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陰で育てる少女たちのチート冒険譚~奴隷少女たちを最強に育てる陰の策略~  作者: spichat
第1章 始まりの事件と奴隷少女

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第22話

ファミレスを出る。

もうすぐ夏だからか、昼間はうだるような暑さだ。


「ご主人様」


エレナが声をかけてくる。

ルクスもファミレスから出てきた。


「お仕事ですか?」

「ええ。緊急で行かなければならず。お話はまたいずれ。それで申し訳ないのですが、三人を見ていて貰えませんか?」

「……え?」


ルクスが軽く困惑した顔をする。

元魔王でも困り顔はするのだと再認識。


「私にも用事が…」

「そこを何とか。世間知らずな3人を野放しにしたら、それこそ危険なので」


三人を見る。


「だから、ここで待ってろ」


だが。


「……嫌」


ミアが即答する。


「……ついていく」


リリアも、小さく言う。

エレナが一歩前に出る。


「私たちはご主人様の奴隷です」

「この世界のことも、理解しておく必要があります」


真っ直ぐな視線。


(……まあ、そうなるか)


ルクスがこちらを伺いつつ聞いてくる。


「……私は帰っても大丈夫ですか?」

「すみません。また機会がありましたら」


ルクスを送り出し、俺は3人に向き合う。


「…ちゃんと大人しくしているなら連れていく。約束出来るか?」

「はい」


三人の声が揃う。

ぼそっと呟く。


「…鴨志田に見つかったら厄介なんだけどな」

「ご主人様、何か?」

「ほら、行くぞ。あとは現場に着いたら説明する」


三人が頷く。

現場は電車を乗り継ぎ向かう。


コンビニ。規制線。パトカー。人だかり。

三人を外に残し、中へ入る。


「警部、お疲れ様です」


鴨志田が駆け寄ってくる。


「状況は?」

「コンビニ強盗です。被害者はアルバイト店員一名。現場で死亡が確認されています」

「店長は?」

「当時、現場にはいません。通報も別の人物です」


短く頷く。


「マル被は?」

「逃走中です」

「何で?車か?徒歩か?」

「徒歩と思われます。公共交通機関を使う可能性をあるので、支店の警官に巡回をしてもらってます」


鴨志田から現況を聞きつつ、白手袋と頭に紙が落ちないようにキャップ、靴カバーを装着する。


「入るぞ」


店内へ。

血の匂い。

倒れている店員。


(若いな)


「被害者の身元は?」

「山崎拓海、二十歳。大学生です。近所のアパート在住。店長曰く苦学生のようですね」


しゃがむ。手を合わせる。


胸部。傷は一つ。


(……貫通)


形が妙だ。


(刺し傷じゃない。だが、穴がある)


立ち上がる。


「凶器は?」

「見つかっていません。警察犬もそのうち来ると思います」


沈黙。


(持ち去ったか)


だが。


(この一撃はなんだ)


周囲を見る。

荒れ方は最小限。

レジだけが狙われている。


(手慣れてる)


「防犯カメラは?」

「確認できます」

「立ち会いお願いしてこい」


鴨志田に命令を出しつつ、鑑識に目を向ける。


「田辺」

「おう」


警察学校時代の顔見知り。


「指紋と足跡は?」

「どっちも大量だ。関係者を仕分けるのが大変だよ。最後はレジの前に立ってたみたいだから特定は簡単だけど、どんな風に店内を回ったかは、時間かかるかもな」

「外もやるのか?」

「…やらなくていいなら、歓迎だぞ?」


 一拍。


(……全く)


「続けてくれ」

「了解」


鴨志田を見る。


「周囲の聞き込みは支店か?」

「支店も協力してもらってます。あと防カメの準備できました」


バックヤードへ。

そこには顔を青くした店長らしき男が1人。

映像を再生する。


男。フード。顔は見えない。


(……ここまでは普通)


レジへ商品を持っていき、多少のやり取り。

次の瞬間。


倒れる。


(……なんだ?)


巻き戻す。スロー。


(手……指か)


わずかに動く。

弾くような動き。

それだけ。


(凶器がない)


腕を組む。


(……分からないな)


「こちらの映像はダビングさせていただきます」

「はい」


外に出る。


「鴨志田、とりあえず聞き込み行ってこい。どっちに逃げたかだけでも聞けたら最高だ」

「了解です」


三人が待っている。

エレナが、すぐに口を開く。


「ご主人様」

「どうした?」

「こちらの建物ですが…」


一拍。


「……違和感があります」


静かな声。


「何に気づいた?」


視線が合う。


「……いえ、何となくですが」


ミアとリリアも、こちらを見る。


「……何か気付いたのか?」

「……匂いが、変?」


ミアの返答。短い沈黙。


(……まさか)


小さく息を吐く。


(ただの事件かどうか、怪しいってか)


視線を現場へ向ける。


(……本当に?)


違和感は、ある。

凶器が映ってない。

でも、殺傷能力は抜群。

それだけ。


(……覚えておくか)


今日は、まだ終わらない。

2026.04.26 文章を修正しました

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