丁重にお断りして、ちょっと遅めのランチタイム。


「いらっしゃいませ」


ファミリーレストランに入ると慣れた手つきでメニューを頼みだす六人。

年相応の楽しそうに笑い、はしゃぐ姿をこれからも守りたいとそう思える一日だった。

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